腰痛原因

腰痛の原因になっている意外な場所とは!?

股関節と腰痛

【記事のポイント】
1. 腰痛の原因として、股関節が注目するポイント.
2. 腰痛患者は、股関節を後ろに反らす動きが制限されている.
3. 股関節を反らすために柔軟性が必要な筋肉のストレッチが重要.

腰痛の原因は、様々なものが報告されていますが、そのうちの一つに”股関節の柔軟性低下”があるのをご存知でしょうか。
腰が痛いために、腰のどこかに問題があると捉えがちですが、意外と別の場所に原因があることも多いです。
今回は、股関節の柔軟性と腰痛の関係を科学的に検証した研究をご紹介します。

腰痛患者と健常者の股関節の柔軟性を比較

股関節の柔軟性と腰痛の関連

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今回の研究には腰痛のない健常者30人と慢性腰痛患者30人が参加しました。
測定者が参加者の股関節の柔軟性を傾斜計という機器を用いて測定しました。
以下の3方向の股関節の柔軟性が測定されました。

■ 股関節伸展(しんてん):股関節を後ろに反らす角度.
■ 股関節内旋(ないせん):股関節を内側にねじる角度(内股の方向).
■ 股関節外旋(がいせん):股関節を外側にねじる角度(ガニ股,、あぐらの方向).

股関節を後ろに反らす柔軟性が低下

健常者のグループと比較して、腰痛患者のグループは股関節を後ろに反らすときの柔軟性が低下しており、その角度は、健常者と比べて10°以上も小さいことが明らかとなりました。

■ 健常者の股関節を後ろに反らす角度:6.88°
■ 腰痛患者の股関節を後ろに反らす角度:−4.28°(マイナスは、体の後ろに足を反らせない状態を示す)
※股関節伸展角度は大きいほど柔軟性が高いということを示しています。

この股関節を反らす動きを邪魔しているのは、腸腰筋という筋肉です。下図の青い丸の部分が硬くなっていることで、股関節が後ろに反らせなくなっていることが多いです。

腸腰筋と腰痛

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股関節内旋・外旋の柔軟性は関連なし

ゴルフと腰痛

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今回の研究において、股関節の内旋・外旋の柔軟性は、健常者と腰痛患者で大きく異なりませんでした。
股関節の内旋・外旋の柔軟性の獲得は、スポーツの中でもからだをねじることの多いスポーツ(野球やゴルフ)においては重要と言われていますので、軽視すべきではありません。今回の研究からは、股関節の内旋・外旋の動きが重要でないとは言い切れないため、解釈に注意が必要です。
実際に、野球やゴルフなどのプロ選手でも、腰を痛めて欠場している方は少なくありません。ここに、股関節の影響も少なからず、影響しているかもしれません。

股関節伸展の柔軟性を高めるためにすべきこと

今回の結果から、股関節の柔軟性が低下している状態(特に後ろに足をそらせる柔軟性が低下している状態)は、腰に悪影響を与える可能性があることが示唆されました。
このような股関節の柔軟性が低下した状態で運動を行うと、本来であれば股関節が担うべき動きの分まで腰が負担してしまい、腰痛になってしまうリスクが高くなる可能性が考えられます。
そこで股関節伸展の柔軟性を改善する代表的なストレッチをご紹介します。

腸腰筋のストレッチ

1. 伸ばしたい側の足を後ろに引いて、片ひざ立ちになる.
2. 前に出した側の足に体重をかけていく.
3. 引いた側の股関節の前面が伸びているのを感じる.

いかがでしたでしょうか。ぜひ、腰痛持ちで、かつ、股関節を後ろに反らすことが難しい方は、ストレッチを実践してみてください。

(坪井大和)


▼参考文献
タイトル:Passive hip range of motion is reduced in active subjects with chronic low back pain compared to controls.
雑誌名:Int J Sports Phys Ther. 2015 Feb;10(1):13-20.
[PMID: 25709858]