腰痛対策

バーチャルリアリティで腰痛は改善するのか!?

VRの腰痛改善効果

【記事のポイント】
1. 腰痛患者にバーチャルリアリティを用いた介入効果を検証した.
1. バーチャルリアリティを利用した歩行介入は、腰痛を短期的に改善した.
2. カラダを動かすことに対する恐怖心を持っている方に対して、効果的である可能性が示唆された.

読者のみなさまは、バーチャルリアリティをご存知でしょうか。
バーチャルリアリティとは仮想現実ともいい、コンピュータ上に作られた世界を実際の感覚を通して体感する技術のことをいいます。非常に近年盛り上がっている領域で、バーチャルリアリティを利用した、健康への取り組みも増えてきています。
今回バーチャルリアリティを用いて、腰痛患者に仮想現実の中で歩行をしてもらい、その効果を検証した研究をご紹介します。

バーチャルリアリティを用いたウォーキングを実施

今回の研究には、44人の亜急性腰痛(発症から4週間以上3ヶ月未満)または慢性腰痛患者(発症から3ヶ月以上)が参加しました。
参加者は以下の2群にランダムに振り分けられました。

■ 従来のリハビリ(運動、電気治療、温熱(温める)療法を週5日×2週間を実施)
■ 従来のリハビリ+バーチャルリアリティを用いたウォーキング

バーチャルリアリティは、腰を温めている最中に座った状態で行い、自分が実際に歩いているような体験を仮想現実上でしてもらいました。
バーチャルリアリティの効果は、介入の前後で腰痛の痛みの程度、カラダを動かすことへの恐怖感、腰痛による日常生活の制限、総合バランス、6分間に歩ける距離などが、どれだけ変化するかを評価しました。

バーチャルリアリティは短期的な腰痛改善効果があった

両群において、すべての指標に改善が見られていました。
しかしながら、腰の痛みの程度、からだを動かすことへの恐怖感、総合バランス、6分間に歩ける距離に関しては、バーチャルリアリティによるウォーキングを実施した群の方が、より改善していました。しかし、今回は介入の前後での短期的な効果しか検討できていない点には注意が必要です。そのため、このようなアプローチをしたからといって、長期的に腰痛改善効果があるかは、さらなる検討が必要です。

なぜバーチャルリアリティで腰痛が改善したのか

慢性の痛みを訴える人を対象にバーチャルリアリティを用いることで、カラダを動かすことへの恐怖心が改善したという報告もあります。
今回の研究でも、恐怖心が改善することで、バランスや歩行などのパフォーマンスも改善した可能性が考えられます。

最新の技術を用いた腰痛治療

バーチャルリアリティは様々な産業において活用が進んでいます。
今回の研究では、バーチャルリアリティによる歩行が短期的に腰痛に関する様々な指標を改善することが分かりました。
バーチャルリアリティは特に腰痛がひどいためにカラダを動かすことに困難や恐怖心を感じている人に効果的である可能性が示唆されました。

(坪井大和)


▼参考文献
タイトル:Is physiotherapy integrated virtual walking effective on pain, function, and kinesiophobia in patients with non-specific low-back pain? Randomised controlled trial.
雑誌名等:Eur Spine J. 2016 Dec 15. [Epub ahead of print]
[PMID: 27981455]