すき間時間にできる目のマッサージで目の疲れを解消しよう!

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター松井洸 / 理学療法士

eye massage

(c) naka - Adobe Stock

【記事のポイント】
1. パソコンやスマホによる目の疲れは目の周りの筋肉の疲労が関係している。
2. マッサージで緊張した筋肉をほぐし、目の疲れを和らげよう。
3. マッサージの他にも、こまめに目の休憩をはさむ習慣をつけることも大切!

パソコンやスマホなどによるゲームやコンテンツの普及により、現代では目を酷使する機会が増えています。目を使いすぎた後は、普段より目が重たい感じがする、目がかすむなどの症状がありませんか?

本記事では、そんな目の疲れに関して、すき間時間にできる簡単なマッサージを中心に解説していきます。

パソコンやスマホで目が疲れるのはなぜ?

パソコンやスマホ、視作業などによる目を酷使することで起こる、目の痛み、かすみ、眩しさ、充血などの症状のことを眼精疲労と呼びます。場合によっては、目だけではなく頭痛、肩こり、吐き気などの症状を伴うこともあります(参考文献①)。

長時間、目を使いすぎると、目の周りにある小さな筋肉が疲れてきて、眼精疲労の症状を生じることがあります。走ったら、疲れるのと同様ですね。

目には水晶体と呼ばれるレンズのような役割を持つ組織があり、その上下には毛様体筋(もうようたいきん)という焦点(いわゆるピント)を合わせる役割を持つ筋肉が付いています。

遠くのものを見る時、毛様体筋はリラックスした状態で水晶体は薄い状態です。対して、近くを見る時、この筋肉は緊張し水晶体を厚くすることでピントを合わせてくれます。

特に、パソコン業務などで、目の前のものを見続ける場合、毛様体筋は持続的に力を入れた状態になっています。そうすると、徐々に筋肉が疲れて、眼精疲労を生じてきます。

目が疲れた時に遠くを見ると良いというのはこういう理由です。

(c) BackTech Inc.

(c) BackTech Inc.

ピントを合わせる筋肉とは別に、眼球を動かしてくれる筋肉が6つあります。


■ 上斜筋(じょうしゃきん)
■ 上直筋(じょうちょくきん)
■ 内直筋(ないちょくきん)
■ 下直筋(かちょくきん)
■ 下斜筋(かしゃきん)
■ 外直筋(がいちょくきん)

これらの筋肉が働くことで、眼球を上下左右に動かしてくれるので、色々な方向へ目を向けることができるのです。

スマホやパソコンなどを使っている時、近くを見ているのでピントを合わせるための毛様体筋は常に緊張した状態にあります。そして、自分では気づかないかもしれませんが、画面を隅々まで見るために眼球は小刻みに色々な方向に動いています。

eye muscle

(c) BackTech Inc.

この他にも、目には瞬きをするための筋肉もあり、長時間のパソコン業務などによって、これらの筋肉に負担がかかって眼精疲労の症状を引き起こす可能性が報告されています(参考文献②)。

このように、目の周りの筋肉は、パソコンやスマホによる目の疲れと密接に関係しています。

すき間時間に!目の疲れにおすすめなマッサージ4選

パソコンやスマホによる目の疲れに対してマッサージをすることで、疲れの回復だけではなく、目の機能の低下を予防する効果が期待できます(参考文献③)。目の疲れに対するマッサージには、大きく分けて以下の2種類の方法があります。


■ 目の周りの筋肉を直接マッサージする
■ 目を動かすことで間接的に目の周りの筋肉をマッサージする

目の周りにある筋肉をマッサージすることで、パソコン業務やスマホの使用で疲れが溜まった筋肉をほぐして、眼精疲労を和らげましょう。

目の周りの筋肉のマッサージ

目の周りについている筋肉のマッサージをそれぞれ解説します。

眼輪筋(がんりんきん)

目の周りにつく、まばたきするために働く筋肉です。

(c) BackTech Inc.

(c) BackTech Inc.

1.上まぶたの上に指を当てる
2.上まぶたを開くように上下に指を動かす
3.下まぶたに指を当てる
4.下まぶたを開くように上下に指を動かす

(c) BackTech Inc.

(c) BackTech Inc.

前頭筋(ぜんとうきん)

おでこに広がり、おでこにしわを作る筋肉です。

(c) BackTech Inc.

(c) BackTech Inc.

1.おでこに指を当てる
2.左右に指を動かし、おでこをまんべんなくマッサージする

(c) BackTech Inc.

(c) BackTech Inc.

皺眉筋(しゅうびきん)、鼻根筋(びこんきん)

(c) BackTech Inc.

(c) BackTech Inc.

眉間にしわを作る筋肉です。

1.眉間から鼻の根元に指を横にして当てる
2.指を左右に動かす

(c) BackTech Inc.

(c) BackTech Inc.

眼球を動かす筋肉のマッサージ

1.目線を上に動かし3秒キープ
2.目線を下に動かし3秒キープ
3.目線を左に動かし3秒キープ
4.目線を右に動かし3秒キープ
5.目線を左回りに3周動かす
6.目線を右回りに3周動かす

(c) BackTech Inc.

(c) BackTech Inc.

マッサージ以外の疲れ目対策

これまで疲れ目対策としてマッサージを中心にご紹介してきました。次に、マッサージ以外の疲れ目対策にはどんなものがあるかをご紹介していきます。


■ こまめに目の休憩をはさむ
■ 蒸しタオルなどで目を温める
■ 目薬を利用する
■ 自分に合ったメガネ、コンタクトレンズを使用する

こまめに目の休憩をはさむ

スマホやパソコンなどを集中して見ている時は、まばたきが少なく、常に近くを見ている状態です。パソコン仕事が続くときは、こまめに休憩を挟み遠くを見つめる時間を作り、目に関わる筋肉を休めるようにしましょう。目安としては、「20分に一回、20フィート先を(約6m)、20秒間見る」という”20-20-20のルール”を覚えておくと良いかもしれません。

蒸しタオルなどで目を温める

また、蒸しタオルやホットアイマスクで目の周囲の筋肉をほぐすのもよいでしょう。特に、就寝前に目の周囲を温めることで、睡眠時の主観的な心地よさや、起床時のスッキリ感が向上したとする報告もあります(参考文献④、⑤)。

目薬を利用する

特に「目が乾く」という方は、目薬を利用するのがよいでしょう。いわゆるドライアイの状態は目を保護する役割がある涙が少なくなった状態です。涙が少ないままだと、目の組織が乾いて傷つきやすくなってしまいますので、2〜3時間に1回を目安に目薬を利用して、目の乾きを予防しましょう。ドライアイについての対策は、「デスクワーカーのドライアイの要因と最新の知見に基づいた対策を解説!」でご紹介していますので、目の乾きが気になる方は、ぜひこちらもご参照ください。

自分にあったメガネやコンタクトレンズを使用する

自分の目に合ったメガネやコンタクトレンズを使用していないと、メガネのレンズと目の水晶体とのピント調整にズレが生じ、知らず知らずのうちに目の筋肉へ負担をかけている可能性があります。可能なら眼科で調整してもらうのがよいでしょう。

また、ドライアイはコンタクトの使用と深く関連していくことがわかっており、ドライアイの症状が強いときには、コンタクトではなくメガネを使う、休目日(コンタクトではなく、メガネで過ごす日)を数日設ける、自宅にいる時はメガネで過ごすなどがおすすめです。
(参考:デスクワーカーのドライアイの要因と最新の知見に基づいた対策を解説!

すき間時間で目の疲れを解消しよう

目には思った以上に多くの筋肉が関わっています。普段、何気なく目を使っていますが、腕や足を休めるのと同じように目の筋肉も休めることが重要です。

本記事で解説したマッサージを日常のちょっとした合間に行って、目の筋肉をほぐしてあげてください。

(松井 洸)


▼ 参考文献①
タイトル:日本眼科学会
URL:http://www.nichigan.or.jp/public/disease/hoka_gansei.jsp
▼ 参考文献②
タイトル:Eye-related pain induced by visually demanding computer work.
雑誌名:Optom Vis Sci. 2012 Apr;89(4):E452-64.
[PMID: 22366711]
▼ 参考文献③
タイトル:Efficacy evaluation of acupoints massage on asthenopia of video display terminal under different exposure dose.
雑誌名:Zhongguo Zhen Jiu. 2012 Apr;32(4):351-3.
[PMID: 22734390]
▼ 参考文献④
タイトル:Effects of Bedtime Periocular Warming on Sleep Status in Adult Female Subjects: A Pilot Study.
雑誌名:Evid Based Complement Alternat Med. 2017;2017:6419439. doi: 10.1155/2017/6419439. Epub 2017 Oct 8.
[PMID: 29234416]
▼ 参考文献⑤
タイトル:Periocular skin warming elevates the distal skin temperature without affecting the proximal or core body temperature.
雑誌名:Sci Rep. 2019 Apr 5;9(1):5743. doi: 10.1038/s41598-019-42116-x.
[PMID: 30952920]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
  • *本サービスにおける医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではございません。そのため、本サービス上の情報や利用に関して発生したいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。なお、診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関にて受診いただきますことをおすすめいたします。

あなたにあった腰痛予防があります!

腰痛予防マニュアル
無料ダウンロード 

腰痛といっても、人によってその原因も違えば、対策も変わってきます。その中でも特に職業は腰痛と密接な関係があります。そのため、職業ごとに適した対策をしていくことが重要となります。

  • デスクワークが多い人
  • 肉体労働が多い人
  • 立ち仕事が多い人
  • 運転をすることが多い人

それぞれの職業に合った対策を凝縮した『腰痛予防マニュアル』を早速ダウンロードして、今日から腰痛対策をはじめてみませんか?

メールアドレス



SNSで購読

こちらも読まれています