腰痛にコルセットは効果的か

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター福谷直人 / 理学療法士 / 博士号(保健学) / 健康経営アドバイザー / 作業管理士 / VDT作業労働衛生教育インストラクター

コルセットをする女性

(c)marine0014 - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. コルセットに明らかな腰痛改善効果は認められない.
2. 急性腰痛の場合にのみ、コルセットをすることで日常生活の活動性は改善する.
3. コルセットに依存しないことが重要.

腰痛には、昔からコルセットというイメージがよくついてまわります。
腰痛が原因で病院を受診すると、医師からコルセットを処方されることも少なくないのではないでしょうか。
また、病院や介護施設の看護師や介護士などの腰痛の発生が多い職業では、職場から腰痛予防や重症化予防として支給されるところもあります。
この研究報告では、腰痛に対するコルセットの予防的効果と治療的効果を検証し、痛みの改善には効果は認められないが、日常生活の活動性(機能障害)には改善の可能性があると報告されました。

コルセットで腰痛は軽減するのか

コルセットをすることで、腰痛が改善するというようなイメージをもっている方は多いのではないでしょうか。
しかし、その一方で、『コルセットはいつまでもつけておいた方が良いの?』という疑問の声も多く聞かれます。
この報告では、これまでに報告された腰痛に対するコルセットの効果に関する医学論文を検索し、質の高い論文のみの結果をまとめることで、その効果を検証しました。
検索の結果、7つの予防効果に関する研究と、8つの治療効果に関する研究がレビューされました。

コルセットに腰痛改善効果は認められなかった

一般的には、腰痛改善にはコルセットが効果的という認識がされていると思いますが、本研究の結果、コルセットに腰痛の痛みの程度を改善させる効果は認められませんでした。
しかし、これは一概にコルセットは痛みを改善しないというわけではなく、明らかな改善効果があるわけではないという見解です。

痛みの改善効果は認められないが日常生活の機能は改善する

痛みに関しては、明らかな改善効果は認められませんでしたが、日常生活の機能障害における改善には有効であるとする報告が複数存在し、腰痛患者の機能改善には有効である可能性が高いことが示されました。一方で慢性化した腰痛を対象とした場合、コルセットは無治療と比較して痛みの程度及び機能改善に効果は認められませんでした。

どのようなときにコルセットが有効か

コルセットは痛みの改善には、あまり効果は認められないものの、日常生活の機能障害には改善効果がある可能性が示されました。
腰痛は痛み始めた頃には、なかなか痛みが強くて動く気になれません。そして、昔から『2、3日安静にして様子をみてください。』と言われるような慣習があります。
しかし、最新の腰痛に関わる医学研究では、安静は腰痛の改善や職場復帰などを遅らせる要因であることが報告されており、できる範囲で自宅での活動から始めることが推奨されています。
そのため、痛み始めの頃に、コルセットを用いることで日常生活で動ける範囲を広げ、副次的に腰痛の改善が望めるのではないでしょうか。

腰痛を繰り返し発症している方は、コルセットがなかなか手放せないということもありますが、『コルセットがないと仕事ができない』のような依存的な考え方は、腰痛改善に負の効果を示すことも多くあります。まずは、自身で腰痛をコントロールして、日常生活や仕事でお困らない生活を手にいれるという意識を大切にしていきましょう。

(福谷直人)


▼参考文献
Lumbar supports for prevention and treatment of low back pain.
Cochrane Database Syst Rev. 2008 Apr 16;(2):CD001823.
[PMID:18425875]

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