種類別・クスリの腰痛への効果を解説 ー最新の医学的根拠の結果からー

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【記事のポイント】
1. 最新の知見から、クスリの腰痛に対する効果がまとめられた。
2. クスリによって、効果が望みにくいものと、効果がある程度見込めるものがあった。
3. 腰痛対策においてクスリは最終手段であり、基本的にはクスリに頼らない対策を行おう!

2017年2月14日にAmerican College of Physicians(ACP)が10年ぶりに腰痛対策のガイドラインを最新の医学的根拠に基づきアップデートしました。

今回はその中でも、クスリの腰痛に対する効果をご紹介したいと思います。
クスリといっても腰痛に用いられるクスリは様々ありますので、種類別で解説をさせていただきます。

腰痛に対するクスリの効果を調査した研究を調査

ACPは、2008年1月~2016年11月までに腰痛に対するクスリの効果に関わる質の高い研究(無作為化比較試験および系統的レビュー)を検索・評価し、ガイドラインの作成を行いました。

腰痛の種類としては、急性(発症から4週間未満)〜慢性(発症から3ヶ月以上)、しびれを伴わない腰痛、しびれを伴う腰痛(ガンや感染、外傷、骨折による腰痛や妊娠中の腰痛、局所的な神経障害がある腰痛は除く)が対象となりました。

クスリの効果は、以下の項目に関して、偽薬(効能のないクスリ)や無治療、他の治療法を使用した場合と比較されました。


■腰の痛みが改善したか
■腰の機能が改善したか
■有害事象(腰痛が悪化するなど)はなかったか

種類別のクスリの効果とは?

アセトアミノフェン

急性腰痛に対しては効果的でないことが明らかになりました。

非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)

過去の文献で考えられていたほど、慢性腰痛に対する効果はなく、効果としては小さいことが明らかになりました。

デュロキセチン (サインバルタ)

主に抗うつ薬として使用されるデュロキセチンは、慢性腰痛に対して効果的であることが明らかになりました。
副作用として、嘔気(吐き気)などが報告されています。

ベンゾジアゼピン

しびれを伴う腰痛に対しては、効果的ではないことが明らかになりました。

オピオイド (トラムセットなど)

慢性腰痛に対して短期的にある程度の効果は見込めるとされていました。

オピオイドの副作用として眠気や便秘、嘔気、めまい、口渇などが報告されています。
しかし、長期的な有害事象や中毒性を調査する目的で研究がなされておらず、有害事象については明確に言及できないとされています。

筋弛緩薬

急性腰痛に対して、短期的な痛みの改善の効果があることが明らかになりました。
しかし、副作用として、催眠作用があることが分かりました。

全身性ステロイド薬

腰痛には、効果的でないと考えられる結果が得られました。

抗けいれん薬

これまで実施されてきた研究が少なく、効果については言及できないとされていました。

全体を通しての腰痛に対するクスリの効果

全体的に効果の認められた研究においては、痛みの改善レベルとしては、小さい、もしくは中等度レベルであり、短期的(3ヶ月未満)な改善のみ認められました。

また、機能の改善レベルとしては、一般に小さいことが明らかとなりました。

あくまでクスリは最終手段

最新の医学的根拠から明らかになった、あなたの腰痛に最適な対策とは!?」でも述べたように、基本的に腰痛の対策として、クスリは最終手段と考えるのが良いでしょう。

どうしても必要な際には、最寄りの医療機関に受診し、医師に相談されることをお勧めいたします。

(坪井大和)


▼ 参考文献
タイトル:Systemic Pharmacologic Therapies for Low Back Pain: A Systematic Review for an American College of Physicians Clinical Practice Guideline.
雑誌名:Ann Intern Med. 2017 Feb 14.
[PMID: 28192790]

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