ぎっくり腰の回復を予測する5つの指標とは?

ギックリ腰の回復を予測する指標

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【記事のポイント】
1. ぎっくり腰の回復を予測する5つの指標とは?
2. どのくらいの確率で回復するの?
3. ぎっくり腰になった場合における指標の活用の仕方

ぎっくり腰になった時に、「どれくらいでこの痛みは回復するんだろう?」と気になったことはありませんか?

ぎっくり腰の回復は人によって様々で、どのくらいの期間で治る事を正確に予測することは簡単ではありません。しかし、回復を予測することは患者さんがどのような治療、そして、どれほどの期間で治療を必要としているかを知るために大切です。今回の記事では、ぎっくり腰の回復を予測する5つの指標をご紹介いたします。

1070人のぎっくり腰患者を対象に検証

今回の検証は、一般開業医のもとに訪れた1070人のぎっくり腰になった患者を対象に行われました。

ぎっくり腰は12番目のあばら骨から臀部(お尻の辺り)の間に新しい痛みを6週間以内に発症した者(足への痛みを伴う、または、伴わない)と定義されました。そして、初診から1週間後にて痛みのレベルが、レベル0から10のうち(レベル0が全く痛みなし、レベル10が今までに経験した一番強い痛み)、レベル2以上である事とされました。

なお、骨折、感染症を持っていると疑われる者、過去6ヶ月に脊椎(背骨)への手術を受けた者、妊婦、鎮痛剤を使用できない者、鎮痛剤・向精神薬を使用中の者は、今回の研究の対象外とされました。

対象者は、痛みが回復するまでの日数が記録されました。過去の文献から、ぎっくり腰の予後に関連するとされている、また、実際の現場でも使いやすい指標である事を基準とし、合計10個の指標が選ばれました。そして、どの指標がぎっくり腰の回復(痛みのレベルが7日間連続でレベル0か1である事)の予測に的確か分析されました。

以下の10個の指標が使われました:


■ 年齢
■ ぎっくり腰になってからの日数
■ 過去にぎっくり腰になった回数
■ 膝から下の痛みの有無
■ うつ症状の有無
■ 補償金の有無
■ 健康保険の種類
■ 睡眠の質
■ 初診から一週間後における痛みの強さ
■ 初診から一週間後における痛みの強さの変化

回復を予測する5つの指標

10個の指標のうち以下の5つの指標が、初診1週間後から1週間、1ヶ月、3ヶ月での回復の確率が予測できるという結果でした。


■ ぎっくり腰になってからの日数
■ 過去にぎっくり腰になった回数
■ うつ症状の有無
■ 初診から1週間後における痛みの強さ
■ 初診から1週間後における痛みの強さの変化

どのくらいの確率で回復するの?

回復の確率は5つの指標の組み合わせによって変わっていきますが、原則として以下の組み合わせが多いほど、ぎっくり腰が回復する確率は高くなります


■ ぎっくり腰になってからの日数が短い
■ 過去にぎっくり腰になった回数が少ない
■ うつ症状が無い
■ 初診から1週間後における痛みの強さが弱い
■ 初診から1週間後における痛みの強さの変化が大きい

1週間後における回復率は1番高くて59%、1番低くて4%。1ヶ月後における回復率は1番高くて91%、1番低くて19%。3ヶ月後における回復率は1番高くて97%、1番低くて30%でした。

ぎっくり腰になった場合の指標の活用の仕方

今回の研究は、一般開業医の治療のみのもとで行われたので、リハビリなどを含む理学療法の治療の情報を加味できていませんでした。そのため、これらの情報によって回復率は変わる可能性があります。

しかし、これらの指標を活用することで、ぎっくり腰になった場合に、どれだけの治療が必要かなどを決める際に、無駄な治療費を抑える事に役立たせることが出来ます

また、痛みの強さや、過去にぎっくり腰になった回数などは、自分でコントロールすることはできませんが、ぎっくり腰になった場合に早めに治療を受けることは、ぎっくり腰になってからの日数を短くすることになり、回復する確率を高める事になります。そのためぎっくり腰になった時は、ひどくなる前に早めに専門家の治療を受けるのが良いでしょう。

(宮本 望都喜)


▼ 参考文献
タイトル:Predicting recovery in patients with acute low back pain: A Clinical Prediction Model.
雑誌名:European Journal of Pain.2017 Apr;21(4):716-726.
[PMID: 28107603]

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