腰の痛みは朝に起きやすい!その理由とは?!

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター近藤 悟司 / 理学療法士 / Spine Dynamics認定療法士

腰痛が起きやすい時間帯

(c) miya227 - Fotolia.com

記事のポイント
1. 腰は午前中に痛みを感じやすい!
2. 午前中に腰を痛めやすい理由は椎間板が影響している可能性がある!
3. 腰痛持ちの方が朝に気をつけなければいけないことは?

皆さんは急性腰痛(いわゆるギックリ腰)が発症しやすい時間帯をご存知でしょうか?ギックリ腰が起きる要素としては、仕事内容、カラダの使い方、カラダの状態(柔軟性、筋力など)、環境など様々ですが、時間帯によってもギックリ腰の起こりやすさは異なるのです

また、すでに腰痛持ちの方の腰痛を感じやすい時間帯もギックリ腰が発症しやすい時間帯と共通しているところがあります。腰痛を発症しやすい、感じやすい時間帯を頭に入れた上での対策をすることで、効果的な腰痛対策ができるようになります。

今回は、この腰に負担がかかりやすい時間帯を、腰の構造のある部分に着目して説明していきたいと思います。

椎間板の中は水分で満たされている!

まず始めに、腰の骨にある椎間板という組織の特徴を説明します。

腰の骨の間にある椎間板は水分で満たされています。椎間板は水分で満たされていることにより、クッションの役割として背骨にかかる衝撃を和らげてくれます。

椎間板の中の水分の量は1日の中で少なくなったり、増えたりします。人間が起きて動いている間は、この椎間板には重力の力が加わります。重力が加わり、椎間板に潰れる負担がかかることによって、椎間板は起きている間に徐々に薄くなります。そのため人間の身長は1〜2cmほど夜にかけて縮んでいきます。

この水分が失われ、薄くなった椎間板は睡眠時に元に戻ります。人間は朝起きた時が一番身長が高いという話は聞いたことありませんか?この朝起きたときに身長が1日の中で一番高い理由はこのような人間の体の特徴があるためです。

腰を痛めやすい時間帯を知る

では本題ですが、この椎間板が薄くなっている時と、水分で満たされて分厚くなっている時とどちらが腰痛を起こしやすいと思いますか?

答えは水分で満たされて分厚くなっている時です。よく病院でレントゲンを撮ると、ここの椎間板が薄くなっていると説明を受け、薄くなっていることが悪いように思われますが、実は分厚くなっている時も、急性腰痛を起こしやすい状態と言えます。

腰の椎間板ヘルニアは椎間板の中の水分が後ろに飛び出てしまって、神経を圧迫し痛みを出してしまうものです。つまり、この椎間板の水分が満たされ、パンパンに膨らんでいる状態は、急にグッと潰れると水分が後ろに飛び出しやすい状態です。例えるならば、水でパンパンに膨らませた風船を思い切り潰すと風船が破れますよね?逆に水分が少ない状態の風船は潰しても、ゴムが伸びるだけで潰れません。朝起きた時の椎間板はこのパンパンに膨らませた風船のような状態だと思ってください。もちろんこの椎間板以外にも筋肉や腰の骨の周りの靭帯なども寝ている時の姿勢や、ベッド・マットレスの硬さの影響を受け、血流が悪い状態になり、腰痛が起きやすい状態と言えます。

ですから、朝方には腰を急に曲げるような動き、運動は避けるべきだと言えます。

腰痛持ちの方が朝に気をつけなればいけないことは?

以上より、朝方に顔を洗うために腰をかがめたり、掃除機を中腰姿勢でかけたり、前屈運動を勢い良くしてしまうなどの動作はオススメできません。
朝起きてからすぐには腰を曲げる動きは避け、ゆっくりストレッチを行い、徐々に動かしていきましょう。

朝方にオススメ!3つのストレッチ

この時に行うストレッチでオススメなのは、以下の3つです。

①うつ伏せから手をついて、肘を伸ばし腰を反るストレッチ

②仰向けで両膝を抱えて、腰を曲げるストレッチ

腰のストレッチ

(c) koti – Fotolia.com

③仰向けで両膝を立てて、膝を左右に倒すストレッチ

腰のリラクセーション

(c) koti – Fotolia.com

これらのストレッチを反動をつけずにゆっくり10回行ってください。

※これらの運動のいずれかで痛みが強くなったり、足にしびれが出るという方はすぐに中止して下さい。運動の内容があなたの腰痛のタイプに合っていない可能性があります。

お昼頃にはこのパンパンに膨れた椎間板は徐々に縮んできていますので、腰をかがめる作業がある場合は、お昼頃から行う方が良いでしょう。仕事や家事などでどうしても腰を曲げるような動きをしなければならない場合は、

①腰を曲げないように膝を曲げたり、お尻を後ろに突き出すように股関節を曲げるようにしたりと、体の使い方に気をつけるようにする。
②作業台を高くしたり、掃除機などの持ち手を高くしたりと環境を整える。

以上のことを意識するようにして、朝から昼にかけての日常生活を過ごしてみてください。腰に負担をかけないように意識することは、痛めてしまった組織の自然治癒を妨げないことにもつながります。そうすることによって、人間の体は少しずつ元の状態に回復していきます。みなさんの午前中からお昼にかけての行動を思い返し、ギックリ腰を起こしやすい動きがないか考えるところから初めてみましょう。

(近藤悟司)

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
  • *本サービスにおける医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではございません。そのため、本サービス上の情報や利用に関して発生したいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。なお、診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関にて受診いただきますことをおすすめいたします。

あなたにあった腰痛予防があります!

腰痛予防マニュアル
無料ダウンロード 

腰痛といっても、人によってその原因も違えば、対策も変わってきます。その中でも特に職業は腰痛と密接な関係があります。そのため、職業ごとに適した対策をしていくことが重要となります。

  • デスクワークが多い人
  • 肉体労働が多い人
  • 立ち仕事が多い人
  • 運転をすることが多い人

それぞれの職業に合った対策を凝縮した『腰痛予防マニュアル』を早速ダウンロードして、今日から腰痛対策をはじめてみませんか?

メールアドレス



SNSで購読

こちらも読まれています