腰の痛みをコントロールする簡単な方法とは?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター坪井大和 / 理学療法士 / 修士号(保健学)/ 日本学術振興会 特別研究員 / メディア編集長

痛みに伴う不安をコントロールして腰痛改善

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【記事のポイント】
1. 腰痛の原因は脳にあると言われている
2. 意図的に痛みをコントロールしようとすることで、痛みによる不安が減少する
3. 腰痛のために諦めてしまった趣味やアクティビティーなどに、時間を費やすことで痛みや不安をコントロールできるかもしれない

腰痛の原因には様々ありますが、最近では腰痛の原因の一部が、脳にあることが明らかになってきています。
今回紹介する研究では、痛みに対する自身の考え方を少し変えるだけで痛みや不安感をコントロールできるかもしれないという結果が得られました。
その具体的な方法をみていきましょう!!

痛みに対する捉え方を変えることによる効果を検証

今回の研究には、15人の22〜38歳の健常成人が研究に参加しました。
左の腰か右腕に15.6秒ごとに電気刺激による痛みを与えることで不安を誘発するようにし、以下の2条件で実験が行われました。

条件①
「不安や刺激を感じたら、それを抑制するようにしてください。不安に思ったり、刺激を感じたときは、すぐさま他のことを考えてください」と指示され、意図的に注意をそらすことで不安や痛みを抑制するようにしてもらいました。

条件②
「好きなものならなんでも良いので考えて結構ですが、条件①の方法は使用しないでください」と指示されました。

それぞれのパターンにおいて、痛みに対する不安や心拍数、脳活動の違いが検討されました。

意図的に不安や痛みを抑制しようとすることの効果

研究の結果、意図的に不安や痛みを抑制しようすることで(条件①)、他のことを考えるだけ(条件②)よりも、痛みに対する不安が減少することが明らかとなりました。

意図的に注意を痛みからそらした際の脳活動

意図的に不安や痛みを抑制しようとして、他のことを考えた際には、注意力の移動に重要と言われている左脳の外側前頭前皮質という部位が活性化していました。

痛みの捉え方をコントロールして不安を軽減

今回の結果から、自身で痛みに伴う不安をコントロールできる可能性が示されました。痛みの解決のためには、痛みを除去することも大切ですが、痛みに伴う不安をコントロールすることが重要です。そのため、あまり腰痛のことを心配ばかりしていると、不安感ばかりが募って来ますので、腰痛を理由にやめてしまった趣味の時間を増やすなど、普段の時間の使い方を考えてみるのも良い結果を生むかもしれません。
しかし、今回の研究は実験により意図的につくられた痛み刺激ですので、実際の腰痛に対して同等の効果が得られるどうかは研究によるさらなる検討が必要と考えられます。

(坪井大和)


▼参考文献
タイトル:Neural correlates of self-distraction from anxiety and a process model of cognitive emotion regulation.
雑誌名:J Cogn Neurosci. 2006 Aug;18(8):1266-76.
[PMID: 16859413]

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