腰痛ベルト(コルセット)は効果あるのか?正しい付け方も徹底解説!

諸麥友博 / 理学療法士 / 第1種衛生管理者 / 作業管理士

腰痛ベルト(コルセット)の種類、効果、長所・短所、選び方、付け方

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【記事のポイント】
1. 腰痛ベルト(コルセット)の種類
2. 腰痛ベルトの長所と短所
3. 腰痛ベルトの選び方
4. 腰痛ベルトの巻き方・付ける位置
5. 腰痛ベルトを付けるタイミング
6. インナーマッスルを鍛えることの重要性

腰痛ベルト(コルセット)は腰痛の人なら一度は使ったことがあるといっていいほど、代表的な腰痛グッズの一つでしょう。

腰痛ベルトがないと不安という方もいるのではないでしょうか?しかし、腰痛ベルトは腰痛を改善する効果もある一方、使い方を誤ると腰痛を悪化させてしまうリスクもはらんでいる、いわば諸刃の剣ともいえるでしょう。

そこで今回は意外と知らない、腰痛ベルトの種類、長所・短所、選び方、付け方について詳しく解説し、正しい腰痛ベルトとの付き合い方について解説していきます。

腰痛ベルト(コルセット)の種類

腰痛ベルトにはいくつか種類があります。

一般的な腰痛ベルト

市販されている腰痛ベルトの中で一番多いと思われます。

このベルトの特徴は、日常生活での支障を少なく過ごすために腹圧を逃がさないように固定できるという点です。

幅や素材、形を含めると、様々な種類が存在します。全てを加味して選ぼうとするとなかなか決まらないと思います。あなたが何を重視したいのか決めた上で、以下を参考にしてみてください。

① 幅について

幅の狭いベルトは、大きさから分かるように大きな固定力はありません
素材も柔らかいものが多いかもしれませんが、基本的には痛みがそれほど強くないときに少しのサポートが欲しいという方におすすめです。

幅の広いベルトであれば、骨盤と股関節もサポートしてくれるものもあるため、より安定性が得られ、しっかりと腰を固定してくれます

② 素材について

腰痛ベルトの素材として、多く販売されているものはメッシュ素材のもの、綿とポリエステルが混合されているもの、ゴム素材のものなどがあります。

メッシュ素材であれば、通気性がいいので夏場でも装着しやすいです。逆に綿とポリエステルの混合されているものであれば、比較的しっかりとした作りになっているので、冬場におすすめかもしれません。

また、茶色いゴム製のものもあります。全てがゴムのものもあれば、一部だけがゴムのものもあります。

③ 形について

腰痛ベルトの形にもいくつか種類があります。腰だけを覆うように真っすぐな形のもの、お尻や骨盤まで覆うような台形のもの、背中と骨盤の両方を覆うような菱形に近い形のものなどです。

このように、幅や素材、形など全てを含めると様々な種類の腰痛ベルトがあることがお分りいただけると思います。

骨盤ベルト

骨盤の関節が緩かったり、骨盤の開きを矯正するために使われるバンドです。
産後に使われることが多く、腰よりも下の骨の部分に装着します。

支柱付きの硬性コルセット

脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアの術後腰椎圧迫骨折などの腰部をしっかりと固定しなければならないときに使われるコルセットです。
医師の処方により、使われるもので市販では売っていません。

腰痛ベルト(コルセット)の長所と短所

7つの腰痛ベルトの予防効果に関する研究と、8つの治療効果に関する研究をまとめた研究があります。この研究に基づき、以下に腰痛ベルトの長所と短所を解説していきます。

腰痛ベルトの長所

過去の研究によると、腰痛ベルトは痛みの改善にはあまり効果は認められないものの、腰痛による日常生活の制限を改善する効果は可能性として示されたとしています。

つまり、腰痛ベルトの長所とは、付けることによって日常生活の中で動ける範囲が拡がるということです。

腰痛を発症した際は、痛みが強くて動く気にもなれない方は多いと思われます。
少し前までは医師であっても安静を勧めるような慣習がありました。

しかし、最新の腰痛に関わる医学研究などでは、安静にすることは腰痛の改善や職場復帰などを遅らせる要因であることが報告されています。安静にすることで、筋肉やその他の身体機能が落ちてしまうためです。

そのため、痛み始めの頃に、コルセットを用いることで日常生活で動ける範囲を広げ、副次的に腰痛の改善が望めるのではないでしょうか。

腰痛ベルトの短所

腰痛ベルトはあくまで腰痛のせいで動けなくなることを防ぐための道具です。

つまり、腰痛ベルトの短所とは、それ自体に治癒効果はないということです。

また、慢性化した腰痛を対象とした場合においては、腰痛ベルトは無治療と比較して痛みの程度及び機能改善に効果は認められませんでした。

慢性的な腰痛を抱えている方は、コルセットがなかなか手放せないということもありますが、『コルセットがないと仕事ができない』のような依存的な考え方は、腰痛改善に負の効果を示すことも多くあります。まずは、自身で腰痛をコントロールして、日常生活や仕事でお困らない生活を手にいれるという意識を大切にしていきましょう。

その他にも

■ ムレてしまう
■ 付けると目立つのでオシャレができない、

などの短所をよく耳にします。

腰痛ベルト(コルセット)の選び方

昨今では様々な観点から改良され、腰痛ベルトも様々なものが存在します。どれを選んでよいかわからないという方は多いと思います。

価格も様々で、幅や素材、形などにより変わります。1000円台〜1万円まででお買い求めできますが、高額であれば効果がいいというわけでもないのでご注意ください。

ではどのように腰痛ベルトを選ぶと良いのでしょうか?

選ぶポイントとしては、痛みの程度で決めるのがよいかと思います。

痛みが強い、普段の生活での制限が大きい方は、幅の広いベルトで、その上に伸縮素材のついたものがおすすめです。二重、三重にサポートできるため、しっかりと腰を固定してくれます。痛みがそれほど強くない、普段少し気になる程度の腰痛であれば、幅が狭い一重のベルトで問題ないと思います。

また、それでも分からないという方や不安を感じる方は、整形外科などの医療機関で、専門家の意見をもとに選ぶのが一番簡単だと思います。

自分で選ぶ際に注意が必要なのは、上記で説明したような支柱付きの硬性コルセットが必要な場合の判断です。このコルセットが必要なときは腰の骨に骨折があったりなど、重症の場合に装着することが多いです。もしも、このコルセットが適応であるのに市販の腰痛ベルトなどを装着していても、なかなか治癒しない可能性があります。サイズ感も含め、どのように装着するのかを専門家の意見を聞きながら確認することが一番のおすすめです。

腰痛ベルト(コルセット)の巻き方・付ける位置

腰痛ベルトは、腰を安定させるために付けるので、ある程度締めなければ効果は得られません。きつ過ぎるのも圧迫感が強くなりますので、しっかりと締まってるなという感じが得られ、呼吸しにくくない程度に付けましょう。

付ける位置としては、腰に巻き付けるように装着し、骨盤の上端を覆うように付けましょう。よくある間違いとして、骨盤の上端よりも高い位置で巻いてしまうケースがあります。

(c) BackTech Inc.

(c) BackTech Inc.

人差し指で指している部分が骨盤の上端です。写真のコルセットは幅の広いものであるため、腰、骨盤の両方を包みこむことで、しっかりと腰を固定してくれます。

腰痛ベルト(コルセット)を付けるタイミング

『腰痛ベルトはずっとつけておいた方が良いの?』という疑問の声は多く聞かれます。

結論から言うと、腰痛ベルトはずっと付けておくものではありません

なぜかというと、腰痛ベルトはインナーマッスルなどの腹筋の代わりや補助をしてくれるため、ずっと付けっ放しでいると腹筋を使わなくなり、弱くなってしまいます。インナーマッスルなどの腹筋は腰の骨を安定させるのに重要な働きをするため、この筋肉が弱くなると、腰痛が治りにくくなったり、再発しやすいカラダになってしまいます。

では、どのようなタイミングの時は付けた方がいいのでしょうか?

こちらも結論から言うと、腰に負担のかかる作業や運動をする時です。

最近では、病院や介護施設の看護師や介護士などの腰痛の発生が多い職業では、職場から腰痛予防や重症化予防として支給されるようにもなりました。

腰痛により日常生活の何かしらが制限されている場合は、特に仕事中や運動中など、腰に負担がかかる運動や動作、長時間の立ち作業など、ご自身が腰に負担の大きいと考える作業ときは付けるようにし、まずは自宅での日常生活の中で外す時間を作っていきましょう(仕事の中でも大丈夫と思う運動や作業は外して構いません)。そして、自信がついてきたら、徐々に外す時間を長くしていき、不安の残る運動や動作を行うときだけ付けるようにし、最終的には「脱腰痛ベルト」を目指しましょう!

スポーツのときは付けるべき?

スポーツのときは、日常生活よりも腰への負荷は大きくなることが考えられます。そのため、日常生活において腰に痛みを感じている場合は、付けておくことをおすすめします。

運動の邪魔にならないように、メッシュ素材で通気性のよいもの、薄い素材のベルトを選びましょう。

スポーツで腰を痛めてしまうと復帰に時間がかかることも多いため、ストレッチなどのケアは入念に行い、腰への配慮を忘れずに実施しましょう。

日常生活で痛みを感じなくなってきた時に、次のステップとして、スポーツでも少しずつ外す時間を作っていき、大丈夫なのかを確認しながら徐々に運動負荷を上げていくことをおすすめします。

寝るときは付けるべき?

寝るときも付けたほうがいいのか、という疑問を持たれる方も多い印象です。

これに関しては、基本的に付けないことをおすすめします

理由は、腰痛ベルトは動くときの腰の負担を軽減してくれるものであり、腰の筋肉の活動が少ない寝ているときは必要ないからです。

また、寝ている間も固定してしまうと腰回りの血流が阻害されたり、リラックスできないことにもつながります。

しかし、例外もあります。それは、腰の骨を骨折しているときです。この場合は、寝返りや起き上がりのときに腰の骨に負担をかけてしまうため、固定が必要になります。

インナーマッスルを鍛えることの重要性

先述したように、腰痛ベルトは腹横筋というお腹のインナーマッスルである筋肉の補助の役割を担っています。

そのため、「脱腰痛ベルト」をするためには、この腹横筋を鍛える、働くようにすることが重要となります。

では、どのような運動で腹横筋を鍛えることができるのでしょうか?

この筋肉を鍛えるには仰向けで膝を立てて寝転がり、15秒から20秒以上かけて長くゆっくりと息を吐きながら、お尻をほんの少し浮かします。

コツとしては、おへそを凹ませ下腹に力を入れるイメージやお尻の穴を引き締めるイメージです。

さらに、膝と膝の間にボール(バスタオルなどで代用も可能)を挟みながらやるとより効果的です。膝と膝の間にボールを挟むことで、内ももに力が入ります。この内ももの筋肉とお腹の筋肉が筋膜という筋肉と筋肉をつなげる膜でつながっているため、結果的にお腹の筋肉にも力が入り、より効果的にインナーマッスルを鍛えることができます。

まとめ

腰痛ベルトの認識として、付けることで腰痛が改善すると思っている方は多いと思います。しかし、実際は腰痛をそのものを改善する効果はなく、腰痛がありながら、普段の生活や仕事を送れるようにするための、一手段に過ぎません。

腰痛ベルトをうまく使うことで、いかに腰痛以前の生活に近づけられるかが重要となります。

腰痛ベルトの認識を改め、腰痛を自身でうまくコントロールできるようになりましょう。

(諸麥 友博)


▼参考文献
Lumbar supports for prevention and treatment of low back pain.
Cochrane Database Syst Rev. 2008 Apr 16;(2):CD001823.
[PMID:18425875]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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