慢性腰痛患者はバランス感覚も低下していることが判明!

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター山下真司 / 理学療法士 / 修士号(医学)

慢性腰痛とバランス感覚

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【記事のポイント】
1.慢性腰痛を持つ方は、痛みをかばうため独特な姿勢をとることがある。
2.慢性腰痛のある人はバランス感覚が低下する可能性が示された。
3.バランスが上手く取れないと感じている方は、慢性腰痛を治療することで改善できるかもしれない。

ヒトは平衡(へいこう)感覚や視覚などの感覚情報をうまく統合することで、バランスを整えています。このバランスを整えているシステムは、痛みによって不具合を生じると言われています。今回ご紹介する報告では、バランス感覚が慢性腰痛によって低下する可能性が示されました。

5つのバランステストから評価

今回の報告では、20名のボランティアの方を対象としました(女性50%)。そのうち、非特異的慢性腰痛を有する方は半数の10名でした。バランステストは以下の5つを実施いたしました。


■ 目を開けた状態での立位(足は閉じた状態での両足立ち)
■ 目を閉じた状態での立位(足は閉じた状態での両足立ち)
■ 目を開けた状態でセミタンデム立位
■ 目を閉じた状態でセミタンデム立位
■ 目を開けた状態での立位(片足立ち)

なお、「セミタンデム立位」とは、片足の踵ともう片足の親指をつけた状態で立つ姿勢を表し、自然に立った姿勢よりも高度なバランス感覚を必要とします。

今回の報告では床に重心動揺計を用意し、重心の動揺の大きさを、慢性腰痛の有無と各バランステストの間で比較されました。

 

また腰痛の痛みの程度は、10cmの線を用いて評価しました。この方法は、10cmの線の左端を「全く痛くない」、右端を「耐え難い痛み」とした際に、どの程度であるかを示していただく簡便な痛みの評価方法です。

ただ立っているだけなのにフラフラしている?!

慢性腰痛を有する参加者は、健常対象者と比較して、重心の移動範囲が大きく、その移動速度が速いことが分かりました。さらに、その他全てのバランステストにおいても、同様の結果が得られました。

痛みが強いほどバランスが悪い?!

重心の移動範囲と、10cmの線を用いて評価した痛みの程度との関連を見てみましたが、今回の報告では確証できるほどの結果は示されませんでした。

転ぶ前に十分な対策を!

腰の圧迫骨折って何?何に気をつけたらいいの?」でもご紹介したように、転倒は腰椎圧迫骨折をはじめ、種々の骨折の原因となります。バランス能力を維持することで、転倒は未然に防ぐことができるでしょう。今回の報告で、慢性腰痛とバランス感覚に関連があることが明らかとなりました。

慢性腰痛を改善するには「最新の医学的根拠から推奨される「クスリに頼らない腰痛対策」とは!?」でもご紹介したように、様々な方法があります。その中から、ご自身に合う対策法を見つけてみてはいかがでしょうか?

(山下真司)


▼ 参考文献
タイトル:People with chronic low back pain have poorer balance than controls in challenging tasks.
雑誌名:Disabil Rehabil. 2017 Mar 10:1-7.
[PMID: 28282992]

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