相次ぐ腰痛での試合欠場!野球選手はなぜ腰痛になるのか?

諸麥友博 / 理学療法士 / 第1種衛生管理者 / 作業管理士

野球と腰痛の関係

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【記事のポイント】
1. 野球選手における腰痛の発症頻度は高い!
2. なぜ野球をしていて腰を痛めるのか?
3. 腰痛をコントロールするために知っておくこと!

今春、4年に1度のWBCの開催により国中が大いに盛り上がりました。しかし、練習では有名選手の故障や腰痛などが相次ぎ、チームがひとつにまとまるのか懸念されていました。なぜ野球選手は腰痛になるのか、野球の特性を踏まえながら解説していきます。

野球選手における腰痛の発症頻度は高い!

野球選手の故障といえば肩や肘をイメージしがちですが、腰痛でプレーができなくなる人やプレーに支障を来す人も多くいます。体が出来上がっていない中学生までの間は背骨自体が未成熟なため、背骨の疲労骨折腰椎分離症などを起こしやすい傾向にあります。

体が出来上がってくる高校生以降は、腰椎椎間板ヘルニア椎間板に変性を来すことで生じる腰痛が多くなります。また、中学生までの間に起こった背骨の変性や骨折をしっかり治療しなかったことで高校生以降に腰痛を生じやすくなることも考えられます。

選手自身は、レジュラーまたはポジション争いで練習を休むわけにもいかず、腰痛を自覚していながらもプレーを継続している人は多いかもしれません。
しかし、未来を考えると無理する場面ではなく、体の治療を優先すべきです。そこで自身の体についての理解を深め、セルフケアの方法をしっかり身につけておくべきです。それが、質の高いプレーを継続して行えることにつながるからです。

現場スタッフや指導者は、選手の腰痛についてできるだけ早期に発見する必要があるため注意深い観察が重要となります。選手生命を縮めるような腰痛になる前に医療機関を受診させましょう。

以下に、医療機関を受診したほうがいいときの目安をお伝えします。


■ 腰痛でプレーに支障を来している
■ プレーはできるがずっと腰に痛みや違和感がある
■ 腰を曲げたり反ったりしにくい
■ 腰を曲げると腰やお尻から足にかけて痺れを感じる
■ 夜間や安静時にも腰痛を感じる

なぜ野球をしていて腰を痛めるのか?

ここからは、なぜ野球で腰を痛めるのかを、野球のプレー別に分けて説明していきます。

投球や打撃の場合

投げる時も打つ時も体の捻りが必要になります。この捻りは、体のいろいろな関節を同時に働かせて行います。もちろん腰も無意識に捻っています。これを1日に何回も繰り返すので、肩まわりや股関節が硬いなど、腰に負担をかけやすい状態であれば腰痛になりやすくなります。さらに、より速く、より遠くにボールを投げる時や、バットで強く遠くへボールを飛ばす時には股関節でタメがつくられます。この時に股関節が上手く使えなければより腰に負担を強いてしまいます。

また、基本的には利き腕で行うため、捻る方向が一方向に限定されてしまいます。体を捻るために縮む筋肉は縮み続け、伸びる筋肉は伸び続けます。動きが一方向に限定されることで筋肉の働きに偏りが生じ、筋肉の硬さも左右で偏りを生じるようになります。このアンバランスが、腰の負担を増やす要因となります。

守備や走塁の場合

守備でボールが飛んできた時や走塁や盗塁の時は、次の動作に入りやすいように中腰姿勢になります。スクワットをするような姿勢です。
しかし、このときに股関節が上手く使えなければ腰に負担を強いてしまいます。腹筋のインナーマッスルが使えていない際にも、腰の骨が曲がったり反ったりしやすくなるため、腰の負担を増やす要因となります。

腰痛をコントロールするために知っておくこと!

投球や打撃は手を使って行われます。しかし、どちらの動作も下半身にためた力をしっかりと上半身に伝えることで、速いキレのあるボールを投げたり、強い打球を飛ばすことが可能になりますし、次の動作に移る際の初動が速くなります。

前項でも少し触れましたが、そのために必要なのは肩まわりや背骨、股関節の柔軟性と股関節の使い方になります。それらを上手く使いこなすためにオススメの運動は以下の3つです。

cat & cow

この運動は、肩まわりと背骨を柔らかくし、投球や打撃時の腰への負担を軽減するための練習です。

四つ這いになります。手は肩幅ほどで肩の真下、膝は股関節の真下にくるようにしましょう。そこから自分のおへそを覗き込むように猫背になります。ゆっくり息を吐きながら、吐ききるまで行いましょう。ポイントは、猫のようなポーズです。吐ききったら、今度は少し斜め上を見るように背筋を反らしていきます。これは息を吸いながらゆっくり行いましょう。ポイントは、牛のようなポーズです。これを10回ほど繰り返し行います。

股関節を意識したスクワット

次にスクワットです。この運動は、腰への負担を少なくし、次の動作への初動を速くするための練習です。

しかし、スクワットを間違った方法で行っている人は多いです。簡単に正しいスクワットを行う方法を紹介します。

椅子を用意して、自分の後ろに置きます。そこに一度座ってみてください。そして、親指がお腹側に来るように腰に手を当ててください。脚の付け根(曲がっている部分)に親指を合わせると、その場所が自分の股関節の位置だと思ってください。そのまま立ち上がり、今度は椅子に座る手前でお尻を止め、そこで2秒ほど静止してから元通り立ち上がります。

これをゆっくり10~20回繰り返してください。ゆっくりしようと思うと、しっかりお辞儀しないと難しいと思います。しかし、それで正解です。
股関節を上手く使う練習にもなりますので、意識してやってみてください。

うつ伏せでの股関節捻り

下半身の力を上半身に伝えるために必要な股関節の捻りの練習になります。手投げと言われたことのある人はぜひやってみてください。

まず、うつ伏せに寝ます。両膝を90°ほど曲げた状態が開始姿勢です。両方の脚をクロスするように内にしっかり倒します。そこから今度は外に捻りながらしっかり倒します。そして、また内に捻りながら反対にクロスしてしっかり倒します。これをスムーズに何度も繰り返します。

まとめ

野球は片側ばかりを使う動きが多いスポーツです。オフになると有名選手たちがテニスやバドミントンを非利き腕で行ったりするのは偏った体の使い方をリセットするためです。そうすることで腰痛やその他の関節に痛みが出にくくなるようにセルフケアしています。腰痛にならずに長く楽しく野球をするために、ぜひ自分の体について知ってください。

(諸麥友博)

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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