安静が腰痛を悪化させるその前に!

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター諸麥友博 / 理学療法士 / 第1種衛生管理者 / 作業管理士

安静と腰痛

(c) milatas - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. 安静は腰痛を悪化させたり、カラダを弱らせ、腰痛が慢性化・再発しやすくなってしまう!
2. 中には安静が必要な腰痛もあるので、医療機関の受診がオススメ!
3. できるだけ普段通りに生活できる方法を探る!

腰痛は安静にしていれば良くなると思っていませんか?日本整形外科学会の出している腰痛診療ガイドラインでも「安静は必ずしも有効な治療法とはいえない」と記載されています。

今回は、なぜ安静が推奨されていないのか、安静にしなければ、どのように対応すればいいのかについて解説していきます。

安静が腰痛を悪化させる!

腰痛を治すために安静にするということは、筋肉を使わずに休めて痛みが治まるのを待つことになります。しかし、逆に安静は腰痛を悪化させる可能性があります

なぜなら、安静にすると、筋肉を使わなくなるため、血の巡りが悪くなり、痛みを発する物質や老廃物は血液中に溜まり、筋肉の回復・治癒に必要な栄養分や筋肉を動かすために必要な酸素は不足してしまうからです。

さらに、安静にすることで嫌でも痛みに意識が向きます。これにより、脳が痛みに過敏になり、筋肉が緊張して硬くなることで余計に血の巡りが悪くなることにつながる可能性もあります。

こうなるとなかなか痛みがひきにくくなり、さらに安静を重ねることで腰痛はどんどん慢性化するという悪循環に陥ります。

安静により体が弱くなり、腰痛を再発しやすくなる!

冒頭でもお話ししましたが、安静は悪くない筋肉の活動まで止めてしまい、それにより少しずつ筋肉は弱くなってしまいます

そして腰痛が治り、動けるようになった頃に、今度は腰を支える筋肉やその他の筋肉が弱くなってしまったことで、腰痛を再発するなんてことになりかねません。

重たいものを持ち上げるなどの腰への負担が大きい動作で以前よりも強い腰痛になる可能性もありますし、長時間のデスクワークや立ち仕事、家事など普段普通にしていた動作で再び腰痛になることだって考えられます。そのくらい安静には危険が潜んでいます。

中には安静が必要な腰痛もある!

ここで注意が必要なのは、ギックリ腰などの急に腰痛を発症した時です。このようなケースでは、どうしても安静が必要な腰痛もあります。

腰椎圧迫骨折では、骨が回復していくのを待つためにコルセットを巻いて安静にする時期があります。医者の指示の下で、治癒過程にそって段階的に運動のレベルを上げていくことが必要になります。骨が回復していない状態で運動してしまえば、骨折がひどくなってしまったり、回復が遅れてしまう恐れがあるからです。

その他にも切迫早産の際など、安静が必要な腰痛は存在します。

ひどい腰痛を経験したときに、その腰痛が安静が必要なものなのかの判断はおそらくできないと思います。この判断は難しいので、医療機関の受診をオススメしますぎっくり腰になったらどこに行くべき!?整形外科?整骨院?では、ぎっくり腰になった時の対応について詳細に記載していますので、ご参照下さい)。

できるだけ普段通りに生活できる方法を探る!

今までしていたことを止めて安静にするということは、これまでの生活で使っていた筋肉を使わなくなり、その分の筋力が低下することになります。痛みの悪循環に陥らないためにはできるだけ普段通りに生活することが大切です。

したがって、できるだけ普段通りに生活することで筋肉が弱くなることを防ぐことが必要になります。

また、普段通りに生活することで筋肉は活動するため、血の巡りが悪くなりにくく、筋肉が緊張により硬くなることも防げるかもしれません。

さらに、「腰痛になったら安静にすべきか」でも紹介したように、腰痛でも痛みに応じて活動性を維持したほうが良く、活動性を維持することで休職期間が短くなることも分かっています。

しかし、決して”安静はダメ”ということではなく、”痛みに応じて活動性を維持すること”が最重要ということです。もちろん痛い動作もあると思われます。そのような場合には、いかに痛くない動作を見つけて、その中で活動を維持するようにしましょう。

安静にすることは簡単ですが、未来の自分を守るために少しでもできることから始めていきましょう。

最後に

安静にすることが良いことのように思われがちですが、かえって痛みを強くする可能性があり、逆にできるだけ普段通りに生活することが痛みを和らげられる可能性があるということがわかっていただけたでしょうか。

(諸麥 友博)

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
  • *本サービスにおける医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではございません。そのため、本サービス上の情報や利用に関して発生したいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。なお、診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関にて受診いただきますことをおすすめいたします。

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