慢性腰痛に悩むキャリアウーマンが仕事を続けていく上で重要なこと。

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター坪井大和 / 理学療法士 / 修士号(保健学)/ 日本学術振興会 特別研究員 / メディア編集長

ビジネスウーマンの腰痛

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【記事のポイント】
1. カラダとココロの状態を良好に保つことで、将来的な就業状態に好影響がみられた!
2. 一方で、慢性腰痛の重症度は将来の就業状態に影響は与えない可能性が明らかになった.
3. 腰痛を恐れず、カラダとココロの状態を健康に保つために、有酸素運動など、できることから始めよう!

腰痛は20代から、日本国民の有訴率(ある地域の人口1,000人に対する,病気等で自覚症状のある者の比率)の第3位以内に入ってくる症状になっています(下図参照)。

腰痛の有訴率

(c) BackTech Inc.

これは長年変わらない傾向のため、腰痛は国民病といっても過言ではありません。特に女性では、肩こりの訴えも多いものの、腰痛に関しては、体格が華奢であったり、子供を抱っこする機会が多かったり、生理周期に伴う腰痛に悩まされたりと、意外と腰痛という症状に出会うリスクが多かったりします。
読者の女性の中にも、ぎっくり腰はもちろん、慢性的な腰痛に悩まされていて、なかなか仕事に集中できなかったり、感情面が不安定だったりする方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、本日は、”働き盛りの女性が、慢性腰痛から脱却するために重要となる要素”についての調査結果をお伝えします。

将来の業務遂行能力を決定する要素を検討

慢性腰痛(発症から3ヶ月以上)を理由に医療機関を受診していた女性130人が参加し、状態を2年間追跡することのできた123人のデータが解析されました。研究開始時点において、様々なデータを収集し、どの要素が2年後の就業状態(就業している / 腰痛で休職している)に影響しているのかが検討されました。

カラダとココロの状態が影響していた

研究開始時点において、6分間に歩けた距離が100m長くなるごとに、2年後就業している確率が3.3倍上昇することが明らかとなりました。つまり、心肺機能や筋力が高ければ高い人ほど、将来の働く能力がある可能性が高いということです。これは基本的な基礎体力が、将来の就業能力を左右すると言えます。さらに、うつ症状が重症な人ほど、2年後に休職している可能性が高いことが分かりました。

腰痛の重症度は関連しない

しかし、研究開始時点における慢性腰痛の痛みの程度やそれによる日常生活の制限レベルが、2年後の就業状態には影響を及ぼしていないことが分かりました。

カラダとココロの状態を健康に保つことが重要!

今回の研究で興味深い点としては、腰の痛みの重症度ではなく、カラダとココロの状態を健康に保つこと、つまり基礎体力(心肺機能や筋力)を鍛え、精神状態が良好であれば、2年後の就業状態は、良い状態である可能性が高いことが明らかとなりました。過去の記事でも紹介したように、腰痛を恐れず、有酸素運動やマインドフルネス、ヨガなど、自分にあった対策を通して、からだとココロの状態を良好に保ちましょう!

▼参考記事
『軽い息切れ程度のエクササイズが”慢性腰痛”に効果的』
『マインドフルネスの慢性腰痛への効果』
『慢性腰痛に対するヨガは長期的な効果アリ!』

(坪井大和)


▼参考文献
タイトル:Prognostic factors for work ability in women with chronic low back pain consulting primary health care: a 2-year prospective longitudinal cohort study.
雑誌名等:Clin J Pain. 2014 May;30(5):391-8.
[PMID: 23887345]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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