慢性的な痛みから解放されるために新年にすべき4つのこと

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター福谷直人 / 理学療法士 / 博士号(保健学) / 健康経営アドバイザー / 作業管理士 / VDT作業労働衛生教育インストラクター

腰痛から解放されるための習慣

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【記事のポイント】
1. 新年の始まりは、腰痛を和らげるために習慣を切り替えるための絶好のチャンス.
2. 週に3-4日はウォーキングする.
3. 電子機器はベッドの周りから遠ざける.
4. タバコをやめる日を設定しましょう.
5. 定期的に立つ習慣を作る.

読者の皆様、新年明けましておめでとうございます。
新年の始まりは、新しい習慣に切り替えるには絶好のタイミングです!!
そこで、今年こそ慢性的な痛みから解放されるために必要な4つのことについてお伝えしていきます。

もちろん、習慣を変えることは、容易なことではありません。
しかし、本日の記事では、慢性的な痛みに悩まされている皆様が、痛みから少しでも解放されるために必要な具体的な対策をまとめていきます。
今からお伝えする4つの中の1つで良いので、今年1年のあなたの習慣に取り入れるよう、手帳や普段目にするものに記録して、実践してください

1. 週に3-4日はウォーキングする

ウォーキングで腰痛対策

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有酸素運動の代表であるウォーキングのカラダへの効果は明らかです。
組織の炎症は減少し、筋肉が強くなり、痛みを伴っているカラダの部分に酸素の豊富な血を送ることによって治癒を促進してくれます。少し息が弾むくらいで十分なので、週に3-4回は有酸素運動を取り入れてみてください。

この有酸素運動の効果に関しては、『腰痛を予防するために必要な運動とは』や『軽い息切れ程度のエクササイズが”慢性腰痛”に効果的』で詳しく説明しています。

しかし、ウォーキングの習慣を継続することが、なかなか難しいと感じる方も少なくないと思います。
そんな方は、ぜひ、下記の項目をチェックしてみてください。

体格や足に合った靴に投資をする

腰痛対策のウォーキングのための靴選び

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ウォーキングを継続するために、大前提として必要となるのが、です。靴の選び方を間違えてしまうと、足が痛くなったり、カラダの一部に負担が集中したりと、逆にストレスを感じるようになってしまいます。
正しい靴の選択は、体重を適切に分散することを助け、腰への負担も軽減してくれます。
最近では、シューフィッターがいる靴やも多くなっていますので、まずはそこで足の構造や歩き方を分析してもらった上で、あなたに最適な靴選びをしてください。

日々のスケジュールに入れ込む

腰痛対策をスケジュールに

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習慣にするためにはスケジュールに入れ込むことが重要です。人間は誰もが怠惰な精神を持っているため、『また明日やればいいし、今日はいいか』とならないように、スケジュールにいれることを心がけましょう。
最寄りの駅までは歩いていくようにしたり、お昼休みはやや離れた場所にランチに行くなど、日常の中で工夫できることは数多くあります。

補助具を使う

ウォーキングの腰痛改善効果

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もし、足の筋力低下や、体力全般の低下により、外を何もなしで歩くことに不安がある場合は、杖やノルディックウォーキングで使用されるようなポールを使用することも大切です。

腰に負担がかかるようならトレッドミルや水中歩行を

腰痛に対するウォーキングの効果

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もし外をウォーキングすることが腰への負担に強く繋がるのであれば、スピードや距離も自由に調整できるトレッドミル(ジムにあるベルトを歩く機械)を使用してみてください。
もし、それでも困難さを覚えるのであれば、水中を歩くことをお勧めします。

初めのうちは面倒だったり、体力がついていかないなどの理由で、数分で終えてしまうかもしれません。
しかし、数分でもしないよりは断然良いです。段階的に負荷を上げて行くことが重要で、目指すは、30分のウォーキングを週に3-4回できるようになれば理想のライフスタイルです!

2. 電子機器はベッドの周りから遠ざける

腰痛は睡眠障害が多い

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慢性腰痛を抱えている方の66%に、睡眠障害が認められており、両者の関係に関しては、『睡眠の質の悪化は急性腰痛を悪化させる』で説明しています。原因は様々考えられますが、マットレスの選び方も、睡眠障害や腰痛に関わってくるため重要です。もし、寝具の選び方に悩んでいる方は、『腰に優しいマットレスの特徴』を参考にしてみてください。

さらに、睡眠障害の原因の一つに、入眠する直前までパソコンやタブレット、スマートフォンを使用していることが挙げられています。
まず、ベッドルームから電子機器を遠ざける最善策は、ベッドルームの空間は大切な人とのコミュニケーションに使うことです。スマートフォンをいじったりせず、大切な人と、その1日にあった出来事を話し合ったり、未来の話をするようにしてください。
電子機器類は、ベッドルーム以外の部屋に置くように心がけましょう。寝る前に電子機器の光をみないようにすることで、すぐに眠りにつける感覚が体感できると思います。
さらに睡眠の前には、必ず暖かい湯船に浸かり、体を芯から温めましょう。そして、寝室は、機械の音や明るすぎる照明は就寝前につけないようにしましょう。

無理に寝ようとしない

腰痛と睡眠障害

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万が一、眠りに30分以上つけない夜は一度ベッドからでるようにしましょう。そして、何か他ごとをするようにしてください。無理に寝ようとすることが、反対にストレスになる可能性があるのです。

アロマが効果的

ラベンダーは腰痛に良い

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アロマは効果的かもしれません。ラベンダーは鎮静効果があり、心身をリラックスさせたり、眠りに導くのに効果的と言われています。反対に柑橘系のアロマは目が覚めてしまいやすい傾向があります。しかし、匂いは人により好みが分かれるので、自分が心地よいと思うアロマを使用してみてください。

睡眠は本当に人それぞれの特徴があります。そのため、無理に一般論に合わせようとせず、睡眠障害で悩んだ際には、一度医師に相談することも必要かもしれません。

3. タバコをやめる日を設定しましょう

喫煙と腰痛

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これは喫煙者には非常に辛いかもしれませんが、喫煙することで、ガンや心臓病など、あらゆる病気のリスクが急激に上昇します。その他にも、喫煙者は、非喫煙者と比べて痛みを感じやすいことも報告されているため、もし慢性的な痛みから解放されたいのであれば、タバコをやめる日を決めましょう!
もし辞めることが辛い場合は、少しずつ本数を減らしていくことでも、効果は得られるかもしれません。

喫煙者は腰痛のリスクが高い!?喫煙と腰痛の意外な関連性』で述べているように、喫煙は腰痛のリスクである上に、本数が増えるほど、慢性腰痛である可能性が高いことが報告されています。そのため、まずは本数を減らす取り組みから始めるだけでも、効果は得られそうです。

この取り組みを成功させるためには、まず、タバコをやめる日、減らしていく日を明確に設定し、家族などの周りの大切な人に、それを伝えてください。周りに伝えることで、周りはあなたの健康を思い、協力してくれるはずです。

関連づけられる因子を変える

喫煙と腰痛

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もし、あなたがコーヒーを飲むとタバコを吸いたくなるのであれば、そのコーヒーを飲む習慣を他のものと入れ替えるようにしてください。例えば、コーヒーではなく、お茶を普段から飲むようにしてはどうでしょうか。

4. 定期的に立つ習慣を作る

デスクワーク中の男性が腰痛

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座る姿勢が長いことは、腰に悪影響を及ぼすことがわかっています。長時間のデスクワークがあると、長時間の座位作業を強いられているという先入観がありますが、最近はそうではありません。具体的な、長時間の座位作業を避ける術をいくつかご紹介します。

スタンディングデスクを利用する

スタンディングデスクの効果

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一般的なデスクと椅子ではなく、スタンディングデスクを利用するようにしましょう。一般的に、立っている姿勢を比較して、座っている姿勢は、腰に約3倍の負担がかかることがわかっています。実際に、ステンディングディスクの導入の効果は『スタンディングデスクの慢性腰痛への効果』でお伝えしたように、実証されています。

1時間おきに立ち上がる

腰痛持ちは小休憩を

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小休憩がてら、水を取りに行くなど、立ち上がる習慣をつけましょう。人の集中力も長く続くものではありませんので、小休憩としてコピーを取りに行ったり、飲み物を買いに行ったりなど、極力立ち上がる時間を作るように心がけましょう。
この習慣は、長時間座り続けていることによる血流不足を改善するために役立ちます。女性では、むくみの予防にもなるでしょう。

通勤時は誰かに席を譲りましょう

立位による腰痛解消

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ただでさえ、仕事中はずっと座っていたのに、帰りの電車も長時間座っていることは体に悪影響です。そのため、帰りの電車だけでも良いので、少しでも立つ習慣をつけましょう。困っている高齢者や妊婦の方々などに、譲ることで気持ちも明るくなりそうです。

早く帰宅したら軽い運動を

慢性腰痛にヨガが効果的

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家に帰ると、ソファーにまっすぐに向かいたくなる気持ちも十分理解できます。しかし、仕事場でも家でも座りっぱなしでいたら、腰への負担はリセットできません。できれば、夕方に帰ることができれば、テレビを見る前に、短い時間でも良いのでウォーキングや運動をするようにしてください。
もし、運動器具が自宅にある方は、運動しながら好きなテレビを見ても良いかもしれません。

読者のみなさまが、この記事を読んで、少しでも慢性の痛みが解決できることを願っています。

(福谷直人)


▼参考文献

Impact of a Sit-Stand Workstation on Chronic Low Back Pain: Results of a Randomized Trial.
J Occup Environ Med. 2016 Mar;58(3):287-93.
[PMID: 26735316]

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Am J Phys Med Rehabil. 2015 May;94(5):358-65. doi: 10.1097
[PMID: 25299528]

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Effect of firmness of mattress on chronic non-specific low-back pain: randomised, double-blind, controlled, multicentre trial.
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[PMID:14630439]

Better backs by better beds?
Spine (Phila Pa 1976). 2008 Apr 1;33(7):703-8.
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The association between smoking and low back pain: a meta-analysis.
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[PMID: 26735316]

▼参考・引用サイト

http://www.spine-health.com/blog/4-simple-new-years-resolutions-back-pain-relief

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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