オピオイド(トラムセットなど)の慢性腰痛への効果

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター鈴木祐介 / 理学療法士 / 修士号

腰痛とオピオイド

(c) shige - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. オピオイドにより、慢性腰痛の痛み、日常生活の障害の改善が認められた.
2. 依存性や副作用の観点から、長期間の使用には厳重な注意が必要.
3. 他の薬では良くならないような辛い痛みの時、適切な用法・容量で使用することが大切.

読者の皆さんはオピオイドという薬をご存知でしょうか。これはトラマドール(トラマールやワントラム、トラムセットなど)と呼ばれており、中枢部(脳や脊髄)に作用すると言われています。オピオイドと聞くと麻薬を連想される方もいるかもしれませんが、腰痛に対して使用されるようなオピオイド(トラマドールなど)は、非麻薬系の弱オピオイドであるため、安全に使用することが出来ます。そのため、通常の痛み止めでは効果がないような、症状がひどい痛みに対して処方されることがあります。それでは、このオピオイドは、慢性腰痛に対してどのような効果が認められるのでしょうか。
今回ご紹介する研究では、オピオイドは、慢性腰痛の痛みや日常生活上の障害に対し、効果的であるという報告がされました。

オピオイドの慢性腰痛への効果を検証

この報告では、これまでに報告された慢性腰痛へのオピオイドの効果を、偽薬などの他の治療方法の効果と比較検証した医学論文を検索し、質の高い論文のみをまとめることで、その効果を検証しました。検索の結果、15本の研究がレビューされました。

慢性腰痛の痛み/日常生活の障害が改善

本研究の結果、オピオイドは、偽薬などの他の治療法と比べ、慢性腰痛の痛みや、慢性腰痛に伴う日常生活(歩行、睡眠、腰を曲げる、重いものを持つなど)の障害に対して、明白な改善効果が認められました
日本の腰痛診療ガイドラインにおいても、オピオイドは、腰痛に対する第二選択薬に指定されており、第一選択薬(ロキソニンやカロナール)で効果が認められなかった場合には、有効な薬であると考えることが出来ます。

長期間使用時の副作用に要注意

一方で著者は、オピオイドは依存性や副作用(眠気や便秘、嘔気など)の観点より、長期間の服用には厳重な注意が必要であると述べています。
日本の腰痛診療ガイドラインでも、慎重に適応を選び、定期的な評価を欠かさず、長期投与にならないよう努めていく必要があると記載されており、使用期間には注意が必要だと考えられます。

用法・用量を相談のうえ使用しよう

オピオイドは、痛みを感じる中枢部に直接作用することから、他の薬では良くならないような辛い腰痛には、有効な薬だと考えられています。
しかし、オピオイドには依存性や副作用という側面もあるため、使用される際は、必ず医師や薬剤師のアドバイスのもと、適切な用法・容量で使用するようにして下さい。

(鈴木祐介)


▼参考文献
タイトル: Opioids compared to placebo or other treatments for chronic low-back pain.
雑誌名: Cochrane Database Syst Rev. 2013 Aug 27;(8):CD004959. doi: 10.1002
[PMID: 223983011]

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