腰の圧迫骨折って何?何に気をつけたらいいの?

腰の圧迫骨折とその対策

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【記事のポイント】
1. 腰の圧迫骨折とは何か理解しよう!
2. 腰の圧迫骨折になった際の注意点を知ろう!
3. 腹筋運動は禁止、背筋運動を行おう!

腰の圧迫骨折という言葉を聞いたことがありますか?比較的高齢者に多い骨折ではありますが、若い方も事故や転倒などで起こる可能性のある骨折です。腰の圧迫骨折は他の骨折とは少し異なることから、対処方法や日常生活上の注意点も少し異なります。今回は腰の圧迫骨折そのものへの理解を深め、その注意点や自宅でできることを学んでいきましょう。

腰の圧迫骨折とは何かを理解しよう!

まずは腰の圧迫骨折の一般的に説明されている病態(病状)について説明したいと思います。腰の圧迫骨折は脊柱(背骨)が急激に曲がった状態になることで、椎体という部位に潰れるストレスが加わり起こってしまいます。このストレスが加わることで本来四角形である椎体が三角形に潰れてしまい、圧迫骨折が完成してしまいます。日常生活でこのような力が背骨に加わってしまう動作は主には、転倒になります。転倒して尻もちを勢いよくついてしまうことで、腰の骨が強制的に曲がってしまい、椎体が潰れてしまいます。このように骨折してしまうきっかけが転倒であることが多いことから、高齢者に代表的な骨折の一つであると言われています。また高齢者は若年層とは異なり、骨粗しょう症(骨がスポンジのようにスカスカになってしまう状態)を合併していたり、骨粗しょう症とまではいかないが、骨の密度が低下してきてしまっている状態の方はこの圧迫骨折を発症しやすくなります。その他にも、仕事で高所から転落して背骨を打ち付けてしまったり、スポーツ現場ではラグビーのスクラムを組むときなどでも生じてしまうこともあります。

骨粗しょう症のイメージ

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病院での診察の流れ

圧迫骨折を生じてしまった場合は、病院ではまず診察室で問診を受け、どのように痛めてしまったか、現在はどのような動きで痛みがあるかなどを詳しく聴取されたのちにレントゲン撮影をすることになります。このレントゲン撮影にて椎体が三角形に潰れてしまっている像が写れば、圧迫骨折と診断されることになります。しかしこのレントゲン撮影で圧迫骨折の像が写っても、いつのものかわからない場合があります。高齢者の方によくあるケースとして、気付いたら圧迫骨折をしていたということがあります。そのような場合にはMRI撮影をすることになります。このMRI撮影で、潰れてしまった椎体から出血が起こっていれば、最近のものと判断することができます。

 

圧迫骨折になったら何に気をつけなければいけないか理解する

処方された薬について

圧迫骨折が生じた場合多くは、コルセットを作成し、腰に曲がる負担がかからないようにします。薬物療法では痛めてしまった場所の炎症と痛みを和らげる薬が処方され、腰の痛みが落ち着くのを経過観察していきます。よく患者様が言うのを耳にしますが、「痛みなくなったから薬やめちゃった」、「薬飲んでもあまり効き目がないから飲んでいない」、「副作用が気になるからあまり飲まないようにしている」など薬を医者の判断なしに、自己判断で飲まなくなってしまっている方がいらっしゃいます。薬は医者が次の診察予定日までに全て飲みきる量で処方されていることが多いです。またその処方した薬が効き目がないというのも医者にとっては薬を変更するのに有益な情報でもあります。もし薬に関して効き目や副作用、飲むのをやめるタイミングなどの疑問点がある場合は、薬を処方した医者に相談しましょう。

日常生活の注意点とその対策

腰の圧迫骨折はもちろん骨折ですので、骨の治癒を妨げないようにしなければなりません。
日常生活上、禁止される動きとその対策


■ 前にかがんで物を持ち上げる
→腰をかがめず、しゃがんでから持ち上げる
■ 掃除機をかけるなど、中腰姿勢を長く行う
→持ち手を長くする、腰を曲げずにお尻を突き出し股関節を曲げるようにする
■ 布団から起き上がる時にまっすぐ起き上がる
→まず横向きになってから起きるようにする
■ 長時間床にあぐらや足を伸ばして座る
→床に座る時はなるべく正座する、正座が厳しければ椅子に座る

腰を曲げずに掃除機をかける

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その他、ソファーや車の椅子はお尻が沈み込み、腰が曲がりやすくなるため、お尻の下にタオルを敷いて骨盤を起こすようにしたり、腰の後ろにタオルやクッションを挟んで腰が反った状態を保つようにしましょう。

運動をする際の注意点

次に自宅でできる運動についての紹介です。単刀直入に言えば、背筋(背中の筋肉)を鍛えることです。腰が曲がってしまってはいけないので、腰を曲げないようにする反対の筋肉を鍛える必要があります。そのため背筋運動を行うようにしましょう。
背筋運動はうつ伏せになって、お腹の下にクッションや枕を挟みましょう。そこから背筋の力を使って、からだを反らし、胸を床から浮かすようにしましょう。もしこの時に痛みがあれば、肘をついて手の力を使っても大丈夫です。手の力を使っても痛みがあるようであれば、肘をついてうつ伏せで本を読むような姿勢をとるだけでもいいです。これでもまだ痛みを感じる場合は、まだあまり運動をしてはいけない時期かもしれないため、無理をしないようにしてください。
では逆にしてはいけない運動ですが、ここまでの説明で気付いた方もいらっしゃるかもしれません。それは腹筋運動です。よく腰を痛めたときには腹筋をしてくださいと定説のように言われてきました。しかし、圧迫骨折などの腰を曲げると悪化してしまう状態にある場合は、仰向けからからだを起こす腹筋運動は状態を悪化させてしまう可能性があります。

最後に

以上が圧迫骨折の説明と対処方法になります。圧迫骨折は骨折の一種ですので、まずは人の自然な治癒を邪魔しないようにすることが大きなポイントになるように思います。自分に限らず、もし周りに圧迫骨折と診断された人や尻もちをついて腰が痛いと言っている人がいたら、このように説明して注意喚起を促してみてもいいかもしれません。

(近藤悟司)

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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