マインドフルネス vs. 認知行動療法 vs. 通常ケア ー慢性腰痛対策の費用対効果の比較ー

慢性腰痛対策の費用対効果の比較

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【記事のポイント】
1. マインドフルネスは慢性腰痛に関する費用対効果に優れていた
2. 認知行動療法は慢性腰痛とは関係ない部分で費用対効果に優れていた
3. マインドフルネスや認知行動療法は費用対効果に優れた副作用の少ない安全な治療法だと言える

「マインドフルネスの腰痛に対する効果ー最新の知見からー」という記事や、「費用対効果の高い腰痛へのアプローチ方法とは!?」という記事でご紹介したように、マインドフルネス(今現在起こっていることに対して注意を向ける方法)や認知行動療法(ものごとに対する捉え方や行動を修正し、問題を解決していくアプローチ)は、慢性腰痛に対して効果的だと報告されています。

それでは慢性腰痛の通常ケアと比較して、マインドフルネスや認知行動療法は、費用対効果の面ではどれほど効果が認められるのでしょうか?

費用対効果でもっとも優れる治療法とは?

この研究では、米国の医療ケアシステムを利用した342名の慢性腰痛患者を対象としました。

対象者は以下の3つのグループにランダムに割り振られました。


▪️マインドフルネスを行うグループ(2時間/週の頻度で8週間実施)
▪️認知行動療法を行うグループ(2時間/週の頻度で8週間実施)
▪️通常ケアを行うグループ

その後、各対象者に1年間の追跡調査を行い、グループごとに全体の医療的・社会的負担額(1年間にかかる医療費のコスト+保険料のコスト+疾患により仕事の効率に影響を及ぼしたコスト)と、治療による改善効果を比較して、どのグループが費用対効果が高かったのかを比較・検討しました。

マインドフルネスは通常ケアと比べて費用対効果が高かった

調査の結果、マインドフルネスは通常ケアと比較して、慢性腰痛に関する年間の全体の医療的・社会的負担額を$724(1ドル=112円として計算:81,085.10円)減らし、年間の医療費を$982(109,980.07円)減らしたことが認められました。

すなわち、マインドフルネスは通常ケアと比較して、費用対効果が高い治療法だと考えることが出来ます。

認知行動療法は通常ケアと比較して、慢性腰痛に関係のない部分で費用対効果が高かった

一方、認知行動療法は通常ケアと比較して、慢性腰痛に関する年間の社会的負担額と年間の医療費においては、有意な費用対効果の差を認めませんでした

しかし、全体的にかかった年間の医療費を比較してみると、認知行動療法を行ったグループの方が通常ケアを行ったグループよりも、年間$489(54,766.04円)の医療費を減らしたことが分かりました。

すなわち、全体的に見れば認知行動療法も費用対効果の高い治療法だと考えることが出来ます。

費用対効果の高い安全な治療法で慢性腰痛対策を

マインドフルネスや認知行動療法は、費用対効果の面でも優れていることが示されました。また、薬などを服用する通常ケアと比較すると、副作用が少ないという面でも優れている治療法だと考えられます。

マインドフルネスの方法は、「マインドフルネスの腰痛に対する効果ー最新の知見からー」で、代表的な「呼吸法」のやり方を紹介していますので、ぜひご覧ください。

認知行動療法は、認知行動療法の専門家である臨床心理士がいるような、痛みセンターやペインクリニックなどで受けることができますので、一度相談してみても良いでしょう。

(鈴木祐介)


▼ 参考文献
タイトル:Cost-effectiveness of Mindfulness-based Stress Reduction Versus Cognitive Behavioral Therapy or Usual Care Among Adults With Chronic Low Back Pain.
雑誌名:Spine (Phila Pa 1976). 2017 Oct 15;42(20):1511-1520.
[PMID:28742756]

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