うつ状態が腰痛に与える影響とは!?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター坪井大和 / 理学療法士 / 修士号(保健学)/ 日本学術振興会 特別研究員 / メディア編集長

うつと腰痛の関連

(c) kei907 - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. 抑うつ症状(うつ状態の前段階)は腰痛発症に関係していなかった.
2. うつ状態は腰痛による医療機関の受診や日常生活の制限の発症リスクを高めた.
3. ”うつ状態”が原因で、腰痛を発症する可能性は高いわけではない.

腰痛はさまざまな原因が複雑に絡み合って発症すると言われています。その一つに精神的な要因も一因になることが分かってきています。
例えば職場の人間関係などによるストレスや、カラダを動かすことに対する恐怖感が腰痛の発症や慢性化と関連することが分かっています。
今回は双子を数年にわたって調査し、うつが腰痛の発症に関与するのかについて検討した研究をご紹介します。

”うつ”は腰痛の発症に関わるか

今回の研究では、2009〜2011年の時点で慢性腰痛のなかったスペイン人の双子1607人を2013年まで追跡調査を行い、”うつ状態”が腰痛の発症に関与しているのかが検討されました。
うつに関しては、”抑うつ症状”や、”うつ状態”が腰痛に与える影響を検証しました。
”抑うつ症状”は”うつ”とまではいかないまでも、うつの前段階として、うつに似た症状を有している状態をさします。
腰痛に関しては、慢性腰痛の有無、腰痛による医療機関の受診の有無、腰痛による日常生活の制限について調査されました。

”抑うつ症状”は腰痛発症と関連なし

抑うつ症状は腰痛の発症や医療機関の受診、腰痛による日常生活の制限とは関連していませんでした。

”うつ状態”は腰痛のリスクとなる

うつ状態になっていた人は、将来、医療機関を受診をするリスクが1.06倍、腰痛による日常生活の制限を有しているリスクが1.05倍となっていました。その他の腰痛に関わる指標との関連性は認められませんでした。

”うつ状態”の影響は小さいかもしれない

今回の研究は双子を対象としたため、うつ以外に腰痛に関わる遺伝的要因や環境的要因を考慮した上での結果です。
少なくとも、”うつ状態”が腰痛に与える影響は大きくはない可能性が示されました。しかし、日本人を対象にした研究では、職場でのストレスは腰痛の発症や慢性化に関わるとされていることから、人種差やストレス耐性などの影響が考えられそうです。
有酸素運動はうつ状態だけでなく、腰痛などの関節の痛みも改善させることから、普段の生活の中に有酸素運動を取り入れていくと良いかもしれません。

(坪井大和)


▼参考文献
タイトル:Symptoms of Depression and Risk of Low Back Pain: A Prospective Co-twin Study.
雑誌名:Clin J Pain. 2016 Dec 13. [Epub ahead of print]
[PMID: 27977426]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
  • *本サービスにおける医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではございません。そのため、本サービス上の情報や利用に関して発生したいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。なお、診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関にて受診いただきますことをおすすめいたします。

あなたにあった腰痛予防があります!

腰痛予防マニュアル
無料ダウンロード 

腰痛といっても、人によってその原因も違えば、対策も変わってきます。その中でも特に職業は腰痛と密接な関係があります。そのため、職業ごとに適した対策をしていくことが重要となります。

  • デスクワークが多い人
  • 肉体労働が多い人
  • 立ち仕事が多い人
  • 運転をすることが多い人

それぞれの職業に合った対策を凝縮した『腰痛予防マニュアル』を早速ダウンロードして、今日から腰痛対策をはじめてみませんか?

メールアドレス



SNSで購読

こちらも読まれています