デスクワークで腰痛にお悩みの方!簡単にできる対策をご紹介!

諸麥友博 / 理学療法士 / 第1種衛生管理者 / 作業管理士

デスクワークによる腰痛の原因と対策

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【記事のポイント】
1. デスクワークに伴う腰痛の原因
2. 対策① 環境を整える
3. 対策② 働き方を変える
4. 対策③ 運動をする
5. 対策④ グッズを活用する

現在、世の中にデスクワークを主な仕事としている方は多くいます。

デスクワークとなると動く機会が少なくなりやすく、長時間座った状態での作業を強いられます。そのため、デスクワークによる腰痛に悩んでいる人は少なくありません。

今回は、なぜデスクワークで腰が痛くなるのか、腰の痛みを気にせず快適にデスクワークをするためにはどんな対策を講じればよいのかについて、詳しく解説していきます。

デスクワークに伴う腰痛の原因

デスクワークをしていて腰が痛くなる大きな原因は、長時間同じ姿勢で作業することで動く機会が少なくなってしまうことにあります。座った状態でずっと作業を続けることが腰の筋肉にとって負担となるのです。

なぜ負担となるのか、理由は大きく2つあります。


① 筋肉は長時間同じ姿勢で使い続けると、疲労しやすいため
② 背中から腰についている筋肉で、座っている姿勢を支えているため

1つ目の理由について解説すると、筋肉を使う際、動かして使うよりも止まった状態で使い続ける方が筋肉ははやく疲労します。例えば、歩いているよりもずっと座っていたり、立ったままの方が腰の筋肉がはやく疲労するということです。

筋肉は疲労することで硬くなり、その影響で血行が悪くなったり、うまく働けなくなることで痛みを感じるようになります。
つまり、同じ姿勢でいること、それが長時間になることで痛みを出しやすくなるということです。

長時間座った後に立ち上がる際や、歩き出す際に腰に痛みを感じるのもその影響になります。

長時間同じ姿勢で筋肉を使い続けた影響で疲労により筋肉が硬くなり、筋肉がうまく伸び縮みできなくなることで、動き出しでうまく働けずに痛みを感じます。筋肉の持久力(スタミナ)が落ちてくると起こりやすい症状となります。

2つ目の理由について、腰の筋肉にはカラダを支える役割があり、座っている際にはこの役割が大いに必要になります。デスクワークでは基本的に椅子に座った状態で行うため、自ずと腰の筋肉に負担をかけることになります。

デスクワーク中は姿勢や腹筋を意識しなければ背中が丸くなってしまいやすく、どうしても腰を曲げた状態で行うことが多くなってしまいます。仕事に集中していると、気づかない内に頭が前に移動し、さらに背中や腰が丸くなりやすくなります。このとき、腰の筋肉は体が前に倒れないようにするために働くため、この状態が続くと負担は徐々に大きくなり、次第に腰の痛みへと繋がっていきます。

これら2つの理由により、デスクワークでは腰の筋肉に対して大きな負荷をかけてしまうため腰痛になりやすくなってしまいます。

また、座っている方が楽だから腰への負担も少ないだろうと思う方は多いかもしれません。しかし、実は腰だけのことを考えると、立っている時よりも座っている時のほうが腰のクッションの役割を果たす椎間板への負担は大きいことが分かっています。

このように、座っている姿勢が楽というイメージはあるかもしれませんが、デスクワークには腰痛を伴いやすい原因がたくさんあるということがお分かりいただけたでしょうか。

じゃあ、仕事を変えないと、腰痛は良くならないの?と考える必要はありません。腰痛になりにくいデスクワークの方法や対策を知れば、腰痛は予防・改善することができます。

対策① 環境を整える

では、デスクワークをする上で腰痛に悩まされないようにするためにはどんなことに気をつければよいのでしょうか。

1つ目の対策としては、デスクワークする環境に目を向けてみましょう。デスクワークする環境を整えることで、腰痛になりにくくなることが可能です。

腰の筋肉を痛めないために考えるのは姿勢だけではありません。デスクの周りの環境にも気を配りましょう。

椅子は低すぎたり、高すぎたりしませんか?

低すぎる場合

低すぎることで腰が大きく曲がってしまい、腰の筋肉や椎間板などの負担を増やしてしまいます。その状態で長時間の作業をしてしまうと、腰を痛める危険性は高くなってしまうので注意が必要です。

高すぎる場合

椅子が高すぎて、足が宙に浮いた状態で座っていると、腰の筋肉はバランスを保つために普段よりも大きく働きます。それが腰の負担を増やしてしまうこととなり、痛みを出しやすくする恐れがあります。

椅子の高さは、自分の足が地面にしっかりとつく高さに設定することをおすすめします。

集中するあまり、ディスプレイと顔が近くありませんか?

集中してくるとディスプレイと顔との距離が近くなる方が多いです。距離が近くなることで自然と背中や腰が曲がってしまいます。それにより腰の負担は増え、痛みにつながる可能性が高くなります。

気がついたときには、背筋を伸ばすように心がけましょう。

また、モニターが見にくいから顔が近づきやすくなることも考えられるため、モニターの位置に気を配ることも大切です。モニターの適切な位置は、モニターの上端が自身の目の位置と平行になるぐらいの位置がベストです。

さらに、モニターの位置が左右どちらかに偏っている場合は腰の捻りが必要になるため腰の痛みにつながる可能性があります。できるだけ真正面にくるように設定しましょう。

足元は散らかっていないですか?

足元が散らかっていることで、足を動かすスペースが少なくなります。足が動かせないことで姿勢を変えにくくなり、それにより腰の筋肉への負担を増やしてしまいます。

腰の痛みにつながる前に足元を整理して、少しでも姿勢を変えられる環境にしておきましょう。

小さい画面のPCを使っていませんか?

デスクトップよりもノートパソコンのほうが画面が小さくて小ぶりなため、画面を見るために体が前に傾きやすくなります。それにより腰が曲がってしまい、腰の負担を増やすことにつながってしまいます。できるだけ背筋が伸びるようにするためには、ノートパソコンよりもデスクトップ(モニター)を使うほうが良いでしょう。

持ち運びを優先してノートパソコンしかない場合は、ノートパソコン自体の高さを調節し、体が前に傾きすぎないように設定しましょう。

1つでも当てはまれば、腰の筋肉に負担をかけやすくなっているかもしれません。ぜひ確認してみてください。

対策② 働き方を変える

2つ目の対策として、働き方を変えることを意識してみましょう。具体的にどういうことかというと、ここでは2つの例を挙げたいと思います。

こまめに休憩をとることを意識する

デスクワークで腰が痛くなる大きな原因として、筋肉を長時間同じ姿勢で使い続けることで疲労してしまい、その影響で痛みを感じるようになると解説しました。

つまり、こまめに休憩をとることで、筋肉が疲労しきらないようにすることが大切になります。

コンピュータを用いた作業を行う人の健康を守るためのガイドラインである「VDT(Visual Display Terminals)作業における労働衛生管理のためのガイドライン」では、一連続作業時間は1時間を超えないようにし、“連続作業と連続作業の間に10~15分の作業休止時間を設けること”とされています。

これからもわかるように、同じ姿勢で長時間作業することは勧められておりません。

デスクワーカーの休憩は30秒でも立つことが大事」でも解説されてますが、立って休憩することで腰痛の悪化予防や精神的疲労の軽減にも役立つことが分かっており、休憩することにもメリットはあるのです。

人間の集中力が持つ時間は概ね1時間程度と言われています。集中力が切れたときにトイレに行ったり、立ち上がったりすることで腰の筋肉に休憩する時間を与えることを意識しましょう。結果的に、そうすることで腰の筋肉を痛めにくくするとともに、精神的疲労の軽減や業務効率を高くすることにもつながります。

スタンディングデスクを活用する

昨今、健康に配慮のある会社などでは、立った状態でのデスクワークを可能にするスタンディングデスクが導入されてきています。これにより、デスクワーク中に出る腰の痛みで悩む人でも仕事が効率よくできるようなります。

研究も多く出ており、座り過ぎによって健康上の様々なリスクが上がることもわかってきていますが、「スタンディングデスクの慢性腰痛の効果」では、スタンディングデスクの導入により、デスクワーカーの腰痛が改善されたと報告されています。

とはいえ、ずっと立ちっぱなしというのも、同じ姿勢が続き、疲労や痛みにも繋がりかねません。立つのと座るのを、1時間で切り替える、あるいはタスク毎で切り替えるという使い方がオススメです。

対策③ 運動をする

3つ目の対策は、運動することです。

今までしていないことを習慣付けすることはかなり困難なので、生活に馴染みやすい内容でお伝えしたいと思います。

椅子を使ってスクワットをする

下半身の筋肉を使う練習としておすすめなのがスクワットですが、普通にスクワットをしてもらうと間違った方法でされる方が多く見受けられます。

なので、だれでも簡単に間違わずにスクワットをするために椅子を使います。方法は簡単で、普段座っている椅子から5秒かけて立ち上がり、同じく5秒かけて座ります

ゆっくり立ち座りできない方は脚の付け根である股関節がうまく使えていない証拠です。股関節をしっかり使えるようになることで腰の筋肉は和らげられます。

ポイントは、しっかりとお辞儀することです。頭をしっかりと前に倒そうとすると、脚の付け根から曲がります。腰が曲がらないように注意し、5~10回を目安に実施してみてください。

呼吸をつかって腹筋を締める

これは座っていても立っていてもできる運動です。

息を吐き続けることで、カラダの奥の方にあるコルセットのような腹筋に力が入ります。この筋肉がしっかりと働くことで腰の負担を和らげることが可能となります。吐ききったところからもうひと吐きするのが、この運動のコツです。

目安は15秒以上吐き続けられるようになることを目標にしましょう。

座りながら姿勢を変えるために骨盤を前後に動かす

これも先ほどの運動に引き続き座ってできる運動です。

両手を腰に当てます。腰に手を当てると4本の指がカラダの前側に、親指が後ろ側にきます。その状態で、息を吐きながら背中が丸くなるように猫背になります。このとき、カラダの後ろ側にある親指が椅子に近づいていくこと、おへそを見るようにすることを意識するとうまく運動できます。

さらに、猫背の状態から胸を張るように背筋を伸ばします。今度はカラダの前側にある4本の指が椅子に近づいていくこと、少し上を見るようにすることを意識するとうまく運動できます。

これをデスクワークで集中力が切れた際に5〜10回してみましょう。これは腰の筋肉をリラックスさせる運動です。この運動で、同じ姿勢で使い続けている腰の筋肉を休ませてあげましょう。

対策④ グッズを活用する

4つ目の対策は、物やグッズを活用して腰の負担を軽減する方法を紹介したいと思います。

椅子の背もたれと背中の間にクッションを入れる

背中と背もたれの間にクッションを入れます。この時、できるだけ腰から背中にかけての部分に隙間ができないようにクッションの位置を調整してください。

これにより腰から背中にかけての接触面積が大きくなることで、腰の負担を和らげられる可能性があります。

ある研究では、クッションを利用することで腰の骨のゆがみと客観的な快適さが改善したと報告されています。ぜひ一度ご覧になってみてください。

デスクワーカー必見!腰のクッションの腰痛に対する効果

バスタオルを巻いて、お尻が持ち上がるように椅子に敷く

バスタオルを4つ折りにします。そのまま半分くらいまでクルクルと巻き、それを椅子の上に巻いた部分が後ろ側になるように敷きます。

その巻いた部分にお尻の後ろが軽く乗るように座ることでお尻が持ち上がり、自然と背筋が伸びるようになるため、腰の負担を軽減することができます。写真の通りに敷き、自分にあった位置で実施しましょう。

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フェイスタオルを巻いて、椅子の上に縦に敷く

フェイスタオルを四つ折りにしてグルグルに巻き、それをお尻の下に縦に敷きます。それにより座ったままでの重心移動が簡単になり、腰の筋肉の負担を和らげられる可能性があります。

写真の通りに敷き、真ん中に座りましょう。左右、前後に重心移動する感覚がわかりやすくなると思います。

ずっとではなく、たまにすることをおすすめします。たまにすることで、長時間の同じ姿勢での作業を避けることができることと、お尻に付いている骨盤底筋という腰痛を和らげるために働く筋肉の刺激にもなるからです。長くしてしまうと、これもまた同じ姿勢が続くため、「たまに」することが重要です。

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日々気付いた時の対策が大切!

今回はデスクワークと腰痛の関係について、さらにその対策について解説しました。

仕事を永く続けるため、健康に働くためには、腰痛にならないことが重要であり、なったのであればうまくコントロールすることが重要となります。

それができるようになると、自然と仕事効率もあがり、より充実した仕事の時間を過ごすことができると思っています。

(諸麥友博)

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
  • *本サービスにおける医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではございません。そのため、本サービス上の情報や利用に関して発生したいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。なお、診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関にて受診いただきますことをおすすめいたします。

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