首や腰の痛みは糖尿病と隣り合わせ??

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター山下真司 / 理学療法士 / 修士号(医学)

backpain

(c) beeboys - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. いくつかの研究をまとめた結果、首や腰の痛みは糖尿病と関係することが分かった。
2. 首や腰の痛みも糖尿病も日々の生活習慣に関連していることが多い。
3. 運動習慣をつけることが、痛みにも糖尿病にも効果的かも!

2019年の2月に、糖尿病と痛みに関連があることが報告されました。

一見関係なさそうなこの2者を関連づけるものは何なのでしょうか。

450本以上の論文から質の高い8本に厳選して検証

ご紹介する報告は、過去に発表された論文を調査し、結果を再度まとめる手法を用いて行われました。対象者は18歳以上の男女としました。

はじめに過去の論文を検索し、27,779本の論文がヒットしました。そのうち、今回の研究に関係ありそうな462本の内容をチェックしました。

この際、糖尿病は生活習慣と関係のない1型と、生活習慣が主な原因となる2型の両方を含めました。一方、がんや骨折による痛みは除かれました。また、慢性的な痛みか、急性的な痛みかも問いませんでした。

そのうえで、最終的に8本(合計対象者:131,431名)の論文を用いて、糖尿病と首や腰の痛みとの関連を検証しました。

そのうち首の痛みとの関連を検証した論文は2本、腰痛との関連を検証した報告は7本確認されました。

首や腰の痛みと腰痛は関連する?!

解析の結果、糖尿病のない対象者と比較して、糖尿病を患っていた対象者では、首や腰の痛みを持っている可能性が高いことが分かりました。

この結果が得られた理由として筆者らは、糖尿病の管理が不十分だと筋肉の血流が減少するという過去の研究をもとに、軟骨や関節部分の炎症、椎間板の変性などが生じやすい可能性があることを指摘しています。

長期的な関連は未だ不明

しかしながら、この結果は関連があるかないかを確認するための「横断研究」という方法を含んだ結果でした。この方法では、糖尿病と首や腰の痛みのどちらが原因でどちらが結果かという因果関係は明らかにできません。

因果関係を検証するには「縦断研究」という手法が用いられます。この縦断研究の結果のみを解析したところ、糖尿病の有無によって、その後の首や腰の痛みに差はありませんでした。

つまり、糖尿病があることで、首や腰が痛くなる可能性が高くなるのかどうかは未だ不明と言えるでしょう。

定期的に筋力トレーニングを

今回ご紹介した報告の結果から、糖尿病と首や腰の痛みに関連があることが分かりました。

糖尿病は神経や血管にダメージを与え、心臓病や腎臓病になるリスクを高めることが知られています。その対策として、定期的に運動することが勧められています。

一方で、運動習慣がないと首や腰の痛みを有することも知られており、こちらも日々の運動習慣がカギと言えるでしょう。

慢性的な痛みの改善に適切な運動量はあるのか?」では、運動する頻度が多いほど首や腰の痛みといった慢性的な痛みが改善しやすい可能性があることをお伝えしました。また、糖尿病も同様に、20-30分の筋力トレーニングを週2-3日行うことが推奨されています。

定期的な運動習慣をつけること。これが痛みや糖尿病に有効である可能性は高そうです。

(山下真司)


▼ 参考文献
タイトル:Is there an association between diabetes and neck and back pain? A systematic review with meta-analyses.
雑誌名:PLoS One. 2019 Feb 21;14(2):e0212030.
[PMID: 30789940]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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