腰の椎間板の変性は腰痛と関係するのか?

椎間板の変性と腰痛

(c) Syda Productions - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. レントゲンに現れる椎間板の変性とは?
2. 骨棘(骨の一部が変形し棘のように突き出る事)の程度は腰痛と関連していなかった!
3. 椎間板のスペースが狭いと、腰痛や神経痛を持っている可能性が1.7倍高くなっていた

レントゲンの結果、もし腰の椎間板(背骨と背骨の間にあり、衝撃を吸収するクッションのような役割を担う組織)に変形が起きていると報告されたら、手術を受けないといけないのでは、また、もう治らないのでは、と不安になるかもしれません。

しかし、レントゲンなどで現れる腰の椎間板の変性は、腰痛の原因になると考えられていますが、この関連ははっきりと裏付けされていません。

そこで、今回の記事は、椎間板の変性が、本当に腰痛の原因になるのかを紹介いたします。

699人をレントゲンで撮影

今回の研究では、699人を対象に、腰痛の有無、重症度、また、腰痛を抱えている期間などのアンケートを行い、腰部のレントゲンが撮られました。

オランダにある整形外科で臀部(お尻の部分)、また、膝の痛みをかかえた、45歳から65歳が対象者となりました。対象者の80%が女性で、20%が男性でした。対象者は、元々、変形性関節症を調べる目的の研究に集められたグループで、合計10年間の研究期間のうち8年目の健診の際に腰部のレントゲンが、今回の研究のため撮影されました。

椎間板の変性は骨棘(骨の一部が変形し棘のように突き出る事)、そして、椎間板が位置しているスペースが狭くなってる(椎間板の厚さが薄くなること)と定義されました。

そして、これらの変性と、腰痛の有無下肢のしびれも含めた神経痛の有無慢性の腰痛(3ヶ月以上)、重症度(腰の痛みの評価が10点満点のうち4以上、0点が痛みなし、10点がこれまで経験した中で1番ひどい痛み)などの関連が調べられました。

メインの結果

以下の結果が得られました。


■ 対象者の98%で骨棘が見つかった
■ 対象者の67%で椎間板が位置しているスペースが狭くなっていた
■ 中程度以上のレベルの骨棘の有無は腰痛の有無と関連していなかった
■ 椎間板のスペースが狭いと、腰痛や神経痛を持っている可能性が1.7倍高くなっていた
■ 腰痛の重症度や、慢性の腰痛は椎間板の変性と関連していなかった

変性は腰痛の重症度とは関係してない!?

今回の結果から、椎間板のスペースが狭い事は腰痛や神経痛を持っていることと関連していたことが分かりました。そのため、椎間板の変性が腰痛と全く関係していないと断定することはできません

しかし、慢性の腰痛や、腰痛の重症度と椎間板の変性は関連していませんでした。慢性の腰痛や、重症な腰痛は様々な要素が原因となってきます、そのため腰の椎間板に変性が起こることだけで、腰痛が慢性になったり、重症になることは考えにくいです。

椎間板の変性はめずらしくない!

今回の研究では、ほぼ7割以上の対象者になんらかの椎間板の変性が見つかりました。しかし、今回の結果から、これらの変性は自然なもので、腰の椎間板に変性があるから、腰の痛みが重症に、また、慢性になってしまうのではと心配することはありません

腰痛の原因には様々な要素が加わってきます、そのため、レントゲンの結果だけに頼るのではなく、他の原因を含め様々な視点から見ていくことが大切です。

ランニングを多くしている人は椎間板の状態がよかったという報告もあるため、椎間板を良い状態に保ちたい人は、ランニングをするのも良いかもしれません。詳しくは過去に紹介した「日々のランニングが腰のクッション「椎間板」を丈夫にする!?」の記事をご参照ください。

(宮本 望都喜)


▼ 参考文献
タイトル:The Association Between Self-reported Low Back Pain and Radiographic Lumbar Disc Degeneration of the Cohort Hip and Cohort Knee (CHECK) Study.
雑誌名:Spine (Phila Pa 1976). 2017 Oct 1;42(19):1464-1471
[PMID:28542106]

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