日々のランニングが腰のクッション「椎間板」を丈夫にする!?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター鈴木祐介 / 理学療法士 / 修士号

ランニングと腰の椎間板の関係

(c) Monet - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. ランニングなどの有酸素運動は腰痛に効果的である。
2. ランニングの習慣を持つ方は、そうでない方と比べて、椎間板の状態が良好であった。
3. ランニングは腰痛予防に効果的だが、負荷が強い運動でもあるため、怪我に注意して、生活に取り入れよう!

腰痛を予防するために必要な運動とはや、軽い息切れ程度のエクササイズが”慢性腰痛”に効果的でご紹介したように、ランニングなどの有酸素運動は腰痛に効果的であると報告されています。

腰痛に対するランニング効果の要因としては、身体的なものや精神的なものなど、様々考えられますが、その中の一つとして、腰の椎間板に対する効果が考えられます。

今回は、ランニングと腰の椎間板の関係を調査した研究についてご紹介します。

ランニングの椎間板に対する効果とは?

この研究では、普段よりランニングを習慣化している方、そうでない方を含めた、合計79人を対象としました。

対象者は以下の3グループに分類されました。


■ 週に20-40kmの距離をランニングしている方
■ 週に50km以上の距離をランニングしている方
■ ランニングを含めた運動習慣がない方

そして、各対象者における腰の椎間板の状態を、画像検査(MRI)にて測定し、各グループ間でその結果を比較し、ランニングと椎間板との関係性を調査しました。

ランニングの習慣がある人の椎間板の状態は良好だった!

調査の結果、椎間板の状態(椎間板の水分含有量や椎間板の大きさ)は、週に50km以上の距離をランニングしているグループが最も良好であり、次に良好だったのはに週に20-40kmの距離をランニングしているグループ、最も状態が悪かったのはランニングを含めた運動習慣がないグループとなっていました。

すなわち、普段よりランニングを習慣としている方は、そうでない方と比べて、椎間板の水分含有量が多く、椎間板自体も大きいため、椎間板が丈夫であると考えることが出来ます。

なぜランニングが椎間板を丈夫にするのか?

椎間板にかかる圧力は、高すぎると椎間板ヘルニアなどの病態を引き起こしますが、椎間板の健康維持のためには、ある程度の圧力は必要であることが報告されています。

本論文の著者は、ランニングで生じる椎間板への圧力が、椎間板の健康維持に効果的な圧力と同程度であったため、普段よりランニングを習慣としている方は、椎間板が丈夫であったのではないかと考察しています。

椎間板のためにも、自分のペースでランニングの習慣を

今回の研究では、直接的に運動と腰痛の関係は見ておりませんでした。しかし、椎間板は腰痛と密接に関わっており、その状態が良いことは将来的な椎間板性腰痛症や椎間板ヘルニアなどの椎間板に由来する腰痛の予防をしていく上では重要であります。

そういった意味でも、ランニングの習慣を取り入れるのも良いかもしれません。

しかし、ランニング中の過剰な腰の捻りが”腰痛”の原因だったでご紹介したように、ランニングはウォーキングなどの有酸素運動と比較すると負荷量が高いため、逆に腰や膝などを痛めてしまう可能性もあります。

ランニング前には足首や股関節などの柔軟体操をしたり、最初から頑張りすぎないようにペースを調整して、ランニングを生活習慣に取り入れてみては、いかがでしょうか。

(鈴木祐介)


▼ 参考文献
タイトル:Running exercise strengthens the intervertebral disc.
雑誌名:Sci Rep. 2017 Apr 19;7:45975.
[PMID:28422125]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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