椎間板性腰痛症に対する椎間板内注射の効果とは!?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター鈴木祐介 / 理学療法士 / 修士号

椎間板腰痛症に対する椎間板内注射の効果

(c) llhedgehogll - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. 椎間板性腰痛とは、椎間板がダメージを受けて腰痛を発症する症状である。
2. 椎間板性腰痛に対する椎間板内注射は、短期間であれば痛みの改善に効果的であった。
3. 痛みが辛くてどうしようもない時は、短期間痛みを改善する目的で、椎間板内注射という治療の選択肢も有効かもしれない。

椎間板性腰痛“をご存知でしょうか?

これは慢性的な腰痛の一つであり、背骨のクッションの役割を果たす椎間板が、過剰な負荷や加齢によりダメージを受け、その部位に炎症が起こり、痛みを生じる症状です。

治療法としてはリハビリテーションや服薬を始め、様々な方法がありますが、その中の一つに椎間板内注射があります。

これは炎症を抑える成分を含む注射を、直接椎間板に行うことで、椎間板内の炎症を抑えることで、痛みを改善しようという治療法です。

それでは、椎間板性腰痛に対して椎間板内注射は効果があるのでしょうか?今回ご紹介する研究では、椎間板性腰痛に対する椎間板内注射は、短期間の痛みの改善には効果的であったと報告されました。

椎間板性腰痛に対する椎間板内注射の効果とは?

この研究では、椎間板性腰痛を発症している患者116名を対象とし、二重盲検法(研究に対して意図的な操作が加わらないように、医師と患者の両者が、どの薬が処方されているか分からないようにする方法)で実施されました。

対象者は以下の2グループに分類されました。


■ 椎間板内注射(25 mg)を実施するグループ
■ 椎間板内注射の代わりに、痛みを改善する効果を持たない椎間板造影剤を注射するグループ(プラセボグループ)

また、介入前、介入1ヶ月後、12ヶ月後に、以下の項目をアンケートにて聴取しました。


■ 腰の痛みの程度
■ 腰痛による身体機能障害、日常生活障害の程度
■ 不安症やうつ症状などの精神状態
■ 仕事の状態(病欠や休職、退職などの有無)
■ 鎮痛薬などの服用状況

そして、これらの結果を各グループで比較し、椎間板内注射の効果を検討しました。

椎間板内注射は1ヶ月後の痛みを改善させた

結果より、椎間板内注射を行ったグループは、プラセボグループと比較して、1ヶ月後の椎間板性腰痛の痛みが改善していました。

しかし、12ヶ月後には両グループ間で痛みの改善度合いに差は認められませんでした。また、その他の項目に関しても、1ヶ月後、12ヶ月後で両グループ間での差は認められませんでした。

すなわち、1ヶ月という短期間であれば、椎間板内注射は椎間板性腰痛の痛みの改善に効果的であると考えることが出来ます。

痛みが辛くてどうしようもない時は、椎間板内注射という選択も一つ

椎間板内注射は、強い腰痛で仕事や日常生活がままならない様な場合、短期間の痛みをとる目的として、有効な治療法だと考えられます。

もし病院で椎間板性腰痛と診断されたら、椎間板内注射という治療の選択肢も、頭の中に入れておいても良いかもしれません。

(鈴木祐介)


▼ 参考文献
タイトル:Intradiscal Glucocorticoid Injection for Patients With Chronic Low Back Pain Associated With Active Discopathy: A Randomized Trial.
雑誌名:Ann Intern Med. 2017 Mar 21
[PMID:28319997]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
  • *本サービスにおける医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではございません。そのため、本サービス上の情報や利用に関して発生したいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。なお、診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関にて受診いただきますことをおすすめいたします。

あなたにあった腰痛予防があります!

腰痛予防マニュアル
無料ダウンロード 

腰痛といっても、人によってその原因も違えば、対策も変わってきます。その中でも特に職業は腰痛と密接な関係があります。そのため、職業ごとに適した対策をしていくことが重要となります。

  • デスクワークが多い人
  • 肉体労働が多い人
  • 立ち仕事が多い人
  • 運転をすることが多い人

それぞれの職業に合った対策を凝縮した『腰痛予防マニュアル』を早速ダウンロードして、今日から腰痛対策をはじめてみませんか?

メールアドレス



SNSで購読

こちらも読まれています