運転時に感じる腰痛を撃退する3つの方法

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター坪井大和 / 理学療法士 / 修士号(保健学)/ 日本学術振興会 特別研究員 / メディア編集長

トラックの運転手

(c)bernardbodo - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. 運転には腰痛のリスクが潜んでいる.
2. 運転中のからだへの振動大きいほど、腰痛リスクも上昇する.
3. 対策として、座席の調整、小休憩時のストレッチ、振動を吸収する座面シートの使用などがあげられる.

現代社会において、自動車は欠かせない移動手段となっています。
自動車を長時間運転していたら、腰が痛くなった経験はないでしょうか。
実は運転中、ドライバーには微小な振動がかかっており、この振動が腰には良くないということが言われてきています。実際にタクシー運転手や長距離のトラック運転手の腰痛は非常に多く発生しています。

そこで今回は、”運転中の振動は腰痛を引き起こす原因であるのか”を検証した研究を紹介します。

運転中のからだへの振動は腰痛を引き起こすのか

今回実施された研究には571人のドライバーの内の229人からアンケートを用いて個人の情報、職業に関連する情報、腰痛に関する情報を収集しました。
そして、全身にかかっている振動(振動の大きさや振動に曝露された時間、日常的に蓄積された振動)を評価しました。
上記の情報は研究開始時とその1年後に収集されました。

振動をうける時間が長いほど腰痛発症リスクは上昇する

日常的に運転をしている時間が長いほど、腰痛を発症しているリスクが高くなるという結果が得られました。
この傾向は運転中の全身にかかる振動にさらされる時間においても認められました。

振動を受けるほど腰痛リスクも上昇する

上記と同様に、トータルして全身にかかった振動が大きいほど、腰痛になる可能性が上昇していました

運転が原因で発症している腰痛にどう対処するか

今回の結果から運転中の全身にかかる振動が大きくなるほど、そして、その時間が長くなるほど、腰痛の発症リスクも上昇することが分かりました。
それでは、仕事上長時間運転をしなければならなかったり、日常の車の運転で腰痛を感じている方はどのような対策をすればいいのでしょうか。
具体的な対策の方法を3つご紹介します。

背もたれをうまく使う

背もたれの角度は自分なりのポジションがあると思います。しかし、腰痛で困っている方は、もしかしたら、その角度を変えることで、症状も軽減するかもしれませんので、気にしてみてください。
座席の角度は90度と直角にするより、95度程度、つまりやや後ろに倒した角度の方が腰への負担は明らかに減ることが報告されています。
また、背もたれにもたれた際に、腰と背中のシートの間に大きな隙間があく場合は、クッション等をその隙間に入れることで、さらに腰への負担が減ることが報告されています。

小休憩をとる

長距離の運転をせざるを得ない仕事環境の場合は、小休憩をできる限り取ることで、腰痛予防ができる可能性が報告されています。
また、ただ休憩するだけでなく、外に出た際は、立った状態で腰をそらすストレッチなど、腰の筋肉を動かすような運動を取り入れると、より予防効果が望めます。

また、長時間の運転後に、すぐに重い荷物を運ばなければいけないような職業の場合は、できる限り台車などの補助的な運搬ツールをするように心がけましょう。
ずっと同じ姿勢で運転しているので、急に負荷がかかると、ギックリ腰などのような急性の腰痛になる場合があります。

振動を低減させるグッズを使う

振動対策が施されている車両も近年ありますが、まず簡単にできることは、低反発のクッションを使用することで、運転時のからだへの振動を低減することが可能となります。

 

(坪井大和)


▼参考文献
Low back pain in drivers exposed to whole body vibration: analysis of a dose-response pattern.
Occup Environ Med. 2008 Oct;65(10):667-75.
[PMID: 18216125]

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