最新の医学的根拠から明らかになった、あなたの腰痛に最適な対策とは!?

腰痛の医学的根拠

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【記事のポイント】
1. 最新の医学的根拠に基づく、腰痛の対策方法がまとめられた.
2. 腰痛を発症してからの経過時間によって推奨される治療法/対策は異なる.
3. 痛み止めなどの薬は、いろいろな対策の効果がなかったときの最終手段.

健康に関わる業界では、医療者側が専門的な知識をもっているものの、患者側が医療的な情報を知らないために、医療者に言われた通りにするしかない現状、つまり情報の非対称性が存在します。特に腰痛は国民病とも言われているものの、まずどこに行くべきなのか?何をすべきなのか?など迷うことばかりではないでしょうか。医学の技術は日々進歩しており、今回ご紹介するのはAmerican College of Physicians(ACP)が、現時点で明らかになっている医学的根拠をまとめた内容をお伝えしていきます。この情報は2月14日に報告されたばかりの内容で、最新の情報が記載されていますので、一般の腰痛持ちの方向けにお伝えすることで、今後の腰痛対策の参考にして頂けましたら幸いです。

医学的根拠からガイドラインを作成

ACPは、2015年4月までに腰痛に対する非侵襲的(手術をしない)/非薬理学的(薬を使わない)治療法の効果に関わる質の高い研究(無作為化比較試験および系統的レビュー)を評価し、ガイドラインの作成を行いました。さらに情報のアップデートとして、2016年11月までの研究報告も追加調査しました。効果を示す評価として、下記の項目が検討されました。

■腰の痛みが改善したか
■腰の部分的/全体的な機能が改善したか
■健康に関わる生活の質(Quality of Life)が改善したか
■仕事の業務に伴う障害度や復職率が改善したか
■腰痛の発生回数/再発するまでの期間が減少したか
■患者の満足度は向上したか
■有害事象(腰痛が悪化するなど)はなかったか

上記の項目を検討した上で、急性/亜急性/慢性腰痛に対して推奨できる対策方法がまとめられました。そのため、下記を読み進めるにあたり、まず『あなたの腰痛が発症してどの程度の期間を経過しているか』ということが重要です。

■急性腰痛:発症から4週間未満
■亜急性腰痛:発症から4週間以上、かつ、3ヶ月未満
■慢性腰痛:発症から3ヶ月以上

それでは、自身の腰痛の分類を把握したところで具体的な内容に進みましょう!

急性/亜急性腰痛の場合(強く推奨される)

腰痛にはタイプがある

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急性または亜急性腰痛を有する大半の患者が治療に関係なく、時間とともに改善することを考慮し、臨床医および急性/亜急性腰痛の患者が選択すべき、治療法/対策は下記の通りと報告されました。

■温熱療法(中等度のエビデンスレベル)
■マッサージ
■鍼(はり)
■脊椎マニピュレーション(低いエビデンスレベル)

あなたの腰痛、そのままにしておくとどうなる!?』でお伝えしているように、腰痛が発症しても、何もしなくても半数は急激に改善していきます(しかし、再発しやすいことには注意が必要)。しかし、より改善の可能性やスピードを早めるためには、腰痛を発症して3ヶ月未満であれば、上記のいずれかを選択することをオススメします。

特に”温熱療法”というものは、腰を温めるもので、自宅でもゆっくりと湯船に浸かるなどの対策はお金をかけずにすることが可能です。”脊椎マニピュレーション”という手技は、背骨の一つ一つを動かし刺激するような手技のことで、整骨院/接骨院などにいる柔道整復師や、整形外科にいる理学療法士が提供することが可能です(脊椎マニピュレーションは、特別な手技が必要であるため、全員ができるという訳ではありません)。

もし臨床医の判断や患者の意向で薬での治療が望まれる場合は、非ステロイド性抗炎症薬または筋弛緩薬を選択することが推奨されています(中等度のエビデンスレベル)。

慢性腰痛の場合(強く推奨される)

デスクワーカーの女性の腰痛

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もし、あなたの腰痛が発生して3ヶ月以上経過している腰痛であれば、現時点での医学的根拠から、下記の治療法が推奨されることが明らかになりました。

■薬を使用しない状態での運動(最も最初に選択すべき対策方法)
■リハビリテーション
■鍼(はり)
■ストレスを軽減させるようなマインドフルネス(中等度のエビデンスレベル)
■太極拳
■ヨガ
■モーターコントロールエクササイズ
■段階的なリラクゼーション
■筋電図のバイオフィードバック
■オペラント療法
■低レベルレーザー療法
■認知行動療法
■脊椎マニピュレーション(低いエビデンスレベル)

様々な対策が出てきますが、まず最初に選択すべきなのは、痛み止めなどの薬をやめて運動することです!
それに加えて、どこか治療施設を受診するのであれば、上記の内容を適切に治療できる場所/先生なのかというところを事前に調査して行くことをオススメします。

慢性腰痛に対するアプローチで改善が不十分だった場合(中等度のエビデンスレベル:推奨レベルは弱い)

薬

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慢性腰痛に対するアプローチで、これまでに記載した治療(薬以外での治療)では十分な効果が得られなかった場合、臨床医と患者は、第一選択として、非ステロイド抗炎症薬による薬物治療を検討することが推奨されており、第二選択としてトラマドールまたはデュロキセチンが良いとされています。

なお、オピオイドの使用については、これまでにお伝えした治療法でも効果がなく、かつ、患者のリスクやベネフィットを考慮した上で、慎重に判断しなければならないと提言されています。

医学的根拠に基づいた腰痛予防を

これまで、腰痛の発症からの時期により、現時点での医学的根拠に基づく効果が得られやすい治療法/対策をご紹介しました。今後、腰痛をきっかけに医療機関や整骨院/接骨院等を受診する際には、上記の治療法/対策を、その先生が提供できるのかなどを参考にしていただければと思います。この記事でお分かりのように、痛み止めなどの薬を使用することは、いろいろ対策をしても効果が認められなかった場合の最終手段として、医師と患者で検討すべきものであるため、薬に依存しすぎないようにして、運動を積極的に取り入れていきましょう!

(福谷直人)


▼ 参考文献
タイトル:Noninvasive Treatments for Acute, Subacute, and Chronic Low Back Pain: A Clinical Practice Guideline From the American College of Physicians.
雑誌名:Ann Intern Med. 2017 Feb 14.
[PMID: 28192789]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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