湿布や塗り薬で腰痛は改善するのか!?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター鈴木祐介 / 理学療法士 / 修士号

腰痛に対する湿布の効果

(c) sakai2132000 - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. 湿布や皮膚に塗る塗布剤は、ドラッグストアなどでも扱っており、身近な医薬品である.
2. 関節の痛みには効果的が認められたが、慢性腰痛への明確な効果は認められていなかった.
3. 慢性腰痛の改善には、運動や生活習慣の改善など、多方面からのアプローチする必要がある.

皆さんは腰痛で病院に行かれた際、モーラスやボルタレンなどの”湿布”や、皮膚に塗る”塗布剤”(ゲル・クリーム)を処方されたことはありませんか。

最近では、モーラスやボルタレンなどに含まれる成分(ケトプロフェンやジクロフェナク)を配合した、市販の湿布や塗布剤などもドラッグストアで見かけるようになり、私たちの生活にとって、湿布や塗布剤は身近な医薬品となっています。

それでは、湿布や塗布剤は、慢性腰痛に対して、どれほど効果が認められているのでしょうか。

今回ご紹介する研究では、モーラスやボルタレンなどの湿布や塗布剤は、関節の痛みに対する効果は認められるものの、慢性腰痛に対しては明確な効果は認められない可能性があることが報告されました。

”湿布”や”塗布剤”の慢性腰痛への効果を検証

今回の研究では、これまでに報告された、慢性腰痛や関節痛などの筋骨格系疼痛(筋肉や骨に関する痛み)に対する湿布や塗布剤の効果を、偽薬などの他の治療方法の効果と比べて検証した医学論文を検索し、質の高い論文のみをまとめることで、その効果を検証しました。検索の結果、39本の研究がレビューされました。

関節の痛みに対しては効果的

本研究の結果、湿布や塗布剤は、偽薬などの他の治療法と比べ、”関節痛(変形性膝関節痛など)の痛み”に対しては、有意な改善効果が認められました

慢性腰痛に対する明確な効果は認められなかった

一方で、湿布や塗布剤の”慢性腰痛”に対する明確な効果は、今回の研究では得られませんでした
腰痛診療ガイドラインにおいても、湿布や塗布剤は、関節痛や捻挫に対する有効性が示されていますが、腰痛に対する明確な有効性は示されていないと記載されており、今回の結果もこれに準ずる内容と考えることが出来ます。

なぜ慢性腰痛には効果が得られないのか

今回の研究は、あくまで今までの医学論文をまとめたものなので、湿布や塗布剤が慢性腰痛に全く効果が無いと言及するものではありません。

しかし、湿布や塗布剤は、使用した直後は痛みが和らぐかもしれませんが、慢性腰痛の根本的な改善には繋がりにくいと考えられます。

今回、関節の痛みに効果的で、慢性腰痛に効果が認められなかった理由として、慢性腰痛の要因には、筋肉や骨の問題だけでなく、職場でのストレスなど心理的な要因も含まれているからかもしれません。そのため、単純に痛みに対する治療をするだけでなく、様々なリスクの要因を一つずつ減らしていくことが重要です。

(鈴木祐介)


▼参考文献
タイトル: Topical NSAIDs for chronic musculoskeletal pain in adults.
雑誌名: Cochrane Database Syst Rev. 2016 Apr 22;4:CD007400. doi: 10.1002
[PMID: 27103611]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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湿布や塗り薬で腰痛は改善するのか!?

【記事のポイント】
1. 湿布や皮膚に塗る塗布剤は、ドラッグストアなどでも扱っており、身近な医薬品である.
2. 関節の痛みには効果的が認められたが、慢性腰痛への明確な効果は認められていなかった.
3. 慢性腰痛の改善には、運動や生活習慣の改善など、多方面からのアプローチする必要がある.

皆さんは腰痛で病院に行かれた際、モーラスやボルタレンなどの”湿布”や、皮膚に塗る”塗布剤”(ゲル・クリーム)を処方されたことはありませんか。

最近では、モーラスやボルタレンなどに含まれる成分(ケトプロフェンやジクロフェナク)を配合した、市販の湿布や塗布剤などもドラッグストアで見かけるようになり、私たちの生活にとって、湿布や塗布剤は身近な医薬品となっています。

それでは、湿布や塗布剤は、慢性腰痛に対して、どれほど効果が認められているのでしょうか。

今回ご紹介する研究では、モーラスやボルタレンなどの湿布や塗布剤は、関節の痛みに対する効果は認められるものの、慢性腰痛に対しては明確な効果は認められない可能性があることが報告されました。

”湿布”や”塗布剤”の慢性腰痛への効果を検証


今回の研究では、これまでに報告された、慢性腰痛や関節痛などの筋骨格系疼痛(筋肉や骨に関する痛み)に対する湿布や塗布剤の効果を、偽薬などの他の治療方法の効果と比べて検証した医学論文を検索し、質の高い論文のみをまとめることで、その効果を検証しました。検索の結果、39本の研究がレビューされました。

関節の痛みに対しては効果的


本研究の結果、湿布や塗布剤は、偽薬などの他の治療法と比べ、”関節痛(変形性膝関節痛など)の痛み”に対しては、有意な改善効果が認められました

慢性腰痛に対する明確な効果は認められなかった


一方で、湿布や塗布剤の”慢性腰痛”に対する明確な効果は、今回の研究では得られませんでした
腰痛診療ガイドラインにおいても、湿布や塗布剤は、関節痛や捻挫に対する有効性が示されていますが、腰痛に対する明確な有効性は示されていないと記載されており、今回の結果もこれに準ずる内容と考えることが出来ます。

なぜ慢性腰痛には効果が得られないのか


今回の研究は、あくまで今までの医学論文をまとめたものなので、湿布や塗布剤が慢性腰痛に全く効果が無いと言及するものではありません。

しかし、湿布や塗布剤は、使用した直後は痛みが和らぐかもしれませんが、慢性腰痛の根本的な改善には繋がりにくいと考えられます。

今回、関節の痛みに効果的で、慢性腰痛に効果が認められなかった理由として、慢性腰痛の要因には、筋肉や骨の問題だけでなく、職場でのストレスなど心理的な要因も含まれているからかもしれません。そのため、単純に痛みに対する治療をするだけでなく、様々なリスクの要因を一つずつ減らしていくことが重要です。

(鈴木祐介)






▼参考文献
タイトル: Topical NSAIDs for chronic musculoskeletal pain in adults.
雑誌名: Cochrane Database Syst Rev. 2016 Apr 22;4:CD007400. doi: 10.1002
[PMID: 27103611]


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