運搬作業をする方必見!太もも裏のストレッチをして腰痛を予防しよう!

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター鈴木祐介 / 理学療法士 / 修士号

持ち上げ作業とハムストリングスの関係

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【記事のポイント】
1. 持ち上げ作業時にハムストリングス(太もも裏の筋肉)の柔軟性が低いと、腰に余計な負担がかかる。
2. ハムストリングスのストレッチにより、股関節の柔軟性が増加し、持ち上げ作業時の腰の負担が軽減した。
3. 持ち上げ作業を行う前に、ハムストリングスのストレッチを行うことが大切である。

ハムストリングスは太ももの裏に存在する筋肉であり、骨盤〜膝裏にある長い筋肉です(下図の赤い部分)。

ハムストリングスの図

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体力測定で苦手な人の多い”長座体前屈”は、この筋肉の柔軟性を測定しています。この筋肉の柔軟性が低下していると、股関節の動きが悪くなり、腰ばかりに余計な負担がかかってしまいます。それでは、腰を痛めやすい代表的な動作である、持ち上げ作業とハムストリングスには、どのような関係性があるのでしょうか?
今回ご紹介する研究では、持ち上げ作業前にハムストリングスのストレッチを行うことで、腰の負担が軽減すると報告されました。

持ち上げ作業とハムストリングスとの関係とは?

この研究では、16名の男性を対象者としました。各対象者には個別にハムストリングスのストレッチを実施し、その前後で以下の項目を測定しました。


■ ハムストリングスの柔軟性
■ 実験室での持ち上げ作業時に腰・股関節を曲げる角度

その後、これらの対象者間におけるデータを、ハムストリングスのストレッチ前後で比較し、持ち上げ作業とハムストリングスの関係性を調査しました。

ストレッチ前後で、ハムストリングスの柔軟性が増加していた

結果より、ストレッチの前後で、各対象者のハムストリングスの柔軟性は、有意に増加していました

ストレッチ後の持ち上げ作業時に、腰を曲げる角度は減少し、股関節を曲げる角度が増加していた

また、ストレッチ後の持ち上げ作業時に腰を曲げる角度は減少し、股関節を曲げる角度は増加していました。
これは、ハムストリングスの柔軟性がストレッチにより増加したことで、股関節の柔軟性が増加し、腰を深く曲げなくても持ち上げ作業が出来るようになったことを示しています。
すなわち、ハムストリングスの柔軟性が増加したことで、持ち上げ作業時に股関節で腰の負担をカバーすることができたと考えることが出来ます。

持ち上げ作業で腰を痛めないために

人が行う動作の中でも、持ち上げ作業は非常に腰に負担のかかる動作です。
特に持ち上げ作業を頻繁に行うような仕事をしているという方は、腰痛を予防するためにも、就業開始前に最低限、ハムストリングスのストレッチだけでも行うとよいでしょう
以下にハムストリングスのストレッチ方法をご紹介します。
以下のように、日頃よりハムストリングスのストレッチを行ってみてはいかがでしょうか。

ハムストリングスのストレッチ

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ストレッチを行う方の膝を伸ばし、身体を前に倒していく。痛くなる直前で停止し、30秒間伸ばし続ける。これを1セットとし、1日合計6セット行うと効果的です。無理にからだを倒そうとして、腰を丸めてしまうと、かえって腰に負担をかけてしまうので、股関節だけを曲げる意識で行うようにしましょう。

(鈴木祐介)


▼ 参考文献
タイトル:Acute effects of hamstring-stretching exercises on the kinematics of the lumbar spine and hip during stoop lifting.
雑誌名:J Back Musculoskelet Rehabil. 2013;26(3):329-36
[PMID:23893149]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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