健康情報を見抜く力「ヘルスリテラシー」と慢性腰痛の関係

ヘルスリテラシーと慢性腰痛

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【記事のポイント】
1. 健康情報をもとめ、理解し活用する能力のことを「ヘルスリテラシー」という。
2. 腰痛の強度によって、ヘルスリテラシーに差はなかった。
3. 健康情報を冷静に見極めよう!!

みなさんは、「ヘルスリテラシー」という言葉を聞いたことがありますか?

「ヘルスリテラシー」とは、健康面での意思決定に必要な情報を自ら調べ、理解し、効果的に活用する個人能力のことを言います(厚生労働省「統合医療」に係る情報発信等推進事業)。

インターネット上には、正しい情報もあれば、誤った情報も多くあります。誤った健康情報を信じて、活用してしまうと、望ましくない結果を招くこともあります。そのため、自分で調べた情報を「正しい」と判断し、適切に取り入れていく能力が大切になってきます。

そこで今回は慢性腰痛を有する方を対象の「ヘルスリテラシー」を調査した報告をご紹介いたします。

ヘルスリテラシーと腰痛の関連を調査

対象は、117名であり、そのうち、腰痛を患っていない者は61名、慢性腰痛を患っている者は56名いました。

慢性腰痛ありの対象者56名には、アンケート(Oswestry Disability Index)に回答してもらいました。その上で、点数の高かった28名と低かった28名の2つに分類しました。なお、このテストは、点数が高いほど腰痛に伴う生活の障害が強いことを示します。

今回のテーマである「ヘルスリテラシー」は、The short-form Test of Functional Health Literacy in Adults(S-TOFHLA)というアンケートを使用しました。100点満点のテストで、点数ごとに対象者を3つに分類し、その後の解析を行いました。

また、慢性腰痛を有している方のうち、36名の方に電話によるインタビューを行いました。インタビューの内容は、下記の2項目としました。


■ 自身の腰痛の原因とその原因に対する考え方
■ 腰痛に関する情報の探索、理解、利用について(ヘルスリテラシースキル)

ヘルスリテラシーは慢性腰痛と関連していなかった

調査の結果、アンケート用紙を用いたヘルスリテラシーは腰痛に伴う生活の障害と関連しているという結果は得られませんでした

また、アンケート用紙によるヘルスリテラシーは、腰痛の原因に対する考え方とも関連していませんでした。

電話では健康情報の収集、理解、活用に困難を感じている人が多かった

慢性腰痛を持った方は、アンケート用紙でのヘルスリテラシーが高いという結果が得られたました。

しかし、電話によるインタビューを行った結果、実際には、情報収集、理解、活用の困難さを感じていることが明らかとなりました。

健康情報を見極める力を!!

今回の結果から、形式化されたアンケート上では、ヘルスリテラシーは腰痛と関連していなかったものの、実際には健康情報を収集、理解、活用することに対して困難さを感じている人が多いという結果も得られました。

今回の結果から明確な結論は導き出せませんが、「健康情報を見極める力」が質的に困難さを認めた可能性が考えられます。

健康情報を簡単に見極めるポイントの一つとして、情報のでどころが明確に記載されているかどうか確認してみてください(本サイトであれば「▼ 参考文献」として記載しています)。

曖昧な健康情報サイトは、情報のでどころが分からなかったり、曖昧な情報を引用したりしていることが多いため、注意して、情報を見極めるようにしましょう。

その他にも信頼できる健康情報を見極めるためのポイントを知りたい方は「健康情報の信頼性を確かめるための3つの基準」をぜひご覧ください。

(山下真司)


▼ 参考文献
タイトル:Health literacy and beliefs among a community cohort with and without chronic low back pain.
雑誌名:Pain. 2010 Aug;150(2):275-83.
[PMID: 20603025]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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