キネシオテーピングの貼り方によって慢性腰痛への効果は変わるのか?

腰痛に対するキネシオテーピングの貼り方による効果の違い

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【記事のポイント】
1. キネシオテーピングとは?
2. テーピングの貼り方によって効果は変わる?
3. 腰痛とテーピングの貼り方の関係とは?

キネシオテーピングは、従来のテーピングのように、ねんざした時に関節を固定するテーピングとは違い、伸縮性を備えているのが特徴です。キネシオテーピングは健康的な筋肉と同程度の伸縮性があり、筋肉に沿って貼ることで、筋肉そのものの機能をサポートする新しいタイプのスポーツテーピングです。

腰痛の対策の1つとして、キネシオテーピングが使われることがあります。過去の記事でも紹介した様に、ぎっくり腰になった時のキネシオテーピングの効果を検証した研究では、その有効性が示されています(詳しくは「キネシオテーピングの急性腰痛への効果」をご覧下さい)。

しかし、一口にキネシオテーピングと言っても、様々な貼り方があります。そこで今回の記事では、キネシオテーピングの貼り方によって、腰痛に即効性の変化に違いが出るのかをご紹介します。

3種類のキネシオテーピングの貼り方を比較

今回の研究は、明らかな原因のない慢性腰痛患者75人を対象に行われました。キネシオテーピングは、仙骨から第12胸椎(胸の高さで12番目にある背骨)の範囲にかけての背筋(脊柱起立筋)に対して、Iストリップというアルファベットの「I」の字になるように左右に1本ずつ貼られました。対象者は、貼り方(伸縮性の張りの強さ)によって3つのグループに分けられました。

以下の3つのグループに分けられました。


① 標準的な張り(15-25%程度の伸縮)がある貼り方
② 標準よりも、強い張り(40%程度の伸縮)がある貼り方
③まったく張りがない(0%の伸縮)貼り方

対象者は、テーピングを貼る前、貼り終わった直後、貼り終わってから24時間後で、腰とお尻の筋肉が痛みを感じ始めるレベル(高いほど痛みへの耐性が強い)、そして、座った状態、または、直立した状態での前屈テストなどで腰の柔軟性が測られ、比較されました。

貼り方は即時的な効果に影響しなかった!

次の結果が得られました。

3つのグループで、テーピングを貼る前、貼った直後、24時間後において:


■ 腰とお尻の筋肉が痛みを感じ始めるレベルに違いは見られなかった。
■ 座った状態、または、直立した状態での前屈テストの記録に違いは見られなかった。
■ 強い張りがある貼り方と、まったく張りがない貼り方のグループでは、座った状態での左側片方の前屈テストの記録が良くなった。

なぜ貼り方の違いは即時効果に影響しなかったのか?

今回の研究では、キネシオテーピングの貼り方の違いだけでは腰の痛み、また、腰の柔軟性に即時効果に違いがでるとは考えにくいという結果でした。

伸縮性が特徴的なキネシオテーピングですが、今回の研究のように、明らかな原因のない腰痛の場合では、伸縮性の違いではなく、テーピングそのものにより皮膚を通して、腰痛により機能が低下している筋肉へ刺激を与えることで、機能改善を目的とすることのほうが大切なため、今回のような結果になったのかもしれません。ただし、キネシオテープが筋肉や身体機能にもたらす作用には様々な説があり、正確な効果を知るためには更なる研究が必要とされています。

キネシオテーピングを貼る時に大切なこと

腰痛に対してキネシオテーピングは様々な場面で使われていますが、貼り方の違いだけでは、目に見えるほどの即時効果は期待できないのかもしれません

キネシオテーピングを貼る際にはテーピングの張りの強さよりも、どれだけ正確に筋肉に沿って貼れるかの方が大切なのかもしれません。

キネシオテーピングは主に整形外科にいる理学療法士や、整骨院・接骨院にいる柔道整復師が得意としていることが多いです。また、キネシオテーピング協会が認定している資格を取得している専門家に行ってもらうのが良いかもしれません。

(宮本 望都喜)


▼ 参考文献
タイトル:Immediate and Short-Term Effects of Kinesio Taping Tightness in Mechanical Low Back Pain: A Randomized Controlled Trial
雑誌名:PM R. 2017 Jun 8. pii: S1934-1482(17)30627-5.
[PMID: 28602935]

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