腰部脊柱管狭窄症の概要と自己管理とは!?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター諸麥友博 / 理学療法士 / 第1種衛生管理者 / 作業管理士

腰部脊柱管狭窄症

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【記事のポイント】
1. 腰部脊柱管狭窄症とは、背骨の隙間が狭くなってしまう病態のこと.
2. 特徴を理解することで、自己管理が可能に.
3. 腰の反りすぎを改善するために股関節の筋肉の柔軟性が重要.

歩いているとだんだん足が重だるくなったり、痺れたり、痛くなったりして動けなくなる。でも座って休憩したらまた歩けるというような症状を経験したことはないでしょうか。
これは”腰部脊柱管狭窄症”の代表的な症状です。腰に関わる病気はいろいろなタイプがあり、タイプにあった対策を行わないと逆に症状が悪化してしまうこともあります。
ここでは腰部脊柱管狭窄症について、その概要と自己管理としてできる対策を解説していきます。
どうすれば足の痺れや重だるさが軽減して長い時間歩ける(動ける)ようになるのでしょうか。そのためには、脊柱管狭窄症の特徴を理解し、正しい対策を行うことが大切です。

腰部脊柱管狭窄症とは?

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腰の骨の後ろには脊柱管という神経の通り道があります(上図の空洞部分)。脊柱管狭窄症は、この脊柱管が、骨の変形や腰の靭帯が分厚くなったりして狭くなることで神経症状(痺れや痛みなど)が出現します。
実は、脊柱管狭窄症は様々な疾患や病態が混ざっています。というのも、脊柱管が通常より狭くなり、神経を圧迫するような状態であれば広い意味では脊柱管狭窄症に分類されるからです。
脊柱管が狭くなる理由として、加齢に伴い骨や靭帯が徐々に変形してくる場合もあれば、腰の骨を骨折した後に、治る過程で骨が変形するなど色々な理由があります。
そのため、脊柱管狭窄症は一つの疾患というよりも、様々な腰の疾患に見られるものとして考えた方が適当といえます。

脊柱管狭窄症の症状の特徴

脊柱管狭窄症に特徴的な症状は”間欠性跛行”というものです。
間欠性跛行とは歩くときに出現する症状で、歩いていると脚の痛みや痺れが強くなり、一時的に歩くのが困難になるものの、体を前にかがめたり、しゃがみこんだりすれば、また歩くことができるというものです
つまり脊柱管狭窄症は立っていたり、歩いていたり、腰を反ると、脊柱管が狭くなることで症状が悪化し、体を前に屈めたり、座っていると脊柱管が広くなり、楽になる傾向があるのです
脊柱管狭窄症はレントゲンで大方予想はできますが、実際に神経が圧迫されているかどうかはMRIを撮影してみなければわかりません。

症状をコントロールするためにできること

基本的には、腰を反らしすぎないように注意することが大切です(一部、腰を反らせるような運動をしても良い例があります)。腰をそらすことで、神経症状として足の痺れや痛みが出現する可能性が高くなってしまいます。ここでは、腰部脊柱管狭窄症が疑われた際に症状をうまくコントロールする方法を説明していきます。

股関節の前側を柔らかくする!お腹の筋肉を締める!

股関節は腰のことを理解する上でとても重要です。
股関節の前側の筋肉が硬くなると、勝手に骨盤は前に傾いてしまいます。立ち姿勢でいうと、お尻を突き出して腰を反ったような姿勢になるということです。
これは腰部脊柱管狭窄症の症状を強くしてしまう“腰を反った”姿勢になっている可能性があります
そのため、股関節の前側の筋肉の柔軟性を改善し、“骨盤を後ろに倒せるようにする”ことが腰部脊柱管狭窄症に随伴する症状を改善させるために必要です。

対策としては、
■ 股関節の前側(骨盤に手を当てた際に触れる骨の内側くらい)を親指で円を描くようにマッサージしてあげること(正しい部位は”腸腰筋(ちょうようきん)”という筋肉になりますが、医学的な知識がないと難しいため、最寄りの医療機関等で腸腰筋のストレッチ方法を聞くこともお勧めします)。
強さに関しては痛くなく我慢できる程度、肩に力が入らない程度で実施してあげてください。

■ 座った状態で自分のおへそを見るように骨盤を後ろに傾けること。
ポイントは息を吐きながらすることと、おへそを背中にくっつけるようなイメージを持つことです。
息を15秒から20秒かけて長くゆっくりと吐きながら、下腹に力を入れて自分のおへそを見ます。
これをゆっくりと10回、1日に2〜3回やってみましょう。

腰部脊柱管狭窄症の症状をコントロールするためには、骨盤を後ろに倒すような運動を自身でコントロールできるようになることが重要です。
日常生活では、歩いていて、足の痛みなどが出てきたら、我慢せず、適時休憩をこまめにとることも重要です。

(諸麦友博)


▼参考文献
タイトル:Passive hip range of motion is reduced in active subjects with chronic low back pain compared to controls.
雑誌名:Int J Sports Phys Ther. 2015 Feb;10(1):13-20.
[PMID: 25709858]

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