腰痛の人の腰・骨盤の動きはどうなっているのか?!

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライターMotoki Miyamoto / 理学療法士

腰痛の人の腰と骨盤の動き

(c) mangostock - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. 腰痛を持っている人は、持ってない人に比べて腰の動きに違いがある!
2. 腰の動く範囲、腰を動かす速さ、腰の動きを感知する能力に異常がある!
3. 腰の動きをチェックすることは腰痛改善に役立つ指標になるかもしれない!

医療者が腰痛の方を検査する際に腰の動きを調べる事があります。これは腰と骨盤の動きを正常な状態に戻すことで腰痛の改善に繋がることがあるからです。

今回ご紹介する研究では、過去に行われた、腰痛を持っている人と、持ってない人の腰の動きの違いの研究結果がまとめられました。

過去の文献データベースを調査

調査は、文献データベースから2014年1月までに行われた研究の結果を集める方法で行われました。

腰の動かせる範囲腰を動かせる速さ腰の動きを感知する能力直立姿勢での骨盤の傾斜角度(傾き)、腰椎−骨盤リズム(前かがみや、腰を反らす際に、腰だけではなく、骨盤も合わせて傾くことを指す)などに違いがあるかどうかを比較した43の研究結果がまとめられました。

腰痛を持っている人と、持ってない人の腰・骨盤の動きの違いとは?

以下の結果が得られました。
腰痛を持っている人は、持っていない人に比べて:


■ 腰を動かせる範囲が小さい
■ 腰を動かす速さが遅い
■ 腰の動作を感知する能力が低い
■ 直立姿勢での骨盤の傾斜角度に違いは見られなかった
■ 腰椎−骨盤リズムに違いは見られなかった

腰の動きが低下していた!

調査の結果から腰痛を持っている人は、持っていない人に比べて腰の動きに違いがあるということが分かりました。

特に、腰痛を持っている人は、腰を動かせる範囲が小さく腰を動かす速さが遅く腰の動きを感知する能力が低いという3つの違いが示されました。

腰の動きを改善しよう!

今回の調査では、腰の動きの違いが腰痛の原因になったのか、それとも腰痛を発症した結果として違いが生まれたのかは示されませんでした。そのため、腰の動きを直すことで腰痛が改善すると断定することはできません。

しかしながら、腰痛で腰の動きが低下してしまうと、腰の周りの血流が低下し、筋肉が硬くなり、痛みが悪化する可能性は否定できません。

そのため、腰の動きをチェックしてみて、腰が動きずらさを感じる方は、痛みの範囲内で少しずつ腰の動きを改善する運動をしてみるのも良いかもしれません。

以下に腰の動きを改善する運動をご紹介します。

◆骨盤運動◆
① 背中を伸ばして椅子に浅く座り両手を骨盤に当てます。
② ゆっくりと背中を反らせながら、両手で骨盤を前方に回転させます(おへそを前に出し胸を張るイメージ)。
③ ゆっくりと背中を丸めながら、両手で骨盤を後方に回転させる(おへそを引っ込めて猫背になるイメージ)。

腰椎・骨盤のエクササイズ

(c) Photographee.eu – Fotolia.com

痛みの出ない範囲からはじめ、徐々に動く範囲を大きくしていきましょう。
回数は1日に10回×3セット程度から始めてみてはいかがでしょうか。

(宮本望都喜)


▼ 参考文献
タイトル:Comparing lumbo-pelvic kinematics in people with and without back pain: a systematic review and meta-analysis.
雑誌名:BMC Musculoskelet Disord. 2014 Jul 10;15:229.
[PMID: 25012528]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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