マインドフルネスの方法7選を学んで、腰痛を改善しよう!

腰痛対策マインドフルネスの方法

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【記事のポイント】
1. マインドフルネスを促す代表的なプログラムに、MBSRとMBCTがある。
2. MBSRは複数のエクササイズで構成された8週間のプログラムである。
3. マインドフルネスの効果を実感するには、毎日継続的に取り組むことが大切である。

前回の記事(「新腰痛対策マインドフルネスによくある3つの誤解|臨床心理士が解説」)では、「マインドフルネスとは何か?」という、マインドフルネスに対する理解を深めるための内容をご紹介しました。まだ前回の記事をご覧でない方は、読んでから本記事を読むことをおすすめします。なぜなら、方法論だけを学び、マインドフルネスを正しく理解しないで実践すると、かえって逆効果になることもあるからです。

マインドフルネスを正しく理解したら、後は実践あるのみです。そこで今回は、実際に慢性腰痛をはじめとする、慢性の痛みの対策として、マインドフルネスがどのように行われているかをご紹介していきます。

マインドフルネスを促す代表的なプログラム

慢性の身体的な痛みに対して実施されているマインドフルネス・プログラムには、大きく次の2種類があります。

■ マインドフルネスに基づくストレス低減法(Mindfulness-based stress reduction; MBSR, Kabat-Zinn, 1990)
■ マインドフルネスに基づく認知療法(Mindfulness-based cognitive therapy; MBCT, Segal, Williams, & Teasdale, 2002)

今回は、このうち、マインドフルネスの慢性腰痛に対する有効性を示した最新の研究(「マインドフルネスの腰痛に対する効果-最新の知見から-」)で調査対象となった7つの研究で使用された、MBSRについてご紹介します。

マインドフルネスはどんな人におすすめか?

ちなみに、この後ご紹介するマインドフルネスのエクササイズは、


① 腰痛の原因がはっきりしない方
② 腰痛の原因はわかっているけれど、どんな治療を受けても腰痛が良くならない方

によくお勧めされます。

なぜなら、こうした方々は、「なぜ良くならないのか」「どうしたら痛みが消えるのか」という考えや、今後に対する不安や恐怖でいっぱいになっていることが多く、そうした考えや気持ちが腰痛を維持・悪化させている可能性があるからです。

ですので、もしご自身がそのような状態にあると思われる方は、ぜひこのマインドフルネスのエクササイズを試してみてください。

マインドフルネスに基づくストレス低減法(MBSR)とは?

特徴

MBSRは、ストレス関連障害のような精神疾患だけでなく、慢性疼痛、高血圧、頭痛、といった身体的な問題についても対処することを目的として開発されました。

基本的には、毎週1回(1回2時間半~3時間程度)、8週間にわたって実施されます。
実施の形式としては、複数の患者さんで構成されたグループ形式(30名程度)で実施されることが一般的です。

MBSRの代表的な7つの方法

MBSRには、次のような様々なマインドフルネス・エクササイズが含まれています。

1.食べる瞑想(レーズン・エクササイズ)

まず、一粒のレーズンを手のひらに置き、外見やにおい、感触を観察します。次に、レーズンを口の中に入れ、舌の上で転がし、味や食感、においを観察します。最後に、レーズンをゆっくりと何度か噛んでから飲み込みますが、このときも、レーズンがどのように変化していくかを観察します。

なお、このエクササイズは、レーズン以外で行ってもかまいません。グミやチョコレートなどのお菓子や、野菜や果物、ご飯など…食べ物を変えて、その食感の違いを味わってみると、色々な発見があって面白いかもしれません。

2.呼吸法

仰向け、もしくは椅子に座った姿勢で、ゆっくりと腹式呼吸を行います。決まった秒数はありませんが、目安として、4秒くらいかけて息を吸い、7秒くらいかけて吐き出しましょう。

その際、空気が鼻から入る様子腹部が膨らむ様子に注意を向け、呼吸のパターンを観察します。最初は目を閉じて行うと、お腹の状態を意識しやすくなります。

3.静座瞑想法

頭・首・背筋を一直線にし、座って実施します。呼吸法と同様に、最初は目を閉じて行うほうがやりやすいでしょう。

上記のような体勢がとれたら、まずは腹式呼吸を行い、呼吸に注意を向けます。そして、呼吸に注意が向いたら、聞こえてくる音頭に浮かぶ考えにも注意を向けます。

ただし、この際、何か特定の考えに没入してしまわないよう気をつけましょう。目の前に横たわる道路を走る車を一台ずつ眺めるように、「こんな考えがある…あ、こんな考えもある」というふうに、一つひとつの考えを見送るように眺めてください。

4.ボディー・スキャン

まず、仰向けになり、呼吸に注意を向け、全身で呼吸をするイメージをします。目を閉じたほうがイメージしやすい方は、目を閉じて行ってください。

次に、呼吸に合わせて、CTスキャンを受けているようイメージで、身体の様々な部位に順に注意を向けます。(例:左足→右足→腰→腹→背中→胸→肩→首→喉→顔→後頭部→頭の先)

5.ヨーガ瞑想法

まず、仰向けになり、呼吸に注意を向けます。次に、様々なポーズをとり、腹部の呼吸に注意を向けながらポーズを保ちます。ポーズをとっている間、身体の色々な部分に注意を向けます。

どのポーズでなければいけない、という決まりは特にありません。身体の各部位を意識して、腰に負荷がかかりすぎない範囲で、ゆっくりと手足を曲げ伸ばししてみてください。

参考までにヨガのポーズの動画を一つご紹介します。

6.歩行瞑想法

一歩一歩に意識を集中して歩きます。特に、足の裏が地に接触する感覚や、全身の感覚に注意を向けて歩きます。目的地は設定せず、部屋の中をぐるぐる回ったり、道を行ったり来たりします。

歩く速度に決まりはありませんが、ゆっくり歩くと注意を向けやすくなります(最初は、一歩に10~20秒かけるくらいの速度で行ってください)。

7.日常瞑想訓練

毎日行う日課的な活動の中から、訓練の対象とする行動(例:歯磨き、シャワー、身体を拭く動作、服を着る動作、食事、皿洗い、歯磨き、洗顔、運転)を選び、その行動に意識を集中させます。

このとき、何らかの感覚、考え、気持ちが生じたら、それにも気づきを向けます。ただし、もし行動から注意がそれたら、そのことに気づき、もとの行動に戻ります。

スケジュール

MBSRでは、こうしたエクササイズを、毎日以下のように組み合わせて実施していきます。


<第1・2週>
ボディー・スキャン(45分)、呼吸法(10分)、日常瞑想訓練
<第3・4週>
ボディー・スキャンかヨーガ瞑想法(45分)、呼吸法(15~20分)、日常瞑想訓練
<第5・6週>
正座瞑想法(45分)、ヨーガ瞑想法(一日おきに45分)(ボディー・スキャンでも可)
<第7・8週>
静座瞑想法、ヨーガ瞑想法、ボディー・スキャンなどを組み合わせて行う(45分)

このスケジュールは実施しやすいものから構成されていますので、まずはこのような順番で7つのエクササイズのすべてに取り組むと、効果を実感しやすくなると思います。

ただし、このスケジュールにきっちりと従うことが重要なわけではありません。7つのエクササイズを一通り体験したら、その中から、自分に合うと感じられるエクササイズを継続して行ってみましょう。

マインドフルネスの効果を実感するには

マインドフルネスは、いつでも、どこでも気軽にはじめられる取り入れやすさから、近年、日本の腰痛治療の領域でも徐々に取り入れられるようになってきました。

しかし、残念ながら、現在のところ、マインドフルネス・エクササイズを数回行うだけで、腰痛や気分が改善したことを示す研究はありません。マインドフルネスを身につけ、その効果を実感するには、MBSRのように、少なくとも2、3か月は、毎日継続して注意を向ける練習をする必要がありそうです。

まずは、たとえば、「毎日寝る前に15分」と、一日の中でエクササイズを行う時間を決め自分に合ったマインドフルネス・エクササイズから継続的に取り組んでみましょう。

(坂野朝子)


▼ 参考文献
Kabat-Zinn, J. (1990). Fullcatastrophe living: Using the wisdom of your body and mind to dace stress, pain, and illness. Delacorte Press.
Segal, Z. V., Williams, J. M. G., & Teasdale, J. D. (2002). Mindfulness based cognitive therapy for depression: A new approach to preventing relapse. New York: Guilford Press.

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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