MRIで異常があるからといって腰痛が再発しやすいとは限らない!ー10年間の追跡調査よりー

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター田中献人 / 理学療法士

MRI pic of LBP

(c) Dimco - Adobe Stock

【記事のポイント】
1. 過去に腰痛があった人のうち、約7割が10年以内に腰痛を再発していた。
2. MRIの異常所見があるからといって、必ずしも腰痛を再発する可能性が高くなる訳ではなかった。
3.腰痛の再発予防には、運動習慣をつけることが重要である。

腰痛に悩まされている方の中には、病院でMRIを撮ってもらった時に「腰の椎間板が変形している」「MRIで腰の骨に異常が見つかった」と言われたことがある方も多いと思います。

こういった方の中には、「MRIで異常があるなら、この先もずっと腰痛に悩まされ続けるんじゃないか?」と思われた人もいるかもしれません。

そこで今回は、この疑問に対して「MRIでの異常所見で、腰痛の再発を予測できるのか」を調べた研究結果を紹介します(参考文献①)。

過去に腰痛を経験したことがある49名を10年間にわたり調査

この研究では、過去に腰痛があり、直近1ヶ月では腰痛を感じていない中高年の方を対象としました。

対象者に対して、調査開始時にMRIを取り、異常所見(背骨や、クッションの役割を担う椎間板の変形)の有無を調べました。

その10年後に、腰痛の再発の有無を調査し、「MRIの異常所見」と「腰痛の再発」の関係を調べました。そして、「腰痛の再発」があった人と無かった人で、「MRIの異常所見」の割合が違うか確認しました。

70%以上の参加者が腰痛を再発していた!

調査終了後、10年間の調査に参加した49人のうち、70%以上にあたる36人もの人の腰痛が再発していたことがわかりました。

「腰痛が再発しなかったグループ」の大半の人も、10年前のMRIに異常所見が見つかっていた!

「腰痛が再発した人たちのグループ」と「再発しなかった人たちのグループ」の間でMRIの異常所見(背骨と椎間板の変形)が見られた人の割合を比較すると、グループに関係なく大半の人に異常所見が見つかっていたことが明らかになりました。

腰痛が再発したグループ

この結果から、MRIの異常所見だけで腰痛の再発を予測することは難しいと考えられます。

また、別の研究では、背骨や椎間板の変形は、程度の差はあれど、加齢に伴って、シワや白髪が増えたりするのと同様に、誰にでも生じうる正常な加齢性の変化であることが分かっています(参考文献②)。

したがって、背骨や椎間板の変形がMRIで見つかったからといって、「自分の腰痛はこの先ずっと続くのかもしれない」と特別に不安に思う必要はないかもしれません。

腰痛の再発を予防するためには運動習慣が重要

MRI上で異常所見の有無にかかわらず、腰痛が再発する可能性があるのならば、「腰痛を再発させにくくするには、どうしたらいいの?」と思いますよね。

確かに、この研究で明らかになったように、そもそも腰痛が再発する可能性は低くはありません。しかし、再発のリスクを減らす方法もちゃんとあります。それは、”運動習慣”を付けることです。

治療によって腰痛が治った後も運動を継続していた人は、何もしなかった人よりも、腰痛の再発リスクが半分になったという研究結果があります。
(参考:何度も再発するしつこい腰痛の対策方法とは!?

運動習慣といっても、いきなり激しい運動をする必要はありません。まずは、ウォーキングやブレーシングなど、ご自身にあった軽い運動から始めてみましょう。
(参考:腰痛が再発しやすい方に朗報!ブレーシングが効果あり!

(田中献人)


▼ 参考文献①
タイトル:The Associations Between Magnetic Resonance Imaging Findings and Low Back Pain: A 10-year Longitudinal Analysis
雑誌名:PLoS One. 2017 Nov 15.
[PMID:29141001]
▼ 参考文献②
タイトル:Systematic literature review of imaging features of spinal degeneration in asymptomatic populations.
雑誌名:AJNR Am J Neuroradiol. 2015 Apr;36(4):811-6.
[PMID:25430861]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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