病院で腰痛の原因が腹筋と背筋のバランスと言われた!どういうこと?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター近藤 悟司 / 理学療法士 / Spine Dynamics認定療法士

(c) undrey - Fotolia.com

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【記事のポイント】
1. 腹筋と背筋のバランスが悪い姿勢とは?
2. 体幹の筋肉は腹筋と背筋だけではない!
3. バランスを良くするために必要な運動を紹介

腰痛で病院や整骨院、整体に通院した時に、「腹筋と背筋のバランスが悪いの原因だね」と言われたことはありませんか?

では具体的にバランスが悪いと言われ、何をすればいいのかわかりますか?また何を見て、バランスが悪いと言われてしまったのかわかりますか?

今回は腹筋と背筋のバランスを考える時に必要な「体幹」の説明と、特徴的な姿勢、改善するための運動方法について解説していきたいと思います。

腹筋と背筋のバランスは姿勢でわかる!

腹筋と背筋のバランスが悪いと言われると、多くの方は腹筋と背筋の筋力のバランスが悪いことをなんとなくイメージするのではないでしょうか?大まかな意味では間違いではありません。

では、このバランスが悪いと言った人は実際にあなたの腹筋と背筋の筋力をチェックしたのでしょうか?多くの医師や治療家はわざわざチェックをしないと思います。

そこで何を見て判断しているかというとその人の姿勢を見ています。そして多くの場合は背筋に対して腹筋の筋力が弱い時にバランスが悪いと表現されます。

背筋に対して腹筋の筋力が弱い人は立ち姿勢が反り腰になります。お尻が後ろに突き出て反り腰になっているタイプと、下っ腹が前に出て(ビール腹)腰が反っているタイプがあります。

両者とも腹筋が弱く、背筋の力が強く、背筋への負担がかかりやすい姿勢となっています。この2つのタイプの違いはお尻が後ろに突き出てしまうタイプは腹筋が弱いことに加えて、お尻の筋肉も弱いことが考えられます。ビール腹の人は逆にお尻の筋肉が硬いことが考えられます。

また少数派ですが、背筋に対して腹筋が強い人もいます。先ほどと逆で腰が曲がっている人がこのタイプに当てはまるかと思いますが、腹筋が強いというよりは、腹筋がガチガチに硬くて、腰が反れない人に多いように思います。

体幹の筋肉は腹筋と背筋だけではない!

「体幹」は現在ではスポーツ選手が注目していたり、ヨガやトレーニングにも取り入れられ、浸透してきた言葉かと思います。

体幹とは四肢(両手・両足)と頭を取り除いた胴体のことを指し、トレーニング時に言われる体幹はインナーユニットのことを指しています。このインナーユニットとは腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群、横隔膜という筋肉で構成されていて、良い姿勢を保つのにはこれら4つの筋肉の作用が必要となります。

腹横筋は前、多裂筋は後ろ、骨盤底筋は下、横隔膜は上に位置し、この四方から固められることで体幹は安定し、腰が伸びた良い姿勢を保つことができます。つまり腹筋と背筋だけでは前後からしか固定されないので、厳密には体幹は不安定です。

骨盤底筋群の弱さはどう見極める?

骨盤底筋群はお腹や内臓を下からハンモック状に支えていて、縁の下の力もち的な存在です。

この筋肉が弱っているかどうか見極める代表的な例としては「尿漏れ」です。

少し恥ずかしいように思いますが、何も珍しいことではありません。特に妊婦さんや出産後の方に多いです。妊娠中は胎児の重さによりこの骨盤底筋群が引き伸ばされていますし、出産時には骨盤底筋を断裂してしまいますので、この骨盤底筋群の筋力が低下しやすくなります。

横隔膜の弱さはどう見極める?

横隔膜は呼吸をするために重要な筋肉で、「腹式呼吸」をする時に大きく作用します。

そのため、呼吸をしている時に胸が動く、肩で呼吸をしているような人は腹式呼吸ができていないため、横隔膜の筋力が低下していると推察できます。

また肋骨下角という左右の肋骨の間の角度は正常であれば70度ほどですが、これより角度が大きい場合は腹式呼吸が苦手な人かもしれません。

バランスを良くするための体幹運動

バランスを良くするための体幹運動を紹介します。

①フロントプランク(腹横筋と横隔膜、骨盤底筋群)

・基本姿勢
第1段階はうつ伏せで両腕と両膝で体を支えます。両腕と両膝は肩幅に開き、肘が90度曲がっている位置で止めるようにしましょう。
この時のポイントは
◆ 横から見た時に姿勢がまっすぐなこと
◆ お腹を凹ませるように力を入れること
◆ 横隔膜を同時に鍛える場合は、この姿勢で腹式呼吸をしましょう
◆ 骨盤底筋群を同時に鍛える場合は、この姿勢で肛門を引き締め、尿を我慢するように力を入れましょう

第2段階は両腕とつま先で体を支えます(下の写真)。その他は第1段階と同様です。

フロントプランク

(c) Monet – Fotolia.com

この姿勢を最低30秒×3セット保てるようにトレーニングしましょう。

②ヒップリフト(多裂筋と横隔膜、骨盤底筋群)

・基本姿勢
仰向けで寝て、足が膝の真下に位置するように膝を曲げます。
ここからお尻を持ち上げ、体と太ももが一直線になったところで姿勢を保ちます。
◆ 足が遠い位置にならないようにする
◆ 横隔膜を同時に鍛える場合は、この姿勢で腹式呼吸をしましょう
◆ 骨盤底筋群を同時に鍛える場合は、この姿勢で肛門を引き締め、尿を我慢するように力を入れましょう。

この運動も同様に30秒×3セット実施するようにしましょう。

以上2つの運動を紹介しましたが、ポイントは体幹を安定させる4つの筋肉を同時に働かせることです。そのため腹筋に力を入れながら横隔膜、骨盤底筋群に力を入れると言ったように同時に2つ以上の筋肉を使うようにします。こうすることでインナーユニットの安定化が図られ、体幹のバランスが良くなり、背骨をまっすぐ綺麗に保つことができます。

最後に

簡単に腹筋と背筋のバランスが悪いと言われた人はなぜ悪いのか?悪いとどうなのか?よくわからなかった方も多いと思います。

今回の記事で説明した姿勢で、自分はどの姿勢に当てはまっているか、もしくは4つの筋肉の力をそれぞれチェックしてみて力が入りにくい部分のトレーニングをするようにしてみてください。

(近藤悟司)

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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