あなたの腰痛、そのままにしておくとどうなる!?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター坪井大和 / 理学療法士 / 修士号(保健学)/ 日本学術振興会 特別研究員 / メディア編集長

腰痛の女性

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【記事のポイント】
1. ギックリ腰は発症後1ヶ月以内に急激に改善する.
2. 60%の人は、12ヶ月以内に腰痛を再発する.
3. 発症の原因を解決することのほかに、運動や活動性を維持することが予防対策として重要.

腰痛はほとんどの人が一生のうちに一度は経験をする症状と言われています。日本では、4人に1人が腰痛に悩まされていると推計されています。
腰痛の経過は、発症してすぐ治るものや、長く続くもの、何度も繰り返し起こるものなど多岐に渡ります。

今回は、一般的に、”腰痛は発症してからどのような経過をたどるのか”ということを調査した研究をご紹介します。

腰痛の自然経過

今回の研究では、2002年までに公開された急性腰痛や坐骨神経痛の自然経過について報告された研究が検索され、ある一定の基準を満たした15の研究の結果についてまとめられました。
腰痛に関して、痛みの程度、腰痛による機能障害、復職の情報が収集されました。

ギックリ腰は急激に改善する

発症して間もない急性腰痛(ギックリ腰)は、1ヶ月以内に急激に改善することが明らかとなりました。
具体的には、痛みの程度が58%減少、腰痛による機能障害も58%減少していました
また、発症後休職していた人の82%が復職していました。さらに発症3ヶ月までの経過を見てみると、腰痛の緩徐な改善がみられました。その後の経過は横ばいとなりました。

12ヶ月以内に約7割の腰痛は再発する

急性腰痛を経験した人の経過を追ってみると、急性腰痛を有した患者の73%は過去12ヶ月間の間に腰痛を再発していることが明らかとなりました。

これまでの情報をまとめると、発症して間もない急性腰痛は発症後1ヶ月で急激に改善するものの、約7割は12ヶ月以内に腰痛を再発することが分かりました。そして、3ヶ月以上経過してしまうと、自然経過では改善しにくい可能性が示唆されました。

今回の研究では、急性腰痛のほとんどは治りやすく、恐れるものではないことが明らかになりました。
しかし、3ヶ月以上経過すると改善しにくいことや、再発しやすいことを考えると、もともと発症した原因の改善や予防対策が重要であると考えられます。

腰痛の予防をするために何をすべきか

それでは、腰痛の発症や慢性化の予防をするために、できることは何があるのでしょうか。

1. 運動療法

腰痛の予防体操をする女性

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運動療法とは、リハビリでよく行われるもので、簡単に言ってしまえば、運動することで腰痛が予防できるということです。
過去の研究報告から、運動の中でも、特に『腹筋・背筋の筋力トレーニング』『ストレッチ』『持久力訓練』に、腰痛”発症”の予防効果が認められています。

さらに、運動療法は、妊娠中の女性の腰痛の程度を軽減する効果があることが報告されています。
その運動プログラムは、『エアロビック運動(有酸素運動)』『骨盤底筋訓練』『ストレッチ』『(呼吸法などの)リラクゼーション』でした。
ただし、妊娠後の腰痛の程度に関しては、運動をすることによる効果が望めるとは言い切れないのが現状です。
そのため、妊娠中からの腰痛予防の対策が重要だと考えられます

2. 活動性(日々の歩数など)の維持

腰痛対策としてのウォーキング

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腰痛を発症すると、痛みが強く、安静にしがちになります。医療機関を受診すると『痛みが楽になるまで、しばらく安静にしておきなさい』などと声をかけられることもあるかと思います。

しかし、腰痛の発症後、活動性を維持することは腰痛再発のリスクを低減させる効果が認められています。痛みの程度に応じて、家事をするなど、活動性をできる限り維持することで、腰痛の再発予防になります。

職業上の業務が原因で腰痛になった場合も、活動性を維持すること、さらに、早期に職場復帰することが、腰痛の再発予防に効果的であることが報告されています。

ギックリ腰など、急性の強い痛みに襲われて、入院、自宅安静ということもありますが、できる限り、日々の活動性を維持して、早期に職場に復帰することが、腰痛の再発予防として最も重要です。

3. その他の対策

その他、『予防としてコルセットは有効か?』などの検討もされていますが、コルセットについては、明らかに腰痛予防効果があるとは報告されていません。

そのため、まずは日々の日常でできることは、日々の活動性を維持しながら、痛みの程度に合わせた運動を行なっていくことです。
運動をすることで、腰痛の発症・再発・慢性化の予防が可能になりますので、まずはできることから始めてみましょう。

(坪井大和)


▼参考文献
Acute low back pain: systematic review of its prognosis.
BMJ. 2003 Aug 9;327(7410):323.
[PMID: 12907487]

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