副作用を考慮しても、NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)は慢性腰痛に効果的?

NSAIDsの慢性腰痛への効果

(c) cassis - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. NSAIDsは慢性腰痛に効果的な側面が認められる。
2. しかし副作用や個人差などを考慮すると、慢性腰痛にハッキリと効果のある薬であるとは言い難い。
3. 薬に頼らない、運動などの治療法を検討していくことも大切である。

腰痛で病院を受診した際、ロキソニンに代表されるような”NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)”を処方された方も多いと思われます。

以前、「慢性的な腰痛に痛み止めは効果的なのか!?」という記事でご紹介した様に、慢性腰痛に対してNSAIDsは有効であると報告されています。

一方、NSAIDsには腹痛や吐き気、めまいなどの副作用が報告されていますが、前回の研究では、その副作用を考慮していない結果となっていました

そこで副作用の観点を考慮した上での、NSAIDsの慢性腰痛に対する効果の再検証が行われ、その結果が有名医学雑誌JAMAにて発表されましたので、ご紹介します。

NSAIDsは慢性腰痛に効くのか?

今回の研究は、前回の研究を元に副作用の観点を加えて再解析し、本当にNSAIDsは慢性腰痛に効果的であるのかを再検討したものです。

前回同様、NSAIDsと慢性腰痛の関係性を調査した質の高い研究13本がレビューされました。

NSAIDsは慢性腰痛に効果的であった

調査の結果、前回の結果と同様、NSAIDsを使用した方々は、NSAIDsの代わりに痛み止めの有効成分を含まない薬(偽薬)を使用した方々と比較して、有意に慢性腰痛の痛みや日常生活上の障害が改善していました。

しかし、副作用などの影響を考慮するとNSAIDsが慢性腰痛に効果的とは言えなかった

一方、副作用など慢性腰痛の改善に影響を与えると考えられる要因を考慮すると、前述したNSAIDsの慢性腰痛に対する効果は、有意なものとは言えなくなってしまいました

以上のことから、確かにNSAIDsは慢性腰痛に効果的な側面はありますが、薬の副作用や個人での効果の違いもあるため、ハッキリと慢性腰痛に効果のある薬であるとは言い難いと考えられます。

薬に頼らない治療法を検討することも大切

ロキソニンなどのNSAIDsは、痛みにダイレクトに効果があることや、比較的手に入りやすいことからも、腰痛が辛くて何も手につかないような時にはついつい頼ってしまうかもしれません。

しかし、今回の研究報告のようにその効果には個人差が大きいことや、前回の記事でも触れたように長期間の使用による副作用の報告もされていることから、慢性腰痛の根本的な改善には繋がりません

「最新の医学的根拠から推奨される「クスリに頼らない腰痛対策」とは!?」の記事でもご紹介した様に、マインドフルネスやヨガなどの運動は慢性腰痛に対してある程度の効果が期待出来ることが報告されていますので、薬に頼らない治療法を検討することも大切かもしれません。

(鈴木祐介)


▼ 参考文献
タイトル:NSAIDs for Chronic Low Back Pain.
雑誌名:JAMA. 2017 Jun 13;317(22):2327-2328.
[PMID: 28609520]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
  • *本サービスにおける医療従事者等による情報の提供は、診断・治療行為ではございません。そのため、本サービス上の情報や利用に関して発生したいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねますことをご了承ください。なお、診断・治療を必要とする方は、適切な医療機関にて受診いただきますことをおすすめいたします。

SNSで購読

こちらも読まれています