肥満が腰のクッションに与える影響

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター坪井大和 / 理学療法士 / 修士号(保健学)/ 日本学術振興会 特別研究員 / メディア編集長

腰痛と肥満の関係

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【記事のポイント】
1. 背骨には椎間板という背骨にかかる負担を和らげるクッションが存在する.
2. 肥満の人の椎間板はそうでない人の椎間板よりも薄くなっていた.
3. 運動習慣をつけることで肥満も腰痛も予防しよう!

人の背骨には椎間板という背骨にかかる負担を和らげるクッションが存在します。
椎間板に異常をきたすと、椎間板ヘルニアや椎間板性腰痛といった椎間板に起因する腰痛になりやすくなってしまいます。
今回紹介する研究では、肥満があると、椎間板という部分が押しつぶされて、薄くなっている可能性が示されました。

肥満と椎間板の厚さ

研究には72人が参加し、各対象者にMRI撮影を行い、腰の骨(腰椎)の周囲を撮影しました。
腰椎は第1腰椎から第5腰椎の5つの背骨で構成され、各腰椎の間にある椎間板の厚さが測定されました。
そして、これらの椎間板の厚さが肥満の人とそうでない人で異なるかどうかが検証されました。
また、過去2週間に腰痛のあった人となかった人での椎間板の厚さに違いがあるかも検証されました。

肥満と椎間板の高さの関係とは

肥満の人の椎間板の平均の高さは1.04cmであり、肥満でない人の1.14cmよりも薄くなっていました。
また、腰椎椎間板全体の厚さも、肥満の人では4.16cmであり、肥満でない人の4.57cmよりも薄くなっていました
これらの結果は、年齢や性別、身長を考慮した上でも、同様の結果でした。

腰痛と椎間板の高さの関係とは

年齢や性別、身長を考慮した上でも、腰の部分において、腰痛がある人の方が平均の椎間板の厚さが0.09cm、椎間板全体を合計した厚さが0.37cm薄くなっていました。しかし、体重を考慮すると、腰痛の有無での椎間板の厚さに違いは認められなくなりました。

肥満になると椎間板が潰れやすくなるかもしれない

今回の研究結果から、肥満の人は腰のクッションの働きをする椎間板が潰れてしまっていることが明らかとなりました。
『肥満は腰痛に関連するか』でお伝えしたように、現在のところ、肥満と腰痛の関連はあるとはされていません。しかし、腰痛にも様々な種類が存在し、原因はそれぞれ異なります。そのため今後、肥満が椎間板異常に起因する椎間板ヘルニアや椎間板性腰痛といった腰痛と関連しているという報告はされてくる可能性もあります。肥満の改善と腰痛の改善が同時に行える方法として有酸素運動があります。『腰痛を予防するために必要な運動とは』でお伝えしているように、運動習慣が最も大切です。できるところから、運動習慣をつけていき、肥満も腰痛も予防していきましょう!

(坪井大和)


▼参考文献
タイトル:Obesity is associated with reduced disc height in the lumbar spine but not at the lumbosacral junction.
雑誌名等:Spine (Phila Pa 1976). 2014 Jul 15;39(16):E962-6.
[PMID: 24825160]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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