腰の手術をする前に知っておきたいこと

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター坪井大和 / 理学療法士 / 修士号(保健学)/ 日本学術振興会 特別研究員 / メディア編集長

うつと腰痛の関係

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【記事のポイント】
1. 術後の復職をする上で重要な因子を調査.
2. うつが腰の手術からの復職を妨げる要因になる.
3. うつがあれば、手術を受ける前に心のケアを行おう.

腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが増悪し、日常生活に支障をきたすようになってくると、手術の選択を迫られることがあります。
今回の記事は、もし、今後手術をする予定がある方や可能性がある方がいましたら、ぜひ読んでいただきたい内容となっています。
今回は、術後に復職(職場復帰)をする上で何が重要となるのかについて検討した研究をご紹介します。

復職に影響を与える要因を検討

今回の研究では、2799人の腰の手術を経験した患者の情報をたどることで、どのような要因が術後の復職に影響を与えていたのかについて調査されました。
”復職”については、術後2年以内に復職でき、かつ、復職後6ヶ月以上働き続けることができたかで判断されました。

術前にうつがあると復職困難のリスクが上昇する

うつと腰痛

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術前にうつがあった患者の復職成功率は10.6%であり、うつのない患者の復職成功率である33.0%を大きく下回っていました。
術前にうつがあった人は、なかった人よりも、術後の休職日数が184日長いことも明らかとなりました。

その他の要因を調査した結果

手術を受けた同じ州(地区)に働いていた患者は復職に成功しやすく(2.15倍)、50歳以上の患者およびオピオイド(痛み止め)による鎮痛をしていた患者は復職に成功しにくい(いずれも0.58倍)という結果が得られた。

うつには注意!

医師を信頼することが腰痛改善に重要

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術後の結果を良くするためには、術前にいかに準備ができるかが重要です。
今回の研究では、術前にうつがある状態で腰の手術をしてしまうと、術後の復職に支障をきたすリスクが非常に高くなることが明らかとなりました。
腰の手術を受ける前の段階で精神的な部分に問題ありそうならば、精神科を受診し、適切な治療を受けることをお勧めします。
なお、痛みとうつ傾向は密接に関わっていますので、慢性化して、どの姿勢をしても楽な姿勢がないという方は、精神科の受診を検討してみても良いかもしれません。

▶︎参考:坐骨神経痛に対する手術は、どの程度の効果が望めるのか!?

(坪井大和)


▼参考文献
タイトル:Clinical depression is a strong predictor of poor lumbar fusion outcomes among workers’ compensation subjects.
雑誌名:Spine (Phila Pa 1976). 2015 May 15;40(10):748-56.
[PMID: 25955092]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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