偽のオピオイドでも効くと言われたら、腰痛は改善するのか?

慢性腰痛に対するオピオイドのプラセボ効果

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【記事のポイント】
1. 偽物の薬で実験
2. 気持ちや精神状態で痛みが変化する?
3. 本当に信じれば効果がある?

オピオイドは強い痛みに使われる鎮痛剤です。腰痛の痛みがあまりにひどいケースでも使われる場合があります。この薬を、有効成分が含まれていない偽物として患者さんに与えても、「効きますよ」と言えば、効果がでるのか報告されました。

偽物の薬を4つの方法で処方

今回の研究は、48人の慢性腰痛(6ヶ月以上)を抱えた患者を対象に行われました。

対象者は4つのグループに分けられ、すべてのグループに偽のオピオイドが渡されました。そして、4つのグループに割り当てられました。


① この薬は偽物ですという説明 + 条件付けあり(後述)
② この薬は偽物ですという説明 + 条件付けなし
③ この薬は痛みを和らげる効果があるという説明+ 条件付けあり
④ この薬は痛みを和らげる効果があるという説明 + 条件付けなし

今回の研究では、対象者が服用前後で痛みが減ると予想することに変化が表われるかを調べるため、薬の効果の説明の後に、条件付けありの場合は、痛みの刺激を与えた時に、服用後は、作為的に服用前に与えた痛みの強さの半分の強さで痛みが与えられました。条件付けなしの場合は、服用後に痛みを与えた時に、服用前と同じ強さの痛みが与えられました。

そして、服用後に腰痛の痛みを10点満点(0点が痛みなし、10点が今まで経験した中で一番強い痛み)で評価し、変化があらわれるかが調べられました。また、服用前と服用後で、痛みが減ると予想することに変化が表れるか、日常生活における動作(例:物を床から拾う、靴下をはく、うつ伏せの状態から起き上がる動作など)に変化が表れるかも調べられました。

偽のオピオイドでも痛みが和らいだ!!

以下の結果が得られました。
偽のオピオイドを効果があると説明して処方した場合:


■ 軽度の慢性腰痛をもっている患者で痛みが和らいだ
■ 急性疼痛(痛み)の評価が下がった
■ 日常生活における動作をこなす時間が早まった

また、条件付けの場合(服用後の痛み刺激を50%減らした場合)は:


■ 効果があると説明があった場合のほうが大きく痛みが減ると予想した。

そのため、偽薬でも薬の効果を信じるという説明が痛みのとらえ方に大きく影響したと言えます。

本当に信じれば効くの?

痛みの感じかたは人それぞれによって異なり、この痛みの感じ方は主観的要素が多く関わってきます、そのため、気持ちや精神状態によって感じ方は変化することがあります。偽物でも痛みに変化が表れたのはそういった現象のためと考えられます。

今回の研究のように、偽物の薬を飲んだにも関わらず症状が改善する事を医学的にはプラセボ効果と呼ばれています。

前向きな気持ちが大切!

今回の研究結果から、慢性の腰痛は筋力や姿勢の問題だけではなく、気持ちや精神状態も関わってくるため、改善にはより様々な視点からアプローチし、時にはプラセボ効果も利用する事が必要であることが示されたのではないでしょうか。

慢性腰痛に悩まされている人は、自分の腰痛は治るという姿勢を持って治療に取り組むことが治療の効果を大きくすることに繋がるかもしれません。

(宮本 望都喜)


▼ 参考文献
タイトル:Placebo effects of a sham opioid solution: a randomized controlled study in patients with chronic low back pain.
雑誌名:Pain. 2017 Oct;158(10):1893-1902
[PMID: 28614188]

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