プラセボ効果は本当にあるのか!?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター鈴木祐介 / 理学療法士 / 修士号

赤い薬

(c)Gina Sanders- Fotolia.com

【記事のポイント】
1. 偽薬(本来は効果のない薬)を飲んでも効果が得られることをプラセボ効果と呼ぶ
2. 慢性腰痛にもプラセボ効果が存在する可能性がある
3. 慢性腰痛の治療には、精神面の影響を考慮することや、信頼できる治療院を見つけることも重要

病気や怪我の時に“薬を飲んだだけで安心した”という経験がありませんか?薬の成分を含まない偽薬を飲んでも“薬を飲んだ”と思うだけで心理的作用が働き、効果が認められることがあるのです。これを「プラセボ効果」と呼んでいます。それでは、慢性的な腰痛には、このプラセボ効果は認められるのでしょうか。

今回ご紹介する研究では、慢性腰痛の患者は、薬がプラセボ(偽薬)だと知りながら飲んだ場合でも、症状が軽減する可能性があることが示されました。

慢性腰痛に対するプラセボの効果とは?

この研究では、慢性腰痛患者97名を対象としました。
まず、対象者の方々にプラセボ効果に関する説明を行い、その後、対象者を以下の2グループにランダムに割り付けました。

 従来の治療を続けるグループ
 従来の治療に、プラセボ(偽薬)を追加したグループ

そして、3週間の治療を行った後、腰の痛み、腰痛による障害の程度をそれぞれ聴取し、各グループでの結果を比べました。

慢性腰痛でプラセボ効果が認められた

その結果、腰痛の痛みに関しては、従来治療グループと比べて、プラセボグループの方が、有意に改善が認められました。
また、腰痛の障害の程度に関しても、従来治療グループでは変化がなかったのに対し、プラセボグループでは改善が認められました。
このことから、慢性腰痛にはプラセボ効果が認められる可能性が考えられます。

慢性腰痛の治療には心理的な作用が関係

慢性腰痛にプラセボ効果があるということは、慢性腰痛の治療には、心理的作用も重要な要素だと考えることが出来ます。
慢性的な腰痛の治療には、薬を飲んで痛み自体を軽減することも必要ですが、腰痛に対してネガティブになりすぎないことや、マインドフルネスなどで精神的な面からも治療を考えていくこと、また、信頼できる整形外科や治療院の先生のもとで治療を行なっていくことも重要かもしれません。

(鈴木祐介)


▼参考文献
Open-label placebo treatment in chronic low back pain: a randomized controlled trial.
Pain. 2016 Oct 13
[PMID: 27755279]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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