鍼(はり)はPMSの症状を改善するのか?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター坪井大和 / 理学療法士 / 修士号(保健学)/ 日本学術振興会 特別研究員 / メディア編集長

鍼(ハリ)のPMSに対する効果

(c) Andrey Popov - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. 鍼(はり)はPMSの症状を緩和した.
2. はりによる害や副作用は報告されなかった.
3. PMS対策の一つとしてはりを選択しても良いかもしれない.

PMS(月経前症候群)は女性特有の問題であり、生理前の2週間頃より腰痛をはじめとした様々な症状をきたします。
これまでPMSの対策として栄養や禁煙などの生活習慣の改善、経口避妊薬の服薬などを紹介してきました。
これらの対策は自分でできる対策ですが、症状が強くどうしようもないときは専門家を頼ることも必要かもしれません。
今回は鍼(はり)を行うことによるPMS症状の緩和の可能性について検討した研究をご紹介します。

過去の文献をまとめて、効果を検証

今回の研究では、2009年6月までに行われた、女性のPMSの治療で、はりの効果を検証した研究(無作為化比較試験という質の高い研究のみ対象)を対象に検索されました。
その後、ある一定の基準をクリアした質の高い10の研究結果についてまとめられました。

はりの実施期間・回数として、多くは生理周期3サイクルの間、計25回行われていました。

はりの刺すポイントとしては、複数箇所の報告がされていました(今回の研究ではりの刺すポイントとして使用された部位)。

なお、はりの効果は、偽のはり(針を刺すポイントをずらす、効果のない刺し方をする)や(メドロキシプロゲステロン:女性の黄体ホルモンを補う薬で生理不順を調整するために使用される薬)、無治療の場合と比較されました。

はり治療はPMSの症状を緩和した

今回の研究結果から、 はりは、他の比較された治療(偽のはり、薬、無治療)よりも、1.55倍の優れたPMS症状の改善効果があることが示されました

偽のはり治療と比較した場合には、5.99倍の効果が見られました。
しかし、今回まとめらたほとんどの研究において、方法論に課題が多く見られたため、これらの課題を踏まえた上でのより質の高い研究が必要と結論づけられていました。

はり治療による害や副作用は報告されなかった

今回の研究のいずれにおいても、はり治療による害や副作用は報告されませんでした

はり治療はPMSの対策として効果が期待できる

今回の結果から、まだ科学的根拠を示す上では、研究の方法論という課題は残っているとはいえ、はりは女性の悩みであるPMS症状の改善効果として期待できる結果が得られました。

害や副作用なくできる対策というのは非常に魅力的だと言えますが、あくまで今回の報告の中での報告がなかっただけですので、実際にはり治療を受ける際は、専門の鍼灸師(はり師)の先生に相談することをオススメします。

PMSの対策は多岐に渡りますが、その一つの選択肢にはりを考慮しても良いかもしれません。その他のPMS対策として、以下もご参照下さい!


PMSによる腰痛がひどい女性がやめるべき習慣とは!?
月経前症候群(PMS)としての腰痛の対処法
ビタミンB1がPMS(月経前症候群)の症状に効く!?
カルシウムがPMS(月経前症候群)の症状に効く!?最新の研究状況から

(坪井大和)


▼ 参考文献
タイトル:Acupuncture for premenstrual syndrome: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials.
雑誌名:BJOG. 2011 Jul;118(8):899-915.
[PMID: 21609380]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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