産後の腰痛・骨盤周りの痛みに悪影響する”カタストロファイジング”とは?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター鈴木祐介 / 理学療法士 / 修士号

産後の腰痛・骨盤帯痛とカタストロファイジング

(c) liza5450 - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. カタストロファイジングとは、痛みに対するネガティブな考え方のことである。
2. カタストロファイジングの状態にある人は、産後の腰痛・骨盤帯痛の発症率や、産後の日常生活の制限の程度が増加していた。
3. 産後の生活を健やかなものにするためにも、妊娠中より、カタストロファイジングに陥らないようにすることが大切である。

カタストロファイジング』という言葉をご存知でしょうか?これは日本語で『痛みの破局的思考』と訳され、痛みのことをあれこれと考えたり、必要以上に恐怖心を抱き、痛みに対して無力であると感じてしまう状態をさします。特に妊娠中は無事出産にできるか不安に思ったり、からだの急激な変化により腰痛になってしまったりと、精神的にも身体的にも苦痛を感じやすい状態にあることから、このカタストロファイジングの状態に陥りやすいといえます。それでは、産後の腰痛・骨盤帯痛(骨盤周りの痛み)に対して、カタストロファイジングはどのような影響を及ぼすのでしょうか?

産後の腰痛・骨盤帯痛に対する、カタストロファイジングの影響とは?

この研究では、妊娠中の女性242名が対象となりました。対象者には、妊娠19〜21週妊娠34〜37週産後6ヶ月後のタイミングで、自己記入式のアンケートを配布し、以下の情報を調査しました。


■ 腰痛・骨盤帯痛とカタストロファイジングに関する情報
■ 日常生活の制限に関する情報

そして、対象者のデータを用いて、産後の腰痛・骨盤帯痛とカタストロファイジング、日常生活の制限との関係性を調査しました。

カタストロファイジングの状態に陥ると、産後の腰痛・骨盤帯痛の発症率が増加!

調査の結果、妊娠19〜21週、妊娠34〜37週、産後6ヶ月後のどの時期においてもカタストロファイジングの状態に陥らなかった女性の産後の腰痛・骨盤帯痛の発症率が23.6%でした。
しかし、どこか1つのタイミングでもカタストロファイジングの状態に陥っていた女性の腰痛・骨盤帯痛の発症率は42.1%となっていました。
すなわち、カタストロファイジングの状態に陥ることで、産後の腰痛・骨盤帯痛を発症する割合が増加すると考えることが出来ます。

カタストロファイジングの状態が重度であるほど、産後の日常生活の制限の程度も増加していた

妊娠19〜21週、妊娠34〜37週、産後6ヶ月後のタイミングで、カタストロファイジングの状態に陥っていた回数が多いほど、産後の日常生活の制限の程度も増加することが明らかとなりました。

カタストロファイジングの状態に陥らないために

産後の腰痛・骨盤帯痛や、産後の日常生活の制限を予防するためにも、妊娠中よりカタストロファイジングの状態に陥らないようにしていくことが重要といえます。カタストロファイジングは痛みに対するネガティブな考え方が元になっていますので、前向きな気持ちを持つことは”腰痛改善”に効果的?でもご紹介したように、妊娠中に腰痛や骨盤帯痛に対して前向きに自信を持って付き合おうとするようにしたり、ウォーキングなどの軽い有酸素運動で気分転換を行ってみてはいかがでしょうか。

(鈴木祐介)


▼ 参考文献
タイトル:Catastrophizing during and after pregnancy: associations with lumbopelvic pain and postpartum physical ability.
雑誌名:Phys Ther. 2012 Jan;92(1):49-57
[PMID:22016374]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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