多くの働く女性を悩ます”産後の腰痛・骨盤帯痛”に影響する要因とは?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター鈴木祐介 / 理学療法士 / 修士号

産後腰痛・骨盤帯痛に影響する要因

(c) Syda Productions - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. 約50%の女性が産後の腰痛・骨盤帯痛を経験していた。
2. 産後の腰痛・骨盤帯痛に影響する要因が、妊娠中・産後の両者で報告された。
3. 産後にスムーズに職場復帰するためにも、今回報告された内容を参考に腰痛・骨盤帯痛の対策をすることが大切である。

妊娠中の腰痛に対する運動効果でご紹介したように、妊娠と腰痛には深い関係がありますが、産後にも腰痛や骨盤帯痛(骨盤周囲の痛み)を訴える方が数多くいます。産休が終わり、職場復帰をしなければならない女性にとって、産後の腰痛・骨盤帯痛は大きな悩みの種となります。それでは、産後に働く女性の腰痛・骨盤帯痛に影響する要因にはどのようなものがあるのでしょうか?今回ご紹介する研究では、妊娠中・産後の両時期における、産後12週での腰痛・骨盤帯痛の発生を予測する要因が複数報告されました。

産後12週での腰痛・骨盤帯痛の発生を予測する要因とは?

この研究では、妊娠をしており、週に最低でも12時間勤務していた女性548名を対象としました。対象の方には、妊娠30週、産後6週、産後12週の時点で自己記入式のアンケートを配布し、以下の情報を調査しました。


■ 年齢や身長、体重など、個人の特徴に関する情報
■ 職業や労働時間など、仕事に関する情報
■ 妊娠期間や流産の有無など、妊娠に関する情報
■ 日々の疲労感や睡眠時間など、疲労に関する情報
■ 精神状態に関する情報
■ 腰痛・骨盤帯痛の有無やそれによる日常生活の障害の程度など、痛みに関する情報

そして、対象者間のデータを比較・解析し、産後12週での腰痛・骨盤帯痛の発生を予測する要因を調査しました。

50%の女性が、産後12週での腰痛・骨盤帯痛を経験していた

調査の結果、産後12週での腰痛・骨盤帯痛を経験する女性の割合は、対象者の約50%に及びました。

産後12週での腰痛・骨盤帯痛の発生を予測する”妊娠中の要因”

産後12週での腰痛・骨盤帯痛の発生を予測する“妊娠中の要因”としては、以下のものが明らかとなりました。


■ 腰痛の既往
■ 心の不安や心理的ストレスがカラダの症状として出やすい人
■ 長時間(1日8時間以上)の睡眠や休息
■ 仕事中の姿勢の悪さ

産後12週での腰痛・骨盤帯痛の発生を予測する”産後の要因”

また、産後12週での腰痛・骨盤帯痛の発生を予測する“産後の要因”としては、以下のものが明らかとなりました。


■ 産後6週時点での強い腰痛・骨盤帯痛の経験
■ 腰痛・骨盤帯痛による日常生活の障害の大きさ
■ 心の不安や心理社会的ストレスがを身体症状カラダの症状として出やすい人
■ 出産時の赤ちゃんの体重が重いこと
■ 仕事中の姿勢の悪さ
■ 産後直後のベッドでの絶対安静日数絶対安静の日数(0日よりも3〜4日の安静期間をとることでリスクが最も減少していました。また、1〜2日の場合においてもリスクは減少していました。)

産後に働く女性の腰痛・骨盤帯痛対策として出来ることとは

今回の結果から、産後の腰痛・骨盤帯痛の対策として実際に出来ることは以下の内容だと思われます。


■ 妊娠中の腰痛対策を実施する(妊娠中の腰痛に対する運動効果妊娠中に腰痛を感じたら”テーピング”が効果的!!
■ 仕事中の不良姿勢を防ぐ
■ 産後直後はすぐに動かず、適度な安静期間をとること


産後スムーズに仕事に復帰するためにも、今回の内容を参考にして、産後の腰痛・骨盤帯痛の対策を行なってみてはいかがでしょうか。

(鈴木祐介)


▼ 参考文献
タイトル:Predictors for postpartum pelvic girdle pain in working women: the Mom@Work cohort study.
雑誌名:Pain. 2012 Dec;153(12):2370-9
[PMID:23137900]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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