妊娠中の腰・骨盤周りの痛みには骨盤ベルトと運動どちらが効果的?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター鈴木祐介 / 理学療法士 / 修士号

妊娠中の腰痛・骨盤周りの痛みに対する骨盤ベルトと運動の効果

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【記事のポイント】
1. 妊娠中の腰・骨盤周りの痛みの対策として、骨盤ベルトの使用や運動が挙げられる。
2. 短期的な効果という点では、運動よりも骨盤ベルトの方が効果的であった。
3. 骨盤ベルトに依存せず、あくまで短期的な効果を得る目的で、適切に使用していくことが大切。

妊娠中の女性にはホルモンバランスや体型に急激な変化が生じ、腰・骨盤周りの痛みを生じやすい状態といえます。妊娠中の腰痛・骨盤周りの痛みの対策としては、運動はもちろん、骨盤ベルトなどがあります。それでは、運動と骨盤ベルトのどちらが、妊娠中の腰痛・骨盤周りの痛みを和らげるのに効果的なのでしょうか?

妊娠中の腰・骨盤周りの痛みに対して効果的な対策は?

この研究では、妊娠中でかつ、腰・骨盤周りの痛みを抱えている女性105名を対象としました。対象者は以下の3つのグループにランダムに分類されました。


■ 腰・骨盤周りの痛みに関する情報のみ(痛みと身体の解剖、姿勢、腰や骨盤周りにストレスが加わらないような座り方・歩き方・寝方に関する情報)
■ 運動(有酸素運動や、腰・骨盤周りのストレッチ、筋力訓練)+ 痛みに関する情報
■ 骨盤ベルト(柔らかい素材の骨盤ベルトを、睡眠時間以外は常に装着)+ 痛みに関する情報

そして、対象者の痛みの強さ、痛みによる身体機能制限の程度、痛みによる日常生活の障害の程度を、介入前、介入3週間後、介入6週間後の時点でアンケートにて聴取し、その結果を各グループで比較しました。

骨盤ベルト装着による効果が最も大きかった

調査の結果、骨盤ベルトを装着したグループは、他の2つのグループと比較して、腰・骨盤周りの痛みの程度と、痛みによる身体機能制限の程度が大きく改善していました

すなわち、6週間という短期的な期間であれば、運動よりも骨盤ベルトの方が、妊娠中の腰・骨盤周りの痛みに対して効果的であるということです。

骨盤ベルトはあくまで短期的な効果を目的に

今回の結果はあくまで短期的な効果であるため、妊娠中の腰・骨盤周りの痛みに対して、運動よりも骨盤ベルトの方が、根本的な治療効果を得られるという訳ではありません。

特に、骨盤ベルトに頼り過ぎてしまうことは、骨盤ベルトを手放せなくなってしまったり、お腹や腰回りの筋力を使わなくなってしまうなど、長期的に考えるとネガティブな側面も考えられます。

腰痛にコルセットは効果的か」の記事でもご紹介したように、骨盤ベルトの使用はあくまで痛みが辛い期間、短期的な効果を得る目的で使用していくことが望ましいと思われます。

また、その他にも、ウォーキング水中での運動などが妊娠中の腰痛に効果的であるということが報告されています(妊娠中の腰痛に対する運動効果参照)。

骨盤ベルトと運動、それぞれ目的とする効果が異なりますので、自分の腰・骨盤周りの痛みの状態に合わせて、対策を選んでいくことが大切です。

(鈴木祐介)


▼ 参考文献
タイトル:Comparison between the effect of lumbopelvic belt and home based pelvic stabilizing exercise on pregnant women with pelvic girdle pain; a randomized controlled trial.
雑誌名:J Back Musculoskelet Rehabil. 2013;26(2):133-9.
[PMID:23640314]

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