運動は腰痛発症リスクを33%下げることが判明!ー最新の知見からー

運動の腰痛予防効果

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【記事のポイント】
1. 定期的な運動は、腰痛を含む様々な疾病の予防につながると言われている。
2. 過去の論文をまとめた結果、運動は腰痛発症リスクを33%下げることが分かった!
3. まずは簡単なことから、運動を習慣づけていこう。

皆さんは日頃から運動を行うよう心がけていますか?

定期的な運動は、高血圧・肥満といった生活習慣病や、抑うつ症状(うつっぽい状態)といった心理・精神的な面でも予防効果が期待できると言われています。

そんな中、2017年10月19日に、定期的な運動が腰痛の予防に効果的だという最新の報告がアメリカの学術誌で発表されましたので、ご紹介いたします。

過去に報告された質の高い研究をまとめてみた

今回ご紹介する最新の報告は、過去に発表された質の高い報告をまとめて解析を行う方法を採用しました。

今回使用した過去の論文は、論文検索サイトで検索された23,183本の報告の中から一定の基準を満たした合計16本を採用しました。検索キーワードは、下記のものを使用しました(実際の英語表記を日本語訳しています)。

ストレッチウォーキングランニングといった運動の種類に関する単語
■ 腰痛、背部痛、腰部痛といった腰痛に関する単語

なお今回の報告では、一度腰痛を発症した人の腰痛の再発予防に関する研究は解析から除外し、腰痛になったことのない人、もしくは現在腰痛を持っている人のみが対象となりました。また、治療群と比較する群の対象者にも何かしらの運動が処方されている研究も除外されました。

運動は腰痛リスクを33%下げる!!

解析の結果、定期的な運動をしている人はそうでない人と比較して、腰痛のリスクを約33%に抑えられることが分かりました。これは、対象者の個人差を考慮した場合でも同様の結果が得られました。

運動のみと運動+教育では、同程度の効果

さらに、運動のみ処方した場合の結果と、運動に加えて専門家が腰痛の原因や対処法などの知識を1回~数回に分けて対象者に教育する方法を合わせて行った場合の結果を分けて解析を行ったところ、腰痛予防には同程度の効果であることが分かりました(運動のみ:67%、運動+教育:73%)。

つまり、今回の結果から、運動に加えて教育を行った事によるプラスの効果は示されませんでした。この原因として、教育の方法(内容、時間、回数など)がそれぞれの報告によって異なっていたことが影響しているかもしれません。

どの程度の運動が良いの?

今回の報告より、習慣的な運動は腰痛を予防することが明らかとなりました。また、「腰痛を予防するために必要な運動とは」でご紹介した報告では、筋力よりも運動習慣の方が腰痛予防に適していることが示されています。

この研究の著者らは解析結果を元に、週に2~3回の運動を推奨しています。その上で、まずは簡単なウォーキングなどから始めてみてはいかがでしょうか?その際、「ウォーキングしながら体幹トレーニングをして腰痛を克服しよう!」でご紹介したように、体幹に意識を向けながら行うとより効果的かもしれません。

(山下真司)


▼ 参考文献
タイトル:Exercise for the Prevention of Low Back Pain: Systematic Review and Meta-Analysis of Controlled Trials.
雑誌名:Am J Epidemiol. 2017 Oct 19.
[PMID: 29053873]

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