腰痛患者に安心する情報を与えるだけで、その後の生活は変わるのか?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター山下真司 / 理学療法士 / 修士号(医学)

腰痛に対して安心させる情報を与える効果

(c) takasu - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. 腰痛の多くは気持ちや心の影響といった心理的な要因が影響している。
2.腰痛に関する情報を与えるだけで、その後の1年間で多くの効果が得られた。
3.腰痛について正しい知識を持っておくことで、今後の生活が豊かになるかもしれない。

腰痛の85%は骨折などの明らかな原因のない非特異的腰痛と言われており、それらの多くは心理的な要因が影響していると言われています。

腰痛患者の心理面へのアプローチには、認知行動療法、マインドフルネス、ヨガなどが効果的であると言われていますが、今回ご紹介する研究では、腰痛患者に対して「安心できる情報を与えるだけ」でも効果があるのかが検証されました。

生活全般を細かく調査

この報告は、デンマークの市町村における労働者505名を対象に実施されました。

対象者から、アンケートを用いて、仕事、ライフスタイル、自己評価による健康感、過去の腰痛の有無、などの情報を収集しました。

対象者を以下のように介入群と非介入群に分類し、毎月1回の追加調査を1年間、計12回分のデータを収集しました。


■ 介入群 :職場内で1時間の腰痛に関する情報提供を2回実施しました。
■ 非介入群:情報提供は行いませんでした。

介入群に対しては、以下の情報が提供されました。


■ 腰痛は多くの筋肉と神経のアンバランスによって生じる
■ 腰痛は年齢に関連する疾患と、一時的なものがある
■ 十分な知識がないと痛みに対して不安を感じやすく、腰痛に苦しみやすい
■ 腰痛に関する正しい知識を持つことで、自分の意思で治療法を決断できる
■ 腰の基礎解剖(腰の骨や筋肉、神経など)、人間工学(からだに負担の少ない姿勢や動作方法や、環境づくり)
■腰痛の既往歴の重要性(再発のリスクとなるため)、因果関係、痛みの種類
■ 治療方法、トレーニング,対処法

腰痛自体に変化はなかった

今回の対象者のうち調査開始時点で腰痛を有していたのは全体の55.6%でした。

1年間の間の腰痛の発症日数は、介入群、非介入群ともに同程度でした。また、腰痛の影響で活動を中断してしまった日数も両群とも同程度でした。

しかし、日常生活のあらゆる場面に効果が!

非介入群と比較して、介入群で次のような結果が得られました。


■ 仕事の参加率(非介入群よりも1.43倍参加していた)
■ 自己評価による仕事能力(非介入群よりも1.40倍能力を発揮していた)
■ 病院訪問回数(非介入群の方が1.72倍回数が多かった)
■ 抑うつ症状(非介入群の方が1.50倍頻度が多かった)

腰痛について勉強するべき?!

今回の報告から、腰痛を経験しているかどうかにかかわらず、正しい知識を知っておくことの大切さが示されました。

今回対象者に提供されていた情報は、本サイトで取り上げている内容も多く含まれていました。まず初めに、このサイトで情報を集めてみるのもいいかもしれません。

本サイトでは、腰痛に関する情報を、腰痛の「原因」と「対策」の大きく分けて2つに分類して、提供しています。腰痛の情報を収集する際には、まずは「原因」を知り、そこから自分に合った「対策」を見つけ、実践することをオススメします。

(山下真司)


▼ 参考文献
タイトル:Can group-based reassuring information alter low back pain behavior? A cluster-randomized controlled trial.
雑誌名:PLoS One. 2017 Mar 27;12(3):e0172003.
[PMID: 28346472]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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