腰痛対策から考えるラジオ体操の効果とは!?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター諸麥友博 / 理学療法士 / 第1種衛生管理者 / 作業管理士

(c) milatas - Fotolia.com

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【記事のポイント】
1. 普段の生活上、よく使うことで負担がかかる筋肉と、あまりつかっていない筋肉がある。
2. ラジオ体操で普段していない姿勢をしてみよう!
3. まずはラジオ体操の一部の運動から休憩時に取り入れることがオススメ!

ラジオ体操は、日本人であれば誰もが知っている体操ではないでしょうか。
最近では、働く場における社員の健康も重要視されてきている中で、ラジオ体操を実践する職場も増えてきているようです。

特に夜中、寝ている間は、体を大きく動かすことはないため、筋肉がこわばったり、硬くなってしまうことがあります。このような動きにくい状態の筋肉を、始業時に目覚めさせるのに最適なのがこの”ラジオ体操”と言えます。しかし、何も意識せず、適当にやっていてはせっかくの良い体操の効果も半減してしまいます。

ここでは、ラジオ体操を実践することで期待できる効果や注意点を、腰痛予防という視点で説明していきます。

ラジオ体操で蓄積したカラダの負担をリセット!

現代人は、日常生活を送るうえで、体全体を“反る” / “捻る” / “横に倒す”などの運動は不十分であることが多いのが現状です。つまり、あまり普段から、体を反ったり、捻ったりすることがない環境が多いということです。じっと座ってデスクワークをしている方も少なくないと思います。

今回ご紹介しているラジオ体操には、体の幹と書いて、『体幹(たいかん)』を、反らしたり、捻ったり、横に倒したりする運動が多く含まれています。そのため、ラジオ体操で普段しない動きをすることで、日常で使っていない固まった筋肉の緊張がゆるみ、体が軽くなったように感じたり、動きやすくなるように感じることが期待できます。

普段の生活を思い出していただくと、基本的に自分の目の前で何かをする動作が多くないでしょうか。
今あなたがPCやスマホでこの記事を見ている姿勢も、自分の目の前で何かをしている姿勢の例となります。

腰痛に関わる姿勢でスマホを触る

(c) Monet – Fotolia.com

これは、視界が前方に広がっているため当然だとも言えるのですが、これにより人の体にあるたくさんの筋肉のうち、特定の筋肉ばかりを使いがちになってしまいます。

もう少しイメージが湧きやすいように詳しく説明していきましょう。

例えば家事では、包丁で野菜を切ったり、皮を剥いたり、鍋をかき混ぜたり、食器を洗ったりと基本的に体の前で手を動かし、腰は前屈みになることが多いです。

家事で前かがみになる女性

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デスクワークでは、パソコンの操作やペンで字を書いたりするのはもちろん体の前で行われ、腰は前屈みになってしまいます。

不良姿勢でデスクワークをする男性

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このように日常生活の中にあるいろいろな動作のほとんどは体の前で行われ、腰は基本的に前屈みになることばかりです。このような日常生活の積み重ねが、同じ筋肉ばかりに負担をかけたり、特定の筋肉を使わなくなったりさせているのです。

つまり、体を横や後ろに反ったり、捻る動きをすることで、日常生活の中では使わない筋肉などを使うことになるため、普段の体へのストレスをリセットできます

高齢者でも実践できるラジオ体操で筋肉の活性化を!

人にはそれぞれの生活リズムや習慣があるように、同じことを繰り返し行なっていることが多いと思います。しかし、同じことを繰り返ししているということは、普段から使う筋肉とあまり使わない筋肉のアンバランスが生まれてくるということです。

このアンバランスが、特定の体の部位に負担をかけてしまうことで、痛みに繋がっている方は少なくありません。

これを腰痛に当てはめて考えてみると、腰の筋肉は普段から活動している筋肉であり、主に姿勢を保つために働いています。しかし、一方で、お腹の筋肉は意識しなければ使う機会は少ないです。すると、普段から活動しにくい状態なので、だんだんと力を出しにくくなってしまいます。

これにより腰の筋肉ばかりに負担をかけ、腰痛を感じてしまう可能性があるわけです。言い換えれば、普段あまり使わない筋肉を使うように意識すれば腰痛を予防できる可能性があるということです。

そのため、自分は普段からどんな生活を送っているのか、どんな動きや姿勢が多いのか、いままでどこに痛みを感じたことがあるのかを振り返ることで、その特徴を掴むことができ、足りない運動がわかるようになるかもしれません

ラジオ体操は、その足りない運動を多く含んでいるため、腰痛予防にもお勧めできるのです。さらにこのラジオ体操は、高齢者でも注意しながら行えば、リスクは最小限に抑えながら、簡単に実施することが可能です。

最近の生活を振り返って見て、”前かがみ”や”中腰の姿勢”を取ることが多い方は、『3秒でできる腰痛対策!「これだけ体操」の効果とは?』で説明しているように、ラジオ体操の中でも、体を後ろに反らす運動がオススメです。これはオフィスなどでも、ふと立ったときやトイレにいく際など、色々な場面で実施可能です。
ただし、お尻から足にかけて、電気のような痛みが走る場合は直ちに中止してください。特に、高齢者の方の場合は、脊柱管狭窄症といわれるような病態になると、腰を反らした際に、お尻から足にかけての痛みやしびれを伴うことが稀にありますので、注意が必要です。

簡単な一部のラジオ体操部分だけでも始めてみよう!

もし、これまでにあなたが腰痛になったことがあるのであれば、医療機関や治療院などにいった際に、「腹筋を鍛えてください。」など言われたことはないでしょうか。

鍛えられるものなら鍛えている、どうしたら鍛えられるかわからない、腹筋をしたら余計に腰が痛くなるなど人それぞれ思うことはあると思います。

事実、腹筋運動をすることが腰痛のリスクとなる腰痛タイプもあります。
腰痛タイプチェックで、まえあつ型、ついいた型と出てきた方は、腹筋運動をする際には、専門家の指導を受けた上で行うことをお勧めします(腰痛タイプチェックは、下記の画像をクリックしてお進みください)

腰痛チェック

(c)Backtech Inc.

まずはラジオ体操のように簡単にできる運動から、普段の習慣に取り入れて、普段とらないような姿勢を、ストレッチとしてするように心がけてください。それだけでも、蓄積された体への負荷がリセットすることができ、効果を実感できるかもしれません。

忙しい場合には、ラジオ体操の内容全てをしなくても、一部の運動だけでも実践してみてくださいね。

(諸麦友博)

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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