あなたの慢性的な腰痛を改善するために必要な情報とは!?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター福谷直人 / 理学療法士 / 博士号(保健学) / 健康経営アドバイザー / 作業管理士 / VDT作業労働衛生教育インストラクター

腰痛教室の効果

(c) Syda Productions - Fotoli.com

【記事のポイント】
1. 腰痛の改善のためには正しい情報が必要で、その方法として腰痛教室がある.
2. 腰痛には筋肉や骨の問題以外に、ストレスなどの精神的な影響もあることを伝えることが重要.
3. ただし、ネットで情報を得る場合には、信頼できる腰痛情報を見極める必要がある.

これまで腰痛は筋肉や骨などの生物学的な問題と捉えられてきましたが、近年になり、職場でのストレスや仕事の低満足度などのメンタル面の影響が大きいことが明らかになってきました。このような要因を心理社会的要因と呼びますが、最新の腰痛治療では、特に3ヶ月以上も続く慢性的な腰痛持ちに関しては、痛みの治療に加えて、この心理社会的な面に対するアプローチが必要と言われています。

『また、ぎっくり腰になったらどうしよう』『ヘルニアって言われたけど、ずっとこの痛みは続くのかな』『背骨が変形しているって言われたから手術するしか私の腰痛は治らないのか』などの”不安感や恐怖感”が、心理社会的な要因を増幅する因子でもあります。まずは、腰痛持ち自身に正しい情報を伝えることで、この不安感を和らげることが腰痛改善に必要です。

正しい情報を伝える方法として、腰痛教室(海外ではよくバックスクールと言われる)というものがあります。これは腰痛を持つ方に対して、授業のような講義であったり、読書を通して正しい知識をつけてもらったりするもので、腰痛持ち自身に正しい知識を持ってもらうことを目的とします。従来では、腰痛の一般的な知識が伝えられていましたが、近年わかってきた精神的なストレスなどの心理社会的な要因に関する内容を含めた、腰痛教室の効果は明らかになっていません。

本日ご紹介する研究では、整形外科でのリハビリテーションの実施後、標準化された患者向けの心理社会的な内容を含めた腰痛教室の有効性を評価しました

従来の腰痛教室と心理社会的要因を含めた腰痛教室の比較

この研究はドイツの研究チームにより、多施設に入院する腰痛患者535名を対象にしました。患者は新しい腰痛教室を受講する前に、従来通りの腰痛教室を受講していました(通常のケア)。介入として、定期的なケアのあとに新しい内容の腰痛教室を行いました。

入院時、退院時、およびリハビリ6ヶ月後および12ヶ月後に、患者の病気に関する知識および腰痛対策運動の実施および生活上の注意点が自己管理ができているかどうか、および治療の満足度が調査されました。

運動の実施率や患者満足度が向上した

今回の調査の結果、中長期的にみた場合、患者の”病気に関する知識”の向上が認められた。さらに、男性においては、新しい腰痛教室のプログラムを受講することで、腰痛対策の運動の実施率が向上することが分かりました。これは、なぜ腰痛改善に運動が大切なのか、不安や恐怖なく腰痛対策をするにはどうすれば良いのかなどの精神面を含めた情報をお伝えすることで、安心して腰痛対策に望めるようになったことが考えられます。

さらに、退院時の患者満足度が向上し、退院から6ヶ月後の身体活動量(歩数のようにどれだけ普段動けているか)が増加していることが明らかになりました。

正しい情報を得るために必要なこと

今回は整形外科に入院している腰痛患者に対して、精神面を含めた腰痛教室を行い、正しい知識をつけていただくことで、病気に関する知識が向上し、男性においては運動の実施率が上がり、退院時の患者満足度が向上し、退院6ヶ月後の身体活動量が増加していることが分かりました。

どんな情報が腰痛をコントロールする上で有益か?』では、腰痛に関わるパンフレットでは、ストレスなどの精神的な要因に触れると、より腰痛改善効果があると報告されており、今回の結果も同様の結果であると考えられます。

ネット社会になり、腰痛に関わる情報はネットに山ほどあるものの『健康情報の信頼性を確かめるための3つの基準』でお伝えしているように、本当に信用して良いサイトは6%しかないことが分かっています。信頼性がないサイトで健康情報を知ると、ネガティブな情報を書いてあることも多いため、それが腰痛が長引く原因になります。『健康情報の信頼性を確かめるための3つの基準』では、”情報の確からしさ”を取捨選択するときに役立つ3つの基準をお伝えしておりますので、ぜひご覧いただき、正しい情報を得て、腰痛改善に活かしてください。

(福谷直人)


▼ 参考文献
タイトル:Effectiveness of a standardized back school program for patients with chronic low back pain after implementation in routine rehabilitation care.
雑誌名:Patient Educ Couns
[PMID: 28110954]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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