現代病『セデンタリー・ライフスタイル』は腰痛にも影響するのか?

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター坪井大和 / 理学療法士 / 博士号(保健学)/ 日本学術振興会 特別研究員 / メディア編集長

セデンタリー・ライフスタイルと腰痛の関係

(c) kei907 - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. セデンタリー・ライフスタイルという現代病が注目を集めている。
2. 現時点でセデンタリー・ライフスタイルが腰痛と関連しているとは言えない。
3. しかし、セデンタリー・ライフスタイルは生活習慣病や死亡リスクを高めるため、意識的に座りすぎから脱却するようにしよう!

セデンタリー・ライフスタイル』という言葉を耳にしたことはありますでしょうか?これは簡単に言えば、座りすぎの生活のことをさします。

これまで様々な研究により、この座りすぎが生活習慣病のリスクを高めたり、寿命を縮めるという報告がされてきました。また、NHKのクロースアップ現代でも特集がされるほど、日本においても問題となっていいます。

このようにセデンタリー・ライフスタイルは様々な点において健康状態を悪化させることがわかってきましたが、果たして、腰痛との関連はあるのでしょうか。

スペインの双子を対象に研究を実施

今回の研究の対象には、2009年~2011年の間に2148人の双子が参加しました。
2013年の時点で、そのうちの1098人の双子を追跡調査しました。

双子を対象とした研究を行うことによって、遺伝的、小さい頃の環境的な要因を考慮した上で、セデンタリー・ライフスタイルと腰痛との関連を調査することができます。

セデンタリー・ライフスタイルについては、自己回答式アンケートにより聴取し、以下のように定義されました。


■ 日常生活においてほとんど座っている、または、立っているが負担や動きが少ない人
■ かつ、余暇の時間にほとんど座って過ごしている人

腰痛に関しては、腰痛の有無、繰り返し起きる腰痛の有無、腰痛による医療機関の受診、日常生活の制限レベルについて聴取されました。

これらのデータを用いて、セデンタリー・ライフスタイルと腰痛の関連が検討されました。

セデンタリー・ライフスタイルと腰痛の関連

今回の調査の結果、女性においてのみ、 セデンタリー・ライフスタイルは腰痛の有無と僅かに関連していました。

しかし、遺伝の要素や子供の頃の環境的要因を考慮すると、セデンタリー・ライフスタイルと腰痛の関連は認められないことが明らかになりました。

追跡調査による結果を見ても、セデンタリー・ライフスタイルは繰り返し起きる腰痛、腰痛による医療機関の受診、日常生活の制限レベルに悪影響は及ぼしていませんでした。

現時点で明確に関連が無いとも言えない

今回の研究では対象者数が少ないことなどのいくつかの課題があり、本研究1つのみの報告では、セデンタリー・ライフスタイルが腰痛を引き起こすのかどうかについては明確な結論は出せないと研究を実施した研究者は述べています。

実際に、座り姿勢と腰痛には密接な関連があることは否定できません。

単にセデンタリー・ライフスタイルなのではなく、仮に姿勢が悪い状態でのセデンタリー・ライフスタイルが続いたらとしたら、腰の負担が蓄積し、腰痛のリスクは上がる可能性はあります

座りすぎの生活から脱却するその他のメリット

今回の研究結果から、セデンタリー・ライフスタイルは腰痛と関連していませんでした。

しかしながら、生活習慣病や死亡などのリスクを高めることは分かっているため、セデンタリー・ライフスタイルは決して推奨できるものではないでしょう。

ご自身の普段の生活スタイルを振り返り、もし座りすぎていると感じたら、トイレにいったり、コーヒーを組みに行ったりなど、意識的に立ち上がる機会を作ることで、座りすぎから脱却しましょう!

(坪井大和)


▼ 参考文献
タイトル:Does sedentary behavior increase the risk of low back pain? A population-based co-twin study of Spanish twins.
雑誌名:Spine J. 2017 Feb 14. pii: S1529-9430(17)30053-0.
[PMID: 28232052]

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