睡眠不足は痛みを感じやすくする可能性がある!

監修者青山朋樹 / 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 教授(医師、Ph.D)

ライター山下真司 / 理学療法士 / 修士号(医学)

sleepy woman

(c) pathdoc - Fotolia.com

【記事のポイント】
1. 睡眠不足は、ストレスが増加するなどの様々な健康被害と関連することが知られている。
2. 睡眠不足が続くと痛みを感じやすくなり、熱さや冷たさに敏感になることが分かった。
3. 睡眠時間を十分に確保して、痛みに強い身体を作っていこう。

皆さんは日頃から十分な睡眠が取れていますか?

睡眠不足が続いてしまうと、身体に様々な影響が生じてきます。例えば、普段よりも疲れやすくなります。

最近では、睡眠不足は、慢性痛とも関係することが言われてきています。そこで、今回は、睡眠と慢性痛の関係を検討した研究結果をご紹介いたします。

睡眠時間を2条件で管理

今回ご紹介する報告では、睡眠不足と痛みの程度との関連を検討するために、17名の健康な対象者の睡眠時間を3週間 × 2条件で管理しました。

管理は次の2条件に分けて行われました。どちらの条件を先に行うかは、ランダムに定めました。


■ 4時間睡眠 × 5日 + 8時間睡眠 × 2日の睡眠サイクルを3週間
■ 8時間睡眠を3週間

そのうち、どちらの条件も完遂した14名の方を最終的な対象者とし、その後の解析を行いました。

痛みの確認は、予め定めた計画に則って定期的に測定しました。今回用いた痛みのテストは実際に感じている痛み(腰痛や頭痛など)、温熱疼痛閾値(どのくらいの温度で「熱い」と感じるか)、寒冷疼痛耐性(どのくらいの時間で冷たさに慣れるか)を詳細に検討しました。

痛みは睡眠不足で悪化

頭痛や腰痛、腹痛といった自発的な痛みは、しっかり睡眠を取ったときと比較してわずかに強くなることが明らかとなりました。

睡眠不足では、熱さに敏感になる!

また、睡眠不足が続くと、「熱い」と感じはじめるの温度(温熱疼痛閾値)が低くなることが分かりました。つまり、低い温度でも「熱い」と感じてしまうため、熱さに敏感になったことが言えます。

冷たさに慣れるまでの時間も増加

寝不足の状態が続くと、冷たさに慣れるまでの時間(寒冷疼痛耐性)も長くなることがわかりました。つまり、冷たさにも敏感になることが示されたと言えます。

睡眠で健康的な身体を作っていこう

今回ご紹介した報告では、睡眠不足が続いてしまうと、痛みを感じやすくなり、痛みになれるまで時間がかかることが示されました。慢性的な睡眠不足は痛みにも影響してくるんですね。

厚生労働省では、必要な睡眠時間は人それぞれであると指摘しています。なかでも、日本の成人の睡眠時間は 6 時間以上 8 時間未満の人がおよそ 6 割を占め、これが標準的な睡眠時間と考えられます。

睡眠時間は、日の長い季節(夏)では短くなり、日の短い季節(冬)では長くなるといった変化を示すことも述べられています。この寒い冬では、少し睡眠時間を長めにとる必要がありそうですね。

また、今回ご紹介した研究は睡眠時間に着目していましたが、過去の記事で紹介したように、睡眠の質も腰痛などの痛みが悪化する原因であると言われています(睡眠と腰痛の間には双方向性の関係があった!)。睡眠時間だけでなく、睡眠の質にも気をつけてみると良いかもしれません。

(山下真司)


▼ 参考文献
タイトル:Chronic exposure to insufficient sleep alters processes of pain habituation and sensitization.
雑誌名:Pain. 2018 Jan;159(1):33-40.
[PMID: 28891869]

  • *当記事は、健康に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の医学的見解・治療法を支持・推奨するものではございませんので、ご了承ください。
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